Saturday, March 14, 2009

South of the Border #2

Guanajuato(グアナファト)の町は、首都Mexico Cityから北西に、バスで5時間くらい走ったところにあります。メキシコ中央高原の谷間にたたずむ小さな町ですが、かつて、周辺の鉱山から産出される銀で栄華を極めた町でもあり、200年前からほとんどその姿を変えていないかのような美しい街並みが残っています。某『地球の○き方』によると、「メキシコに数あるコロニアル都市の中で一番美しい町」らしいですが、それどころか、世界中探してもこんなに美しい町はそうそう見当たらないんじゃないかと思えるくらい素敵なところでした。
 
夜になると、町の辻々には楽団が現れ、伝統的なスペイン音楽を奏でます。大学があるおかげで、町に学生が多いのもこの町の特徴の一つ。いまや、観光以外に主だった産業のないはずのこの町ですが、大学があるおかげで、町には若者があふれ、単なる「過去の町」にはない、活気がみなぎっています。



メキシコでの最後の夜の食事は、たまたま同じホテルに泊まっていた、元大学教授のアメリカ人のおばさんと御一緒させていただくことに。Ohio州立大で環境政策を教えていたという、その御婦人は、去年の暮れに退官し、2週間のスペイン語講座を受講した後、旦那をOhioに残して(笑)3か月のメキシコ旅行を楽しまれている最中とのこと。偶然にもうちの母親と同い年でしたが、非常に若々しい、エネルギッシュな女性でありました(斯く言ううちの母親も、結構若々しい人です。←こんなところで媚び売ってどうする??)。
  
SUNY-ESFとかにときどきいてそうな(失礼…)、イケイケのリベラル・エコロジストお嬢さまがそのまま大人になったような方で、ワインの酔いが回ってきた頃には、自分の話に盛り上がって“Go! Obama!!” と叫んでみたりもされていましたが(…)、窓の外から聞こえてくる楽団の生演奏を聴きながら、環境政策の話もで盛り上がり、旅行最後の夜にふさわしい、非常に楽しい夕食でした。
    
彼女の教えていた『環境法』の講座は――背景事情を踏まえつつ、歴代各政権の下で、どのような法改正がなされてきたかを教える授業だそうですが――Ohio州立大の、環境政策、森林経営学、自然資源管理の3スクール共通の必須科目だったとのこと。彼女曰く、「実際、社会に出たあと、相手にする人のほとんどは、自分より年上の人。彼らは過去の経緯をよく知っている。そんな彼らと対等に渡り歩いていくには、各制度がなぜできたのか、どうやってできたのかをアタマに入れておく必要がある。覚えることの多いtoughなクラスで、生徒からはビビられていたけれど、私の教えていた内容は、その道で食べていくには欠かすことのできない知識だったと思うわ」とのこと。確かにおっしゃる通り。こういう、過去の経緯をきちんと学ぼうとする姿勢は、意外にも(??)日本よりアメリカの方がしっかり根付いているように思います。
  
最後は、メキシコの話からかなり外れてしまいましたが、そんなこんなで、3日間のメキシコ滞在を楽しんできました。やっぱり自分は、途上国 (というとOECD国たるメキシコの方に怒られるかもしれませんが) を旅する方が好きなんだなぁと改めて実感。「アメリカなんてでっかい途上国みたいなもんだよ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、やっぱり、ここはなんだかんだいって先進国なわけで(←当たり前です)、今回の旅行では、普段のアメリカ生活ではなかなか感じられない刺激をもらえたような気がします。今回、日程的な貯金を使い果たしてしまったので、4月末の春学期終了まで、もはや遊んでいる暇はほとんどありませんが(←そりゃそうだ)、残り1か月半、気分新たに頑張ろうと思います。
my home, Mar 14, 11:12

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