Thursday, March 12, 2009

South of the Border #1

フライトを3本乗り継いで、一日かけてSyracuseの街に戻ってきました。メキシコと比べると、カラーテレビと白黒テレビくらいの差がありますが(どっちがどっちかはお察しください)、それでも帰ってくると、なぜかほっとするから不思議です。

メキシコには、実質3日間滞在しました。一日半、首都Mexico Cityを観光した後、長距離バスに乗って銀鉱の街、Guanajuato(グアナファト)へ。水曜日丸一日、Guanajuatoを散策し、今日朝一の便でメキシコから帰ってきました。

メキシコは、僕が想像していた以上に、アメリカとは異質の空間でした。むしろ、共通点を見つける方が難しいくらい。NAFTAの影響もあり、僕のアタマの中では、米加墨の三か国をひとくくりで考えがちでしたが、実際に行ってみて、その考えは完全に改まりました。

とにもかくにも、英語がまるで通じません。首都のMexico Cityでさえも壊滅的に通じない。話せないだけならともかく、英語の標示もほとんどゼロ。これには正直往生しました。これからメキシコに行かれる方は、ぜひ、最低限のスペイン語を覚えていかれることをお勧めします(←結構マジです)。

言葉だけでなく、文化の面でも、アメリカとはかなり違っています。人口800万の大都会Mexico Cityにあっても、彼ら固有の文化はねっとりと横たわっています。よそ者には理解し得ない、理屈でない何かが、社会の中に根強く息づいている感じ。その「何か」が醸し出すえもいわれぬ“アウェイ感”は、アメリカではほとんど感じたことのなかったもの。日が沈んだあとにやってくるなんとも言えない不安感(←治安の心配、ということではなく、もっとそこはかとない不安感)は、久々に感じた感覚でした。
  
日本の外務省のサイトによると、メキシコの人口構成は、“ヨーロッパ系と先住民の混血(60%)、先住民(30%)、ヨーロッパ系(スペイン系等)(9%)、その他(1%)”とのこと。Mexico Cityを歩いていると、街ゆく人のほとんどが、Mestizoと呼ばれる混血の人々であることに気付きます。生粋の(という言い方が適切かどうかわかりませんが)ヨーロッパ系の人は、ほとんどと言っていいほど見かけません。この点も、アメリカと大きく違うところ。
 
アメリカが多民族国家であるのに対して、メキシコは混血の国。前者が、いろんな民族を受け入れる中で、各民族の文化・風習を薄め、社会制度を普遍化していったのに対して、メキシコは、スペインとインディオという二つの文化をぶつけ合い、混ぜ合わせる中で、ますます濃厚な固有の文化を産み出してきたように思います。旧宗主国がイギリスかスペインかの違いだけ、といったような単純な話ではありません。そのことも、実際にメキシコに足を運んでみて、初めて実感できたことでした。

その他、メキシコあれこれ。

◆ VWビートルがいっぱい
 フォルクスワーゲンのビートルがしょっちゅう走っています。ニュービートルではなく、初代ビートル。ビートルタクシーにも一度乗ってみましたが、エンジン音は、自動車というより、遊園地のバギーのそれに近い感じ。とりあえず燃費は超悪そう(苦笑)。ちなみに、日本車の割合は、アメリカ(NY州)で見かけるほど多くはありません。その分、FordやGMが、本国以上に頑張っている感じ。日本車の中では、日産が孤軍奮闘していました(タクシーの運ちゃん曰く、トヨタ・ホンダに比べて日産車が安いとのこと)。

◆ 電車の中でCDを販売
 地下鉄は、Mexico City市民の足。時間帯によっては、日本並みの満員状態にも。そんな車両の中、大音量で音楽を鳴らす輩が!! 何かと思って見てみたら、なんとCDの即席販売。民族音楽からビートルズまで、いろんなジャンルのCD屋さんがは跋扈していました。さらにびっくりするのは、その場でCDを買う人がそれなりにいるということ。まぁ、そうでなければ彼らの商売は成り立たないわけですが…。中には、小型TVを持ち込んで、DVDを販売しているツワモノまで。

◆ タブロイド紙の表紙 
 街中のキオスクで売られているタブロイド紙の表紙は、ほぼ100%、二つのうちのどちらか。ひとつはsexyな女性の写真。こちらは日本もある程度共通(さすがに表紙はないか??)ですが、もうひとつはメキシコ独特で、なんと、殺人事件の現場写真。それもモザイクなしで、かなり、そのまんまな感じで写っています…。街を歩いていると、どうしても目に入ってきてしまうので、この点は、ちょっとしんどかったですね。

◆ 空気、薄い
 Mexico City郊外のテオティワカン遺跡では、太陽のピラミッドにも登ってみましたが、とにかく息が切れる切れる。日頃の運動不足もさることながら(!!)、やっぱり空気は相当薄いみたいでした(ということにしておこう。)。

◆ メシうまい。コーヒーうまい。
 Syracuseをベースに考えれば、どこに行こうとも、これ以上メシが不味くなることはまずあり得ないわけですが、とはいえ、メキシコ料理はやっぱりうまい。ついでに、コーヒーが美味しいのも、珈琲党にとってはうれしいところ。スタバのコーヒーもアメリカで飲むよりおいしい気がするから不思議です(←たぶん、気のせいではないと思う。)。

最後に、Mexico Cityとテオティワカンの写真を。


次回(たぶん明日)は、旅行記後篇をお送りします。
my home, Syracuse, Mar 12, 25:38

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