Sunday, March 17, 2013

吉崎御坊

昨日は吉崎御坊へ。なかなかに曰く多き土地。

元はと言えば、浄土真宗中興の祖 蓮如上人が、北陸布教の拠点として15世紀に立ち上げた坊舎。一向一揆の根拠地となり、朝倉氏の返り討ちにあって攻め滅ぼされるも、18世紀、蓮如時代の寺山の麓に御坊を再興。ところが、この時代、本願寺は、既に西と東に分裂。両宗派が別々に建立する形となり、東御坊と西御坊は、旧御坊跡地(寺山の山頂部分)の帰属を巡って対立。結果、幕府の捌きにより、その部分だけ天領となる—というような一件も(今は、両派共有の地)。

その名残か、旧境内(寺山の頂上)に繋がる階段道は、東・西両別院の壁に囲まれた、なんとも歪な回廊。明治初期には、更にいろいろ顛末があったようで、お東さんの敷地の中には、「願慶寺」なる末寺と、東本願寺の別院が、別々に立地。敷地外には、近年の「お東騒動」の対立派閥が立ち上げた、蓮如上人の記念館まである。

兎にも角にも、ややこしく、それ故に、奥深い土地のようである。

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