今日のEconomics of Science & Technologyのクラスで提出したresearch paperの中間報告に対するコメントが、Popp先生からさっそく送られてきました。なんと、「非常に面白いトピックである(“This is a very good topic.”)」とのお褒めの言葉が。メールの内容をよく読んでみると、僕のトピックが、いま、先生が研究しているテーマとドンかぶりしているらしく、要はたまたま先生のツボにハマったという方が正確なのかな、と(笑)。
research paperで扱おうと思っているのは、1990年代における各国の風力発電促進政策の比較分析。91年から2002年までの間に、世界の風力発電総量は、2 GWから31 GWに激増。しかしこの間、丁独西の風力発電先進3か国が目覚ましく風力発電量を伸ばしたのに対して、日米英の風力発電量は伸び悩んだまま(特に日本の伸び悩みは深刻)。また丁独西3か国が、国内市場の伸びに応じて、世界的な風車メーカーの育成に成功したのに対し(それらのうちの数社はFortune Global 500にも顔を出す優良企業)、日本は、世界市場で戦える風車メーカーを未だ1社も持たない状況。このような差が生まれたことに、各国の政策の違いがどの程度寄与していたのかを分析します、というのがとりあえず現時点でのresearch paperの方針。
Popp先生からは、「僕もちょうど今、風力についてデータ集めしてるところだから、ぜひデータをshareしましょう」とか、「ディスカッションしたくなったらいつでも僕の部屋に寄ってください」とか書いていただいていて、それはそれはうれしいんですが、春学期後半戦の限られた時間を考えると、ちょっと重いような気も…。でもやっぱり嬉しいかな(笑)
まぁどこまでできるかわかりませんが、調べていて素直に面白い分野でもあるので、春学期後半戦のリソースを集中させるつもりで、やれるとこまでやってみようと思います。
なんて風力発電の話をしていたら、スウェーデンでちょっとビックリなニュースが。GMから放出されてスウェーデン政府への支援要請を行っていたスウェーデンの自動車メーカー(元GMの子会社)Saabに対し、同国通商大臣は、支援要請を拒否した上で、「Saabは、風力発電施設の製造メーカーに業態転換するべきだ」とのメッセージを発したとのこと。同大臣曰く、
"Producing wind power is more realistic for Saab than ever being a profitable car manufacturer again. It is also substantially more desirable for Sweden,"との由。
このニュースもなかなか象徴的なんですが、research paper用に調べている学術論文なんかを読んでいても、ヨーロッパ各国の風力発電施設製造業に対する認識は、日本のそれとはだいぶ違ってきているようです。もはやエコビジネス云々という話ではなく、一国の経済成長の一端を担う基幹産業として(また、大規模な雇用供給源として)風力業界が認識されつつあるのではないかと。
今回のresearch paperでは、僕もそういう認識に立ちつつ、「日本の風力発電政策は、産業政策としてどうだったのか」という視点から分析したいと思っています。
Maxwell School, Syracuse, Mar 4, 26:35
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