Sunday, November 30, 2008

How can you carry the Space Shuttle?

スペースシャトル"Endeavour"が、何日か(2週間くらい?)ぶりに地球に戻ってきました。宇宙オタクでも航空オタクでもないので、特に意識してたわけではないんですが、今日も相変わらず家にこもってレポートやってたので、CNNの中継を見るともなしに見てしまいました。

普段使ってるFloridaのKennedy宇宙センターの天候が悪かったので、着陸地をCaliforniaに変更したことを除けば、特に大きなトラブルはなかった様子で、空から舞い降りてきたシャトルがきれいに着陸する様子が、生放送で映し出されてました。

何回見ても思うんですが、宇宙をプカプカ浮いてた乗り物が、もっかい地球に戻ってきて、何事もなかったように自力で滑走路に着陸するのって、やっぱどう考えてもスゴいですよね。「何をいまさら興奮しとんねん」と言われるかもしれませんが、100%文系人間の僕としては、この映像を見せられると唸らずにはいられません。今日も、一人で中継見ながら、「はぁーっ、すごいなぁ」と感心しておりました。

しかし、ここで大きな疑問が!! 予定に反してCaliforniaに降りてきたシャトル君。さて、どうやってフロリダに連れて帰るのか??? まさかそのためだけにもっかい打ち上げるはずもなく…(てか、Californiaには発射台ないですよね、たぶん)、飛行機みたいに普通に滑走路走って飛ぶことはできなさそうだし。。。いったん解体して陸送…??なんて思ってたら、Yahoo! JAPANに、ご丁寧にもNASAへのリンクが。適当に読み進めていくと、このページの一番下に、"Once the shuttle is ready, a Boeing 747, known as the Shuttle Carrier Aircraft, will ferry it back to Kennedy." との記述が!!

え?? 飛行機でシャトル運ぶの???

いくらジャンボ機がでかいっつっても、シャトルは入らんでしょう…と思いつつ、半信半疑でググってみたら――ありました。これが、シャトル運搬中の画像です↓


画像を見ても、やっぱりネタ(合成写真?)じゃないかと思ってしまいますが、事実みたいです。ここには載せませんでしたが、Youtubeには動画も出てました。

何日後かには、この親ガメと子ガメのセットみたいな変な飛行物体が、この大陸の上を飛んでくんでしょうね。0系の最後の雄姿を見逃しただけに、見てみたい気が…。

いやいや、オタクじゃないから。

my house, Syracuse, Nov. 30, 25:40
(アホなこと言うてる間に、アメリカも師走になってしまいました。)

Saturday, November 29, 2008

Anyway less than $2.00

晩御飯を食べて自習室に戻る道すがら、階段の踊り場でボクシングごっこをしているロシア人二人組に遭遇。二人とも手袋がモコモコだったので、たぶん、思わず「K1ごっこやろうぜ。お前、ミルコな。俺、バンナ」的な話になったんでしょうね。どこまでホントか知りませんけど。。。シュールな夜です。

Budgetingレポート二日目。なかなか進みません。このレポートに関しては、そんなにいいものを仕上げようというつもりはさらさらないので、調べ物をしながら、並行して書きすすめてるんですが、アメリカの財政制度は、いい加減にしてくれと言いたくなるくらい複雑で、少し進んだかと思うと、そのたびに、新事実が発覚→ってことは、さっき書いた中身は辻褄が合わへんなぁ…ということとなり、あぁぁぁーーーー、うぅぅぅーーーーー、がぁーーー。。。はい、書きなおし。というわけで、進んでは戻り、進んでは戻りの繰り返しで、まだまだ先は長そうです。(日本で学部生やってるときから思ってましたが、自分には財政学は向いてないと思います。こんなこと言ったら、ゼミの先生に怒られますけど。)

てなわけで、今日も一日自習室にこもってるわけですが、遅めのお昼を買いに、ダンキンドーナツに行った時のこと。

僕   : ハムエッグサンドのセットちょうだい。あ、それにハッシュブラウン付けて。
店員A: 〇〇ドルでーす。
僕   : はい、どうぞ。(デビットカードで払う)
店員A: (店員Bに)4番セットと、ハッシュブラウンよろしく。
店員B: えー、せやからハッシュブランは切らしてるって言うてるやん!!!
店員A: え?そうやっけ?そんなん私知らんしー。 
      お客さん、そういうことらしいわ。どのドーナツがいい?
僕   : ?? (状況を理解するのに一瞬時間を要する。
         → ハッシュブラウンがドーナツに化けたことを理解。
         → 当然のごとく「返金」というオプションは与えられないということも遅れて理解。) 
僕   : あ、あの、その、そこのパンプキンなんちゃらちょーだい。
店員A: と?
僕   : と??? (状況を理解するのに再び時間を要する。
        → ハッシュブラウンがドーナツ2個に化けたことを理解。
        → とはいえいきなりドーナツ2個選べと言われても、少年少女じゃあるまいし…。)
僕   : (といいつつ、)じゃぁ、アップルなんちゃらってやつちょーだい。
          → 次なる攻撃(=ドーナツ3個目)を若干期待しながら身構える。
店員A: (ドーナツ2個を紙袋に詰めながら)はい、どうぞ。
僕   : さ、さんきゅー。(やっぱ3個目はないか。。)
  
普段、ドーナツなんて買わない人が、いきなり二つもドーナツ与えられたので、ハッシュブラウンのことも忘れてなんか得した気分になりました。でも帰り際に見てみたら、ダンキンドーナツのドーナツって一個93セントなんですよね。ハッシュブラウンは一個99セントだから、確かに、ドーナツ一個じゃ、こっちがワリを食う計算になるってわけか…。てか、ドーナツってそんなに安いんだ。知らんかった。

なんてことを考えながらドーナツ屋を出て、丘の上の根城(?)まで歩いて帰ってきた、土曜日の昼下がりでした。なんかうだうだ言ってますが、結局のところ、2ドル以下のミミチイ世界のお話です。

さて、そろそろ、2ケタbillionの世界(=州財政の世界)に戻らねば。ねば。ねば。。。。
Maxwell School, Syracuse, Nov. 29, 23:16

Friday, November 28, 2008

Budget Practice Report

Thanks Giving 休暇中のレポート課題第二弾はPublic Budgetingのレポート課題。今日はほぼ一日それをやってました。10/31の記事にも書きましたが、どこか一つ地方政府を選んで、その地方政府の財政状況について、紙10枚でレポートするというのがこの課題。その記事にも書きましたが、僕は、何の因果か、行ったこともないルイジアナ州の財政について調べています。〆切は来週水曜ですが、月・火は他の授業があるので、この週末の間に終わらせるのが必須。いまのところで3ページ目まで到達。あと7ページ…。他にも課題があるので、できれば明日中に終わらせたいんですが。。

以下、ほとんど皆さんのお役には立たないであろうリンク集。for myself…。

〇 財政データ 
U.S. Census Bureau "State Government Finances"  (全米各州の収入・支出)

〇 論文
The Impact of Hurricane Katrina on the State Budgets of Alabama, Louisiana, and Mississippi
November 15, 2005/Congressional Research Service

〇 ルイジアナ州政府
Comprehensive Annual Financial Report for the FY 2006-2007  (Division of Administration)
Office of Planning and Budgeting "State Budget Document"

Recovery Authority
LA Direct:: disaster recovery tracking
State Senate Fiscal Services

Maxwell School, Syracuse, Nov. 28, 27:00

Thursday, November 27, 2008

Thank Giving Day

今日は午前中に、懸案のレポートに蹴りをつけた(!!)後、晴れてThanks Givingのポトラックパーティに行ってきました。何日か前の記事にも書きましたが、アメリカ人にとってのThanks Giving Dayは、日本人の感覚で言うところのお正月に一番近いと思います。基本、みんな実家に帰るし、この日ばかりは、街中のお店もかなり閉まっています。

というわけで、お正月(的な日)にもかかわらずSyracuseに残っている寂しい人たち(?)で集まってパーティをしようということになり、今日は、スウェーデン人のMちゃんのお宅にお邪魔してきました。Thanks Givingと言えばターキー(七面鳥)、というわけで、七面鳥もちゃっかりいただいてきましたよ。まぁ、日本のお正月の鯛みたいなもんですね。鯛と同じように、各家庭で一羽ずつ、焼きます。

ターキーは、ホストのMちゃんが用意してくれましたが、ポトラックパーティは、みんな一品ずつ持ち寄るのがルール。というわけで、僕はJapanese Soul Food(??)焼きそばを携えて乗り込んできました。まぁまぁ、悪くない反応でした。ほっ。

昨日の頭痛が産みの苦しみだったのか、今日のパーティでは、これまでになく英語がスラスラ出てきて、すごくhappyな気持ちになれました(←単純)。少しは前進したかなぁという気が若干しています。まぁどうせまた一進一退だとは思いますが…。

そんな楽しいパーティだったんですが、地球の裏側(インド)では、哀しい事件が起こっているわけで、MPA生のパーティだけあって、放っておいてもそういう話題にもなります。その話の流れで、アフガン人のクラスメイトと、彼の国のことについて少し込み入った話をしました。彼が言っていたのは、

- カルザイ政権はcorrupt(腐敗)していて、治安も、教育も、貧困対策も、何もよくなっていない。
- タリバンが好きかと言えば、みんな別に好きではないが、少なくともカルザイ政権よりはよくやっていたというのが一般アフガン人のコンセンサス。
- 本当は、カルザイ政権とタリバンの連立政権にもっていくのが現実的なのだが、アメリカがそれを阻んでいる。(タリバンを絶対的に敵視している)
- 教育制度がまったく充実していないので、若い世代がますます偏った考えに傾きがち。このままではよくなる要素は全くない。

といった感じ。普段は明るい彼ですが、自分の国も未来については、かなり悲観視しているようでした。彼に、「ムンバイのテロリストの目的は結局、何なんだと思う?」と聞いてみたら、

とにかく資本主義(capitalism)が憎いんだと思うよ。テロリストたちの母国を貧困に追いやったまま、自分たちだけよろしくやってるから」

との答えが。ほぼ予想していた通りの答えだったので、やっぱそうなんだろうなぁと実感。。。

なんて話の後にこういう話をするのもなんですが、資本主義国アメリカでは、thanks giving dayの翌日はBlack Fridayといって、全米中のお店が安売りセールをする日、というお約束になっています。ベストバイみたいな量販店に至っては、明け方の2時とか4時とかから店を開けるところもあるとか。まぁこれも日本のお正月の、初売りセールみたいなもんなんでしょうね。僕は人ごみが苦手なので、明日は参戦しません。自習室にこもって、レポート第二弾に勤しみます。
my house, Syracuse, Nov. 27, 23:07

English Headache

ここ数日、かかりっきりのレポート課題から、昨日こそ脱出するべく、朝からPCに向かってたんですが、夕方頃から激しい頭痛が…。何かお腹に入れたら回復するかなぁと思って、友達と早めの夕食に行きましたが、期待とは裏腹に、頭痛は激しくなるばかり…。レストランから帰る頃には「もう何も見聞きしたくない」って状況で、そのままベッドへ。目ざましかけずに寝てみたら、結局、10時間くらい寝続けました。まだ全快ではないですが、いちおうレポートには取りかかれそうです。

風邪ではないと思うので、原因はよくわかりません。友達は、寒さのせいじゃないかと言ってましたが、自分的には、英語のせいじゃないかと思ってます…。この手の頭痛、日本にいるときはほとんど経験しなかったんですが、こっちに来てから、月一回くらいのペースでやってくるんですよね。それも、毎回、英語に苦しみ過ぎた後にやってきてる気がする…。困ったもんです。

さて、レポートの日程がだんだんやばくなってきました。今日は午後にthanks givingのポトラックパーティもあり、出ないわけにもいかず…。今やってるレポートはできれば午前中に終わらせたいところです。
my home, Syracuse, Nov. 27, 7:47

Tuesday, November 25, 2008

Power to Save the World ?

今週の授業は今日でおしまい。水・木・金は、Thanks Giving のお休みです。ノリ的には、たぶん日本のお正月に近いんだと思います。アメリカ人のクラスメイトは続々と実家に帰って行きました。自習室に残るは留学生ばかり(しかもなぜかみんな東アジア人)。異様と言えば異様な光景です(笑)

今週は少し暖かく、0℃を越えたり越えなかったり。今朝には雨も降ったので、積もってた雪もほぼ全部溶けてしまいました。雪が降って「寒い寒い」と言ってましたが、溶けるとなんだか寂しいもんです。まぁどうせまた、嫌というほど積もるんでしょうけど(笑)

ほんとは昨日書こうと思ってたのに、臨時ニュースに持ってかれたネタを。昨日の"Energy, Environment, and Resource Policy"では、Gwyneth Cravensさんという人の"POWER TO SAVE THE WORKD -The Truth About Nuclear Energy-"という本についてディスカッションしました。

Ecologistで、もとはanti-nuke(原発反対派)だったという筆者が、3年に亘る全米取材を敢行するうちに、(positiveな意味で)"The Truth About Nuclear Energy"を知り、これぞ"POWER TO SAVE THE WORKD"だと改心するにいたるというお話。ジャンルで言えばルポタージュです。

レポートに追われていて、ざーーっとしか読めなかったので、この本が良いとか悪いとかコメントするのは控えますが、とりあえず、もっかい読み直す必要はないかなぁと思ってます…。

ここでひとつ「釈迦に説法」な予備知識を。ご存知の方も多いと思いますが、この国は1979年のスリーマイル島原発事故のトラウマが大きく、それ以降、新しい原発は一基も造られていません。結果、この国の総発電量に占める原発の割合は比較的小さくて2割弱。ちなみに日本は約3割、主要国中最大のフランスは約8割です。温暖化・エネルギー対策の観点からMcCain候補は原発の建設再開に積極的でした。Obamaさんも、たしか「消極的賛成」くらいのポジションだったんじゃないかと思います。

さて、授業の中身に戻りますが、学期末ということで(=みんな、それなりに課題を抱えてる)、僕以外にも本をちゃんと読んでこれなかった人が多かったですが、そのわりには、やたら議論が白熱してました。当然ながら、アメリカ人も、熱くなると俄然早口にしゃべるので、リスニングに難ありの僕的には、かなり勘弁してほしいシチュエーションだったんですが…(苦笑)

Lambright先生がクラスに投げた質問は、「炭鉱事故や(石炭火力発電由来の排ガスによる)気管器障害で毎年たくさんの人が死んでいるのが明らかで、その数は毎年、原発が原因でなくなる人の数よりはるかに多いのに、人々はなぜ、石炭火力よりも、原発をより忌避するのか」というもの。確かに、言われてみればそうですよね。

侃々諤々の議論の結果、クラスの出した答えは「やっぱり、知らないもの・目に見えないものは怖いんじゃん?」というもの。それに対する先生のまとめは、「みんな議論してくれたとおりで、結局のところ、原発の課題はscienceというよりrisk communicationにあるんだ」というもの。

これに対する僕の感想。
① 「自分自身に被害の及ぶ危険性がありそうかなさそうか」という点も大きいんじゃないだろうかと思うも、発言の機会得られず。
② 2時間やって到達点はここまでかぁ…という気がしないでもない。「discussion」もいいけど、その先(=どうやって、そのrisk communicationを上手にやるか)の「teaching」も聞きたい。まぁそれは、別の授業で学びなさいってことなのかな。
原発の基本構造については、S君のブログでもこないだ紹介されてましたが、"POWER TO SAVE THE WORKD"の筆者のwebサイトに、すごくわかりやすい図説(動画説?)が載ってました。ご参考まで。
my home, Syracuse, Nov.26, 25:17

Monday, November 24, 2008

Shooting in my neighborhood

今朝のCNN(web版)に、"New Orleans ranks highest in crime, survey finds"(「ニューオリンズ、最も犯罪率の高い都市に(統計調べ)」)という記事が出ていました。 N.O.在住の同僚Y君も大変だなぁ~なんて思いながら、脳天気に今日のブログで取り上げようかと思ってたら、なんと、我が家から2ブロック(徒歩3分)と離れていないところで銃撃事件が起こってしまいました。(↓ 地元新聞社The Post-Standardのサイトから拝借。)

Shooting at Madison St. and University Ave.








同記事によると、撃たれたのは20歳くらいの男性で、駐車中の車内にいたところを、走ってきた車から撃たれたとのこと。被害者は大学関係者ではないらしく、また、警察曰く、当人を狙った犯行(無差別ではない)と思われるとのことです。とはいえ、家からも、大学からも、あまりにも近すぎる…。

ちなみに、うちの大学は、2007年のVirginia Tech銃乱射事件を受けて、緊急時のアラートシステムを導入していて、今回、そのシステムが初めて実際に使われました。自習室で早めのお昼ご飯を食べていたら、携帯にメールが飛び込んできて"Seek shelter, lock or barricade the door, await further instructions. "(安全な場所を探し、鍵をかけるかドアにバリケードを築くかして、次の指示があるまで待ちなさい)とのご指示が。校舎内の自習室にいたせいか、僕の周りにいた人は、誰もまったく慌ててませんでしたが…。(僕もたまごサンドを食べ続けました。)

こないだのGPS盗難騒ぎと言い、今回の銃撃事件と言い、最近、この界隈がなんだか物騒です。自衛するしかないわけですが、はっきり言って自衛のオプションもほとんどありません。まさか銃を買いに走るわけもなく…。どうしたもんかなぁと思案中です(たぶん、何もしませんが…。)

Maxwell School, Syracuse, Nov.24, 16:50

Break is also necessary...

寒い寒い…。今日も相変わらず極寒です。

いちおう寒波は今日で一段落らしく、天気予報によれば、明日は、一週間ぶりに「プラス」の気温(摂氏)の恩恵にあずかれるとか。ありがたや~。(明らかに期待値が下がってる…)

今日も引き続きレポート漬けです。

のはずだったんですが、「たまにはブレークも必要」と自分に言い訳しつつ、ほぼ思いつきで、友達誘ってアイスホッケー観に行ってきました。アメリカスポーツ観戦シリーズ第4弾。

観に行った試合は地元シラキュースの球団、Syracuse Crunchのホームゲーム。AHLというマイナーリーグの試合です。野球でいえば大リーグの下のAAAみたいな位置づけですね(たぶん)。

NHLの球団(どこかは知りません)の傘下に入っているとはいえ、日本のプロ野球の二軍とは違い、CrunchはCrunchで一つの独立した球団なので、鳴尾浜でやってるようなプロ野球の二軍の試合に比べたら(観に行ったことないけど)、プロの興業としてちゃんと成立しています。が、そこはやっぱりマイナーリーグ。ローカル色がはしばしに垣間見えて笑えます。スタジアムが軍人さん用の講堂と兼用だったり(舞台の中に無理繰り客席設置してる!!)、画面に流れるCGがいちいち垢ぬけてなかったり…。

中でも極めつけは、ゲームを盛り上げる(はずの)チアリーダーの皆さん。大学生くらいの女の子たち5人組がアリーナの中をうろうろしてて、パワープレイの時とかにリズムに合わせて踊ってくれるんですが、はっきり言って

ゆるゆる

です。試合前のイベント中にもチアリーダーどうしでだらだらだべってるし、もちろん踊りは揃ってないし、踊りが終わったら終わったで空いてる席に普通に座って油売ってるし…。昔、友達が「これめっちゃ楽やねん」とかなんとか言いながら、近所の神社でお正月巫女さんバイトしてましたが、なんとなくそんな感じでした。たぶん、チアリーダの子たちも、そんくらいのゆる~いノリなんでしょうね。ぱつんぱつんに気合入ったNFLのチアリーダーとは比べるべくもありません(上の写真の奥のスタンドで踊ってる白いトレーナー着た人たちが、その巫女さん、じゃなくてチアリーダーさんたち。写真をクリックして拡大してご覧ください。この写真からも、彼女たちの気合いの抜け具合が十分伝わると思います。笑)

ゲームはというと、1-1で迎えた3rd period残り24秒、相手チームに勝越し点を決められ、そのままthe end。後味悪っ!!(笑)  (※ アイスホッケーは3rd periods制(1 period=20分)です。)

ここで、これまでに観てきたスポーツ観戦の中間総括を。楽しかった順で言うと、

1.アメフト(SU vs ルイビル大)
2.サッカー(New England vs L.A.(というかベッカム))
3.アイスホッケー(今日の試合)
4.バスケット(ナゲッツvsどっか(忘れました))

そろそろ分かってきたことは、

・勝った試合は面白い(←当たり前)
・どっちかのチームを応援できる試合は面白い(←これも当たり前)
・やっぱり野球とサッカーが一番楽しい(←身も蓋もない…)

てことは、勝てそうな相手の時にSUのサッカー部の試合を観に行くのが一番いいってこと?? になりそうですが、サッカーの試合は屋外のスタジアム。その時点で選択肢からほぼ消えてる気が。。。(だって寒いし。)

早く春になって大リーグの試合を観に行きたいっす。。

my home, Syracuse, Nov. 23, 25:57
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Sunday, November 23, 2008

Obama's Economic Team

相変わらずレポート漬けの日々、そして家の外では相変わらず雪が降り続いてます。よく日本の天気予報で「積雪〇cm」とか言ってますが、あれってどうやって測るんでしょうね?その辺の道端で測るのか、除雪も圧雪もしてないところで測るのか…。それによって全然違ってくると思うんですけど。こんなこと、実際に雪の中で暮らすまで気にしたこともなかったなぁ(当り前か??)。後者の測り方(レッセフェールの方)で測るとすると、既に10cm以上にはなってます。ベランダに置いてある昔の洗濯機の上に、そんくらいの厚さの雪のカマボコができあがってました。
 
そんなわけで、頭の中がレポートのことでいっぱいになってること以外、あんまり目新しいネタもないんですが、webで新聞見てたら、Obamaさんの経済チームがほぼ固まったってニュースが出てたので(ほとんど自分の勉強用ですが)メモしておきます。
 
〇 Treasury Secretary ― Timothy F. Geithner
日本語では「財務長官」と訳されますが、アメリカ財務省は、財政政策だけじゃなく金融政策も担当してるので、日本でいえば、今の「財務大臣」より、昔(2001年の省庁再編前)の「大蔵大臣」の方がピタっとくると思います。まぁ現内閣では、中川さんが結局両方兼務されてますけどね。

さて、ガイトナーさんについて。父親の仕事の関係で高校まではアジアを中心に世界各国で過ごした(日本在住の経験もあり)彼は、ジョンズ・ホプキンズで国際経済学の修士号を取得した後、3年間のコンサル経験を経て、27歳で財務省に入省。1999年に国際担当次官に就任し、ルービン、サマーズ両長官の下で働いたのち、2001年、ブッシュ政権の誕生とともに下野。有名シンクタンク(田中宇に言わせれば「アメリカ外交政策の奥の院」)外交問題評議会研究員、IMF政策企画審査局局長を経て、2003年からニューヨーク連銀総裁の職に。

アメリカ人エリート(特に政府関係者)がどんなキャリアプランで偉くなっていくのか、まだいまいちよくわからないところもあるんですが、修士取得→D.C.のコンサル→役人→役人のトップ→政権交代で下野→再度の政権交代で返り咲きというパターンは、かなり典型的なんじゃないかと思います。ちなみに1961年生まれなんで、Obamaさんとは同い年ですね。二人ともお若い。てか、入省して10年で次官になれるって、どんな仕組み?? まぁ次官が何人かいるとはいえ、それにしても…。
 
〇 The Director of the National Economic Council ― Lawrence H. Summers
National Economic Council(通称NEC。バザールでござーるとは関係ありません。)は大統領府(Executive Office of the President)の中の一機関。 日本でも比較的有名な国家安全保障会議(National Security Council。通称NSC。吉本の芸人養成所とは関係あるかもしれません。)と横並びの組織ですね。1993年、クリントン政権のときに創設された比較的新しい組織で、初代directorはRobert Rubin。日本でいうと、やっぱ経済財政諮問会議が一番近いんでしょうね。なんかちょっと違う気もするけど。

サマーズは、クリントン政権時代に財務長官を務めた人物として有名ですが、もともとはアカデミックの世界(経済学)の人で、両親とも経済学者という家庭に産まれ(しかも、父方の叔父にはポール・サミュエルソン、母方の叔父にはケネス・アローが!! 二人とも超有名なノーベル経済学賞受賞者です。)、ハーバードで博士号を取得したのち、同大学で教鞭をとっていたそうです。91年、世銀チーフエコノミストに就任。93年、財務次官として財務省入り、99年、ルービンの辞任を受けて長官に就任。その後、ブッシュ政権の誕生とともにハーバードに学長として復帰しています。(その後、ごちゃごちゃ。)
 
これまで、この人のキャラクターについてはまったく知らなかったんですが、wikipediaによると、いろいろお痛もされてきたようで…。如何せんwikipediaなのでどこまでホントかは知りませんが、wiki情報を信じるならば、いささか尊大で、ときどきいらんこと言っちゃう方のようです。どこかの国の政治家に多いタイプなのかも知れません…。

〇 The Director of the Office of Management and Budget― Peter R. Orszag
Office of Management and Budget (OMB)は、今学期のBudgetingの授業にも出てきた機関ですが、いまいち何をやってるところなのかわかってません(スイマセン)。大統領府(EOP)最大の機関(約500人)ということはわかるんですが、何が仕事かというと、wikipediaによれば、"giving expert advice to senior White House officials on a range of topics relating to federal policy, management, legislative, regulatory, and budgetary issues" とのこと。そんなザックリ言われても…。ともあれ、大事なポストのようです(←どんなまとめ方やねん…。)

Orszagさん(カタカナでどう書いたらいいんかわからん。)は現在、 Congressional Budget Office(議会の予算案を取りまとめる機関。OMBのカウンターパート、なのかな。)のdirectorを務められてる方で、御年40歳(若っ!!)。ブログもつけてはります(ブログによると、こないだどっかの大学で、climate changeについて講演しはったそうです)。LSEで経済学博士号をとったあと、Brookings研究所(リベラル系で一番権威のあるシンクタンクの一つ)に所属、クリントン政権時代には、Special Assistant to the President for Economic Policy(経済分野での大統領特別補佐官?)も務められたそうです。


ささっと書きあげるつもりが、意外と時間かかっちゃいましたが、D.C.周辺に生息するエリートの皆さんが、どんなキャリアパスを積んでるかのいい勉強になった、ということでよしとしましょう。それにしても、GeithnerもOrsazgも若い。こう、とんとんと進んでいける人はいいですけど、そうでない人たちは、どうなるんでしょうね?逆にちょっと気になってしまいます(笑) そして毎度のことながら、wikipedia様さま。様さますぎて、このblogいらんのちゃうかと思ってしまいます(苦笑) さて、勉強に戻るとしますか。

my home buried in snow, Syracuse, Nov. 23, 10:20

Saturday, November 22, 2008

Driving in Snowing

Thanks giving が近づき、今日のMaxwellはすでに人影もまばら。かたやMPA生のメーリングリストでは、「今週末、車で〇〇行きます。同乗者募集!!」的なメールが飛び交っています。というわけで、すっかりthanks giving モードのMaxwellです。

そんな中、僕はと言えば、レポート執筆にいそしむ日々。何の因果かわかりませんが、thanks giving休暇明けの12月1日~3日に、レポート提出と発表が集中!! みんなそんなもんなんだろうと思ってたら、どうもそうでもない様子。他の人が羨まひぃ…。まぁその分、これまで人より楽させてもらってたってことなんでしょうけどね(笑)

今日はLambright先生の"Energy, Environment, & Resource Policy"の期末レポートを一日やってました。わりといい加減な先生なので、課題の内容については生徒の間で諸説飛び交ってますが(苦笑)、「何でもいいから、エネルギー、環境、資源に関係のあるテーマで15枚書いてらっしゃい」というのがどうも定説らしい。僕は、「温暖化対策未実施国からの輸出品に対する輸入関税措置」について書く予定。今日はとりあえず日本語で下書きした後、翻訳作業を途中までやってみました。またそのうち、このブログでも詳しく書きます。

夕食は、こんな日でも自習室にいた数少ないクラスメイトと一緒に、ちょっぴり郊外の韓国料理屋さんへ。その道すがら、人生初の雪道ドライブに挑戦。感想を一言で言うと、超怖かったです。が、後部座席に陣取ったSyracuse出身(=雪道のエキスパート!!)Aちゃんのご指導を仰ぎつつ、無事、レストランに到着。少しでも温まるものをと純豆腐(スンドゥプ。豆腐入りのチゲ鍋)をいただいてきました。まぁ、年がら年中、純豆腐ばっかし食べてるという話もありますけどね。(←好物なので仕方ない。)

その後、Maxwellで小一時間勉強した後、CR-V君に乗って帰ってきました。写真は、Maxwellからの帰り道の写真。12時も回ってるというのに、しかも氷点下10℃に迫ろうかというのに、元気な少年少女(たぶんundergraduate??)達が、雪遊びに興じていました。よくやるなぁと思いつつ、ちょっと混ざりたいなぁとも思いつつ(笑) 明日の朝、CR-V君がどんくらい雪にうずもれてるかが心配です(―。―;)
my home, Syracuse,Nov.21, 25:01
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Friday, November 21, 2008

GPS thief

クラスメイトが車上あらしに遭いました。South Campusの学生寮(といっても、日本のそれとはだいぶ違っていて、広大な岡の上にアパートがぽつぽつ建っている感じ)に住んでる彼は、いつもどおりアパートのガレージに車を停めてたらしいんですが、朝起きて見てみたら、窓を割られ、GPS(カーナビ)を持っていかれていたとのこと。周りの車も同じようにやられていたそうです。

夕方には、別の友達も、昨日、車上あらしに遭ったという新たなbad newsが…。二人の家は地理的にだいぶ離れてる(車で15分くらい)ので、犯人が同じかどうかはわかりませんが、いずれにせよ嫌な話です。

日本基準でいえば必ずしも治安がいいとはいえないこの街にあって、僕ら学生がふだん暮らしてる地区は比較的、治安がマシなはずではあるんですが、やっぱり、こういう事件も起こってしまうんですね。。それなりにお金を持ってる人たちがまとまって住んでいるので、泥棒にしてみたら、むしろ狙い目ということなのかもしれません。

気をつけないととは思うものの、今回の二人のケースは、ほとんど予防のしようもなかったわけで、幸運を祈ってるしかないのかもしれません。。


さて、ワシントンでは、今週、Big 3の社長さん達がデトロイトからやってきて、国会議員相手に緊急融資($25 billion)の発動をお願いしていました。が、説得は失敗に終わり、「2週間あげるから、もうちょっとましな提案持ってきてくんない?」と言われて帰ってったそうです。

報道を見る限りでは、Big 3の持ってきた提案はなかなかひどかったみたいですね。NY timesには、"The comments(下院 Pelosi 議長と上院 Reid 議長の共同記者会見でのコメント) indicated that after two days of hearings, the auto executives had hurt rather than helped their cause."とまで書かれてました。提案の中身もさることながら、彼らが(航空会社の通常の飛行機ではなく)社用機でデトロイトから飛んできたということが、議員・マスコミの不評を買ったらしく、今日、立ち話をしたアメリカ人のクラスメイトも、「自家用機に乗って金をせびりに来るなんて矛盾してるよね」とご立腹でした。

まぁ、彼らが必要としてる額は、飛行機一機売ったところでどうにもなんない額なんでしょうが(それがそもそも問題)、とはいえ、世間の反応を読めずに社用機で来ちゃうあたり、やっぱり何かしら「ズレてる」んでしょうね。そもそも、MichiganやMissouriといった自動車産業州以外の議員にしてみれば、「付き合わされてる」感が強いみたいですが…。

12月2日に再検討とのことですが、デトロイトはどうなるんでしょうか…。

my home, Syracuse, Nov. 20, 26:44

Wednesday, November 19, 2008

Obama's Lincoln

"Public Budgeting"のレポートはなんとかギリギリで提出できました。提出時間の直前までPCに向かってパタパタやってましたが。。。 それにしても、今回も英語がひどい。どう直したらいいのかはわかりませんが、ひどい英語だということはよくわかります。そんなわけで、達成感の伴わない疲労感に浸っております。どよん。

だからというわけではないんですが(いや、だからです。)、budgetingの授業が終わった後は、特段、用もないのによれよれと生協へ。レジの横にはいつもどおりNewsweekとTIMEが置いてあり、表紙はどちらもObamaさん。それ自体は今更驚くべき話でも何でもないんですが、面白いのは二誌の取り上げ方。Obamaさんを、NewsweekはLincolnになぞらえ、かたやTIMEはFDRになぞらえていました。両方とも、前から言われてる話ではありますが、こうやって同じタイミングで二つ揃うと面白いですね。

Newsweekのcover storyの論調は「Obamaさん、大勝したから言うて数の論理で押し切ったらあきまへんえ。南北戦争の後、南北融和に努めたLincolnさんを見習って、bipartisanship(超党派)に徹しなはれや」というもの。実際Obamaさんは、選挙演説でもLincolnの言葉を何度か引用しています。Democratsの党大会で使ったギリシャ風のセットについても「あれはLincoln Memorialへのオマージュなんだ」ってテレビで解説してる人がいてましたし(ほんとかどうか知りませんが)。そう言うのを見聞きしながら、単純に、「Lincolnは奴隷解放の父だからか」と思ってましたが、民主党の政治家であるObamaさんが、共和党の政治家であるLincolnを称えることで、bipartisanぶりをアピールするって狙いもあったのかも知れませんね。

一方のTIMEで目を引いた記事は"What a New Energy Economy Might Look Like"。Obamaさんはclean energyを推進するための予算として、毎年$50 billionつっこむと公言していますが、その中身がどんな感じになるのか、the Center for American Progress(Obamaの政権移行チームのchiefであるPodestaさんのシンクタンク)の案を紹介しています。若干、今更感もありますが(…汗)、僕自身のお勉強のためということで、書かせてもらいます。(S君がだいぶ前に同様の記事をブログに載せてたという噂も…。)
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「5つのcomponents」
1. A green bailout for the automakers (何はともあれBig3の救済 → 自動車の燃費向上、plug-in hybrids)
2. A green-infrastructure fund (公共ビル、民家の保温性能向上 → 建設業の活性化)
3. 風力・太陽光発電事業者、省エネ機材製造業者に対する減税
4. new "smart" electric grid の建設
5. 公共交通機関への投資促進 
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表現があいまいで若干よくわからない部分もありますが、とりあえずはっきりしていることは、ターゲットは「車・建物・発電・送電・公共交通機関」の5つだということ。これはほぼ納得。

4.が一番わかりにくいですが、要は、再生可能エネルギー(風力・太陽光・地熱)発電の適地である中西部及び南西部から、電力の大消費地である両海岸に電力を効率的に送電するため、新たな
送電網を敷く(or既存の送電網を補強する?)ということらしいです。(読者のみなさま、間違ってたら指摘してください。)

2.~5.が(とりわけblue colorの)雇用創出に直結するのは明らかですよね。1.は、英語があいまいで、どこまで明確committさせるつもりなのかよくわかりませんが、要は、昨今話題のBig3に対するbailout(=公的資金投入)を実行してあげる代わりに、彼らには、毎年4%の燃費向上と、pug-in hybridsの開発投資を約束させる、ということのようです。

なるほど。"Green New Deal"と言われる由縁がこれでよくわかりました。(これまでわかってなかったんかい…??)

ちなみに、S君のブログでも紹介されてましたが、今日と明日の2日間、カリフォルニアでは、シュワ知事主催の「地球温暖化国際サミット」なるイベントが開催されています。このイベントにObamaさんが送ったビデオレターが、政権移行チームのwebサイト(その名も「change.gov」!!)にアップされてましたが、その中でも、president-elect自ら「$50 billion」とはっきり言及してましたね。



それにしても、change.govって…。「.gov」ってどんな基準で使えるんだろ(―。―;)
my home, Syracuse, Nov. 19, 25:21

November Snow

明日の提出のPublic Budgetingのレポートが終わりません。あぁ、英語でレポート書くのって、ほんまに疲れる…。

というわけで、今日はブログ書いてる時間がないので、今朝の雪景色の写真でお楽しみください。ちなみに今の気温は-6℃。明日は-7℃まで下がるそうです。おぉぉ、寒いぃ…。


my home, Syracuse, Nov. 19, 25:11

Monday, November 17, 2008

NO RULEs in WV?

先週の石油に続き、今週の"Energy, Environment, and Resource Policy"のお題は石炭

恥ずかしながらこっちに来てから知ったのですが、この国の電力の約半分は、石炭火力で賄われているそうです。それというのもこの国は、"the Saudi Arabia of coal"と言われるほど、石炭資源に恵まれているから。逆に言うと、それだけ大きな国内石炭業界を抱えているので、石油やガスへのエネルギーシフトは、政治的に容易ではありません。というわけで、この国の温暖化対策を考える上で、石炭の問題は、石油と同じくらい(あるいはそれ以上?)に避けて通れない問題になっています。

今日の授業は「炭鉱州」のお話に。アメリカの炭鉱の配置は、右の地図みたくなっていて(EIAのサイトから拝借)、AppalachianPennsylvania, Ohio, West Virginia、InteriorのIllinoi, Kentucky、WesternのMontana, Wyomingなどは、しばしば「炭鉱州」と呼ばれます。

炭鉱州は、概して、採炭以外にまともな産業がなく、結果、平均所得が低くて、教育機関の充実度合いもイマイチ…とのこと。

その中でも、Lambright先生が"extreme""the bottom of bottom"と酷評していたのは、West Virginia州。アメリカ人な生徒の皆さんも同意見のようで、「街と言えるほどの街が一つもない」、「WVの大学は、たまに有名アメフト選手を輩出するが、有名学者を輩出することはあり得ない」、「町を歩いてて18歳から45歳くらいの人に会うことはまずない」、「一度行ってみたが同じアメリカとは思えなかった」と、とにかく散々な言われよう。挙句の果てには「基本的にregulationが存在しない」とまでも。もちろん、文字通り法律がないわけはないので、enforcementがゆるゆるだという意味なんでしょうが…。

授業の最後にLambrithgが言っていた一言―「WVには、炭鉱も多いが、アパラチア山脈の美しい自然もある。そこに住まう人たちは粗野だが、本当にいいやつらだ。ただ、その土地の雰囲気は、本当に哀しい(sad)。」 West Virginia、帰国するまでに一度は行ってみたいと思います。

ちなみに、今日の授業で使った本は、Jeff Goodellの"BIG COAL"。"the dirty secret behind America's energy future"という副題の通り、採掘から発電に至る石炭関連業界の裏側を、3年の取材をベースに書き起こしたルポタージュで、先週の"The End of Oil" 同様、重苦しくも、非常に勉強になる本です(僕的には、こっちの方が"The End of Oil" 以上に重かったかなぁ…)。今回は、ざっとしか読めなかったので、冬休みにゆっくり読みなおしたいなと思っていて、それが実現したら、このブログにもきっちり感想書きますね。
Maxwell School, Syracuse, Nov. 17, 15:16

Sunday, November 16, 2008

Trip to the National Capital

二日間のご無沙汰でした。相変わらず、元気にやってます。これまで毎日欠かさず更新してたので、突然、二日間もサボったら、「ヤツの身に何かが起こったのでは!!?」と心配された方もいらっしゃったのではないでしょうか…、

え?そんな人はいない??

あ、なるほど。そういうことですか。これは失礼いたしました。。


とまぁ、しょうもない一人ボケ突っ込みはどうでもいいんですが、なんでこの2日間、更新をサボってたかというと、ワシントンD.C.に旅行に行ってたから。金曜日(14日)の朝にSyracuseを経ち、D.C.の先輩宅に金、土と二晩滞在。今朝、D.C.の空港を出て、夕方、Syracuseに戻ってきました。

行きしは、実にいろんなことがありました…。予約していた便には乗り遅れ、リスケした便(13:30 D.C.着予定)は天候不順で一向に飛ばず、結局着いたのはほぼ5時間遅れの18:20。その間、空港のターミナルに○○を××して係員さんにこっぴどくしかられ――と、とことん落ちるところまで落ちた一日でした。はぁ。。。

でも、この旅行全体を通して見ると、初日一日分の落ち込み(←それもそもそも自業自得なんですが)を補って余りあるものを得て帰ってこれました。今回の旅は、D.C.市内の観光もさることながら、どっちかいうと人に会うことがメイン。泊めていただいた先輩(昔、同じラインで大変お世話になった上司にして、Maxwellの大先輩)宅に、現在アメリカ留学中の同僚たち5人が集合。家主さん(=その先輩)にも交じっていただきながら、二晩とも、極限まで睡眠時間を削って、G20以降の国際社会のあり方について、丁々発止の激論を交わしてきました。

・・・・んなわけはなく、二晩とも、夜遅くまで全力で話していたのは、取るに足りない与太話(笑)。「誰が一番肥った?」とか、「いつまでたっても英語がしゃべれん」とか、「いやいや、こいつはむしろ日本語がしゃべれとらんぞ」とか。あ、もちろん、アホな話だけじゃなくて真面目な話もしましたよ。まぁ、時間的には アホな話:真面目な話=9:1 くらいでしたけど。時間的には短いながらも極めてinntensiveに!!(ほんまか?) というわけで、完全に修学旅行なノリの二夜を過ごしてまいりました。

それはそれで、本当にunforgettableな時間だったんですが、日中はというと、3人の日本人のスペシャルゲストな方々とのお食事会を梯子していました(その合間にD.C.観光♪)。

お会いしたのは、某日系メーカー北米支社、某国際機関、某僕の所属組織、でそれぞれで働いておられる日本人の方々。3人目の人(つまり、うちの組織の先輩)だけが東京からの出張組、あとのお二方はD.C.で働いていらっしゃいます。

お三方とも、考え方の筋がビシーっと通った方々で、東京を離れて以来、しばらく遠ざかっていたビンビン来る感じの刺激を、頭の上からバサ~っとかけていただきました。 擬態語の連発だけでは、伝わりそうで伝わらないと思うので(ていうか、伝わりそうでさえない)、感じたポイントを簡単にメモしておきます。

1.仕事の”Value”
メーカーの方、国際機関の方とも、仕事をする上での"value"という点をすごく強調されていました。「自分の組織はどういうvalueを生み出すべき組織なのか」「(その中で)自分はどういうvalueを生み出していくべきなのか」――そんなお話を聞いていると、留学前の自分は、"value"に対する執着が足りなかったなぁと反省します…。

ただ、同時に浮かんでくるのは、value意識の薄い(→ゆえに、明確なプライオリティがない)組織の中で、valueを追求するにはどうすればいいのか、という疑問。これはなかなか、悩ましい。。 でも逆に言うと、自分の部下たちには少なくとも、仕事をする上での明確な価値基準、プライオリティを示せるようになりたいなぁ、とも。

2.Managerのスキル
メーカーの方は、その方の会社の超「できる」managerさんが駆使されているというmanagemant術(?)についてもお話ししてくださいました。以下、箇条書きにて。

- 部下には、ひとつの仕事を始める前に必ず「いついつまでにこれだけ達成します」という「コミットメント」をさせる→コミットメントを達成することは当たり前。それだけでは褒めない。部下は常に「プラスα」を期待されている。
- プライオリティづけ(課題Aの解決と課題Bの解決のどちらを優先するか)を常に明確に、責任を持ってマネジャー自らが示す。
- 部下からの報告は"fact base"が必須。決めゼリフは「君の希望、感想は聞いてない」
- 部下が「ここを突かれると嫌だな」と思うポイントに限って逃さず指摘してくる。その洞察力は異様に鋭く、その指摘にはほとんど反論の余地がない(=筋が通っている)。
- コミットメントを達成するために必要だと認めれば、部下への権限委譲は惜しまない。

3.ひとつひとつの局面を勝負ととらえる
これは、どなたかが具体的におっしゃっていた話ではないんですが、でも三人ともから感じとったポイント。それは、人生をただ漫然と受け身で過ごすのではなく、自分なりのビジョンを持って、能動的にデザインしようとされているな、ということ。

もちろん、人間の人生は思い通りになることばかりではないですし、もし仮に、中短期的には思い通りになったとしても、それが、各人にとっての最終的なターゲット(たとえば僕にとっての「温暖化問題」、ある人にとっての「貧困問題」etc.)の、根本的な解決に資するのかどうかは、なかなかわかりません。ターゲットである社会問題の大きさ・深さ・広さ・複雑さ・たちの悪さに比べたら、一人一人の人間のできることなんてごくごくごくごくごくごく限られた小さなことに過ぎないですから。。

それでも投げ出してしまわず、自分にとっての最大限のパフォーマンスを発揮することを目指す。そのために中長期的な目標を設定し、その達成に向けてチャレンジすることを自分の中での「勝負」と捉える。「勝負」に勝利するために、自分の周りのありとあらゆることを戦略的に利用し、デザインしていく。

そんな生き方は、短期的にみればすごくストイックに見えますが、長期的にみれば、とりもなおさず、人生を一番楽しめる生き方なんじゃないかと思います。結局それは誰のためでもなく、自分自身が人生を最大限に楽しむために、一番合理的な方法でもあるんだと―。

お三方が、そんな風に考えてらっしゃるのかどうかはわかりませんが、ともかく、お三方のお話を受けて、僕の中でボワっとinspiredされたのは、そんな感じのお話でした。それを踏まえて、いま具体的に思っているのは、来夏・来秋のインターンをひとつの勝負どころにしよう、ということ。どれだけ自分の人生にとって価値のある経験にできるか。これをひとつ、勝負ととらえて頑張ってみようと思っています。

~~~~~~~
もうだいぶ長々と書いてしまったので、観光の部は、写真メインでお楽しみください。

写真の中にもG20っぽいのがいくつか出てきますが、まさに僕らの滞在中にG20が開催されてたわけで、市内を観光してても、ものものしい雰囲気がびんびん伝わってきました。特に土曜日は一日中、ひっきりなしにパトカーのサイレンが。

「国旗付きリムジン+数台の随行車+パトカー」という、国家元首御一行さまセットも何度か目撃。日本の旗建てたリムジンも見ましたよ~。中にいる(と思われる)麻生さんの姿までは見えなかったですけどね。あと、喫茶店でお茶してたら、チベット独立要求派 対 五星紅旗軍団の対峙場面にたまたま遭遇。小競り合いにまでは至りませんでしたが、両者、激しく旗を振りながらシュプレヒコールしまくってました。

それにしても、チベット独立派がデモする理由はわかりますが(①G20参加中の胡锦涛へのアピール、②外国メディアへのアピール)、五星紅旗軍団が何で現れたのかは謎。たぶん「お仕事」なんでしょうね。黄色軍団にやらせっぱなしではまずい、ということなんでしょうか…。

午後にホワイトハウスにも行ってみましたが、G20の関係なのか、普段は入れる北側の庭に入ろうとしたら、怖いお兄さんたちに追い出され、近くからは見れず。リスたちも、どこかから一か所に追いやられたのか、ひとつの芝生に気持悪いくらいいっぱい生息してました。リスを見て、気持悪いと思ったのは昨日が生まれて初めてです。



というわけで、実質1.5日くらいの短い旅行でしたが、Syracuseでは得難い刺激をもらって帰ってきました。

この4ヶ月間、「まずは英語。その先は、英語がある程度できるようになってから」という言い訳を自分にしつつ、ちょっとのんびり過ごしすぎてたなぁと反省。今回を機に、モード切り替えて、ガっついていかねばと思ってます。

最後に一言。途中でも書きましたが、今回の旅行中、夜中の修学旅行トークは、本当に楽しい、unforgettableな時間でした。素敵な仲間を持てたことに感謝。

p.s. 帰りの飛行機はダイアどおりに飛んでくれましたが、無事にSyracuseについたと思ったのもつかの間、人生初のLost Luggageをくらったことが発覚。明日、家に届けてくれるそうなんですが日中は授業出てるし…。今回、飛行機運だけは最後の最後までついてなかったなぁ…。というか、自業自得+その報いですね。。反省。

Maxwell School, Syracuse, Nov. 16, 22:36

Wednesday, November 12, 2008

Spring Semester

今日はSpring Semester(春学期)の受講登録の開始日。webから登録するんですが、人気授業は受付開始後数分で埋まってしまうなんてこともあるとか、ないとか…。そこで僕ら学生はどうするか?

受付開始と同時にクリック勝負!!

アホらしいなぁとは思いつつ、かといって高みの見物決め込んでたら取りたい授業を取れなくなるだけなので、参戦しないわけにはいきません。というわけで、僕も、今朝は8:28からPCの前でスタンバり、8:30になったのと同時にクリック!! 若干、手続きミスをしてる間に、一つのコマは埋まってしまいましたが、絶対とりたいなぁと思ってた授業は全部登録でき、ほっと一息。

皆さん、ご興味あるのかないのかよくわかりませんが(笑)、春学期の受講予定コースリストを、載っけておきます。

<MPA必修>
- Quantitative Analysis

<MPA選択>
- Economics of Science & Technology
- Environmental Conflict Resolution (3-day short course)

<IR必修>
- Culture in World Affairs
- Evaluation of International Programs
- History of International Relations

Quantitative Analysisは、今学期受講してるIntroduction to Statistics の続編。今と同じ、Lopoo先生のコマを確保できたのでひと安心。Economics of Science & TechnologyのPopp先生はEconomics of the Environmental Policyという授業も春学期にもつんですが、敢えてScience & Technologyの方を選んでみました。なんでか…? 一言で言うと、自分にいま必要なのはそっちだろうと思ったから、っちゅうことですね。

問題は、5コマも取って本当に乗り切れるのか、ということ。うちのスクールでは、native、留学生を問わず、一学期のコマ数を4コマ以下に抑える人が多いです。5コマは、制度上認められる最大のコマ数。ちゅうわけで「おれ、コレとコレとコレとんねん」って話をしたら、いろんな人から「お前、5コマもとって大丈夫か?」と言われてしまいました。

ぷふー。だって、必修だけで一学期終わるのなんて寂しいし、ひとコマくらいeconomicsの授業取りたいし、それに、テクノロジーっていま僕の中で超アツい分野だし(←誰もそんなこと聞いてない。)

まぁ、学期が始まってしばらくは、キャンセル料なしでドロップ(「受講中止」?日本語ワカリマセン。)することも可能なんで、とりあえずトライしてみようと思ってます。
my home, Syracuse, Nov 12, 24:19

Tuesday, November 11, 2008

Elevator Speech

VanSlyke先生の"Public Organization & Management"の授業では、"Elevator Speech"という課題が出ています。エレベータの中での立ち話で上司にブリーフするときみたく、パパッと説明してパパッと話をまとめる、という練習。某社の採用面接で同じようなのをやってるという話を風のウワサで聞いたことがあります(笑)

VanSlyke版のelevator speechでは、状況設定(自分は誰で、先生は誰で、クエスチョネア役のもう一人の生徒は誰か、など)も自前で用意することが求められています。セッションの最初に、先生、クエスチョネア役の生徒、自分自身が誰か(市長だったり、大統領だったり、NGOの代表だったり…)を説明し、背景状況を簡単にしゃべってから、さっそくブリーフに入るといった流れ。アメリカ人な人たちの、与えられた「役」に一瞬で成りきれる能力の高さには、毎回、感心させられます。

やり取りは全部で約10分。なので実際には、エレベータの立ち話よりも、もうちょっと長めですね(300階まであるビルなのかもしれません)。

秋学期の間に、プレゼンテータ役とクエスチョネア役が一回ずつ回ってくるんですが、今日は僕がクエスチョネア役。なにげに、このクエスチョネア役、今学期の課題の中で、一番気が重かったです…。プレゼンテータだったら事前に準備もできますけど、聴く側って準備のしようがないじゃないですか。しかもプレゼン役の子たち、みんなここぞとばかりに早口でまくしたてるし…。

準備のしようがないとは言いつつ、ここ一週間は、ヒアリングの練習をいつもより多めにやりながら(←悪あがき)過ごしてみたんですが、いざふたを開けてみると、今日のセッションでプレゼン役のMちゃんから仰せつかった役柄は、"政策コンサルタント"であるところのVanSlykeお抱えの"アナリスト"。こら、ちょーてきとーやないか!! (―。―;)

と言いつつ、過度な期待をされずに済んで、若干ほっとしたのも事実。VanSlyke先生(= "政策コンサルタント"さん)から質問を促され、2つほど質問をしてはみたものの、議論がかみ合ってたのかどうか定かではありません。

90分の講義を聞いた後で、「今の授業の要旨を言いなさい」と言われれば、まぁなんなく言えそうなだけのヒアリング力は、いちおうついてきたと思うんですが、より厳密に聞きとってその場でレスポンスしなさいと言われると、まだ厳しい。そのレベルのヒアリング力となると、まだまだ、だいぶ向こーーーうの方にいたはる感じがします。ふぅーっ。

ともあれ、気が重かった課題が一つ済みました。前向きに、前向きに♪
(学期末に向けて、まだまだ課題山積…ですけどね。笑)

my home, Syracuse, Nov 11, 23:39
 
p.s. 米国国務省のDemocracy and Global Affairs担当次官が、今月8日のパネルディスカッションで、今年のUNFCCC COP(Poznan)についてしゃべった内容が、同省のwebサイトに出てました。COPについてはあんまり詳しくないので、この内容については特に何も言えませんが、"We also expect that members of the transition team will send representatives to Poznan as observers."との一文が、目に留まりました。

Monday, November 10, 2008

The End of Oil

Syracuseに寒さが戻ってきました。今朝の最低気温は―2℃。そんな中、僕はと言えば、朝から両太もも・両ふくらはぎの筋肉痛に苛まれてます(>_<)  
  
今日の"Energy, Environment, and Resource Policy"の授業は、"The End of Oil"(by Paul Roberts)の2回目。この本については、11月3日の記事で、前半部分までの感想を書きました。後半はどうだったかというと、正直、冗長の感否めず。。。第一部(前回感想を書いた部分)でエネルギーをめぐる歴史と現状を書いた後、第二部ではエネルギー産業・エネルギー政策の構造、第三部ではエネルギーの未来について書かれてるんですが、第二部・第三部の内容はわりと当たり前の話が多くて(※ かんきょう屋基準です)、第一部を読んだ時ほどの興奮には至らず。個人的には、産業革命以降のエネルギー争奪戦の歴史を描いた第一部第2章と、今日におけるエネルギー覇権争いを描いた第一部第4章が一番面白かったですね。これから読まれる(かもしれない)方は、ご参考まで。

著者のRobertsさんの主張を簡単にまとめると、こんな感じ。

① このままのペースでいけば石油文明は早晩破たんする(エネルギー安全保障の面でも、地球温暖化の面でも。)。
② 石油文明に代わるオプションはすでにいくつか提示されており、そのうちのいくつかは非常に有力。
③ しかし自由経済に任せていては、脱石油文明社会への移行は自動的には起こらない。
④ かといってアメリカ政府も国際社会も、もろもろの事情により、今だ積極的な政策を打ち出せていない。(そして、論理的に考えれば、今後も容易ではない。)
⑤ むしろ各国政府は、中短期的な化石エネルギーの確保に、より大きな関心を振り向けつつあり、そのことが長期的な代替エネルギーへの挑戦をますます困難にしている。
⑥ より早く動き出せば、我々はより大きな選択の自由を確保することができる。本当ににっちもさっちもいかなくなってから動き出すのではなく、今すぐに動き出すべきだ!!

ざっと読んでいただければお分かりの通り、①~⑤と⑥の間には、あきらかな飛躍があります。あるいは、⑥は良いとして、そのための処方箋が示されていないというか…。

邪推ですが、①~⑤までを緻密な論理で書いてきたRobertsさんは、はたと「う~ん、解ねぇなぁ…」と気づき、とはいえそのまま終わったのではあまりに暗い結末になってしまうので、最後に⑥を乗っけてみた――そんな感じではないかと(苦笑)

⑥の主張は最後の最後に出てくるだけで、それまでは、いかに新エネ社会への移行が難しいかが、くり返しくり返し懇切丁寧に(!)述べられていますので、これを英語で読んでると、お経を聞いてるみたいに(?)、ずしーんと重苦しいものがに心にのしかかってきます。 後半部分、あまり目新しい情報はなかったですが、事態がいかに深刻かということを、頭ではなく心で(!?)感じられたという意味では、成果ありかも。

この著者自身、アメリカ人な人にしては珍しいほどのpessimist。本の最後のセクションでは、正直に"When I began work on this book, it was with a profound sense of pessimism"なんて書いちゃってます。でもこう書くということは、英語表現の常道で、「いろいろ調べてみたら希望が見えてきた」的なpositive展開が続くんだよね、と思いきや、次の展開は"Today, my perspective is far more complex."てな具合。いちおう、黒から灰色にはなったものの、灰色以上にはなれません(笑) ぱっぱらぱーな感じの(失礼!)Friedman氏のoptimismとはだいぶ違います。まぁあれはあれで必要なんでしょうけどね(特に、アメリカ人な人向けには!!)。

授業では、Lambrigtht先生(←実年齢は知りませんが、見た目的にはわりとおじいいちゃんな感じ)が、Obama氏の大統領当選に触れ、「私がこれまで生きてきた中で、一人の人間に、世の中がこれほど熱狂している様子は見たことがない」と言ってました。おじいちゃんなだけに、なかなか重いお言葉。その上で、エネルギーについての社会変革(transformation)を起こすには強力なleadershipが必要→今は本当に貴重なチャンスなんだと。ふむふむ。

そのために、最初の演説でObamaがとるべき戦略は何か。Lambright曰く、「温暖化問題だけを切り離すのではなく、エネルギー安全保障や、経済・失業問題といった他のinterestsとcombineしたかたちで訴えることだ」と。この点、僕もagreeです。

そのObama君、今日はBush君のお招きでWhite Houseに遊びに行ってるそうです。(たぶん、「遊びに」ではない。) お話の中心は当然ながら経済問題のようですが(そういえば、家電量販店売上2位の会社(Circuit City)が、今日倒産しました。僕も買物したことあるお店なので、結構リアルでびっくりしてます)。どんな話をしたのか、今晩、ニュースをチェックするのが楽しみです。
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(以下、本分には納まらなかった雑談的なお話)
- 今日の授業でもそうでしたが、アメリカ人がエネルギー効率改善の話をすると、やたらと「家」の話が出てきます。数字を調べたことはないですが、実際、住んでみて思うのは、確かにアメリカ流のセントラルヒーティングはどう考えても非効率だということ。今後、Obamaさんがエネルギー効率の改善を訴え、同時に、経済が停滞して(←これはまず間違いない)、アメリカ人が本気で省エネを考えるようになれば、日本の家電メーカーにとっては、エアコン販売の大きな商機が訪れるのでは?(こっちでいう「エアコン」は、日本で言うところの「クーラー」で温め機能はついてません。) てか、「ルームエアコンに切り替えればutility代が年間これだけお得+ホッキョクグマもこれだけ喜ぶ」的な広告を打ってけば、今だったらアメリカ人な人たちも反応するのでは??

- この国の天然ガスに対する感覚は日本人からするとかなり遅れています。今だに「導入すべきかどうか」という議論が、授業で普通に行われてるくらい。「日本ではとっくの昔にtake offしてるんですけど…」と言いたくなる。ただ、日本のことを考えると、アメリカにはLNG獲得競争に本格参入してもらわない方が助かるよなと思って、言い淀んでみたり…(笑)

- 有名な話かもしれませんが、アメリカのエネルギー省(Department of Energy。通称DoE)の主要業務は、核兵器の管理と、そこから出てくる核廃棄物の処分。新エネ・省エネ促進業務は、彼らにとって、はじっこのはじっこの業務に過ぎません。というわけで、組織改革して、DoEを本当の意味でのDoEにすべき、といった意見がよく聞かれます。Lambrightも今日言ってました。"Department of Energy Security"に改称すべきとも。

- もうひとつ、Lambrightが言ってたのは、国家安全保障会議(National Security Council)みたいなかたちで、White House内に"Energy & Climate Change Council"を設置すべきという意見。このアイデアも、最近ときどき、耳にします。


Maxwell School, Syracuse, Nov 10, 15:07

Sunday, November 9, 2008

World Run Day

今朝の奥さんとのテレビ電話。画面を見るなり彼女が言った一言――「太ったんちゃう?」

とりあえず、髪形のせいにしてその場を凌いでみたものの(たぶん、凌げてない)、そんなはずもなく、恐る恐る体重計に乗ってみたら、深刻な事態に陥っていることが判明。これはちょっと真剣に対策を考えなければなりません。

というわけで…、というわけではないんですが、今日は、"Syracuse World Run Day"というイベントに参加してきました。

"World Run Day"というのは、毎年11月の最初の日曜日に行われているイベントで、ランニングの習慣をより広く浸透させることと、(イベントを通して)unfortunate peopleへの寄付を募ることを目的に、世界中のランナーが同じ日にランニングイベントを開催する、というもの。

え? なんでお前がそんなこと知っとんねん、と?ランニングなんて全く興味もないくせに、と??

はい、たったいま調べまさせていただきました。詳しくはこちらを。

"Syracuse"と冠していますが、実際は、うちのコース(MPA)の生徒会が主催したイベントで、数名MPA以外の人(と犬)も参加してましたが、実態はほとんどクラスのマラソン大会状態。ゆるゆるです。だいたいそんな感じだろうとは読めたんですが、日頃の運動不足解消と(このフレーズからしてイケてませんね)、アメリカ人な皆さんとの交流を深めるべく、朝の8時半からえっちらおっちら5kmばかし走ってきました。

もちろん結果は惨憺たるもので、完走17人中最下位。タイムは敢えて書きません。ただし、途中棄権者が8人いましたので、その人たちよりはだいぶマシ(かといって威張れる話でないことくらいはわかってます。はい。)

最終ラップのホームストレッチに差し掛かった時には、ゴール付近で待つクラスメイトたちがオオ盛り上がり。アメリカ人な人たちは、何かきっかけを見つけては盛り上がるのが大好きなのです(日本人の酒呑みの行動パターンと同じですね。)。ゴールラインをまたぐや、よりいっそう盛大に祝福してくれて、「あぁ、ホノルルマラソンってこんな感じなのね」と若干、ほのるる気分を味わってみました。こんなこと言ってたら「5kmごときでマラソン走った気になるな」と、runnerな皆さんから激しくモノが飛んできそうですが…。

終了後は、クラスメイト達とブランチへ。「ブランチに行こう」というので軽いもんだろうと思ってのこのこついてったのですが、実際に出てきたのは、風月のお好み焼き2個分くらいの大きさの巨大パンケーキ。軽く、普通の「ランチ」のカロリーを凌駕してるかと…。というわけで、せっかく燃やしたエネルギーをきっちり取り返して帰ってきました。

午後は、期末レポートと格闘の予定。脳みそでカロリー消費します。

Maxwell School, Syracuse, Nov 9, 14:21
追伸: 地元紙(The Post-Standard)のweb版に、今日のイベントの記事が載りました。こちら

Saturday, November 8, 2008

7days to go

昨日、Tクンの誕生日プレゼントに買ってきたソリ、大好評でしたよ~!!
(「こいついきなり何言うとんねん」と思った方は昨日の記事を)
 
今日のTクン誕生日会には、アメリカ人のクラスメイトの娘(14か月)と、コロンビア人のクラスメイトの娘(3歳)も来てて、さながらinternationalな保育所状態。日本語、英語、スペイン語と、「こども語」(わーわー、きゃーきゃー)の4ヶ国語(?)が飛び交う、非常に賑やかな会になってました。

唯一の男の子のTクンにとっては「両手に花」のはずでしたが、女の子たちと絡むよりは、いつもどおりその辺の大人を捕まえて遊ぶ方が楽しいご様子。Tクン、外人女性はあまり好みでないようです。(たぶん、そういう問題ではない。)

ともあれ、子供の力ってすごいですね。いつも楽しい我がクラスメイツではありますが、彼らが輪の中心にいてくれてたおかげで、いつも以上に打ち解けられた気がします。ほんと、幸せな時間でした。
 
さて、そんな微笑ましいお話のあとに、いきなりナマグサい話で恐縮ですが、例のG20サミットまであと一週間になりましたね。このブログでも先週日曜日に書いて以来、しばらくごぶさたしてましたが、アメリカの主要紙(厳密に言うとそのweb版)でも、この会議の話題は、引き続き、あまり大きく取り上げられていません。日曜日のブログでは「(G20会議が)単独覇権主義者vs多極主義者の決戦の舞台になるかもしれない」なんてことを書きましたが、結局、そんなに大きな議論になることもなく、粛々と終わっていくのでしょうか…?

アメリカの新聞サイトだけ見ててもまったく見えてこないので、何はともあれと思ってググってみたら、昨日、ブリュッセルで、EUの首脳会議が行われていたらしいじゃないですか!! TVがないからかもしれませんが(でもwebはけっこうマメに見てる)、アメリカにいると、こんなニュースも普通には耳には入ってこないんですね…。

Indianatimes曰く(←別にどこでも良かったけど、ここの記事が一番きれいにまとまってた)、EU首脳は、11/15のG20会議で以下4点を主張することについて合意したとのこと。
- No financial institution, market segment and/or jurisdiction must escape proportionate and adequate regulation or at least supervision;
- The new international financial system must be based on principles of accountability and transparency;
- The new international financial system must allow risks to be assessed so as to prevent crises; - The International Monetary Fund (IMF) must be given a central role in a more efficient financial architecture.
EUは、この4点を11/15から100日以内に達成することを求めるそうです。

ちなみに、11月8日付のFinancial Timesによると、サルコジさんは当初、IMFや世銀の役割見直しにまで踏み込みたかったようですが、英ブラウン首相の反対も受けて、この線に納まったとのこと。先週、Stiglitzが言ってたようにBretton Woods体制(IMF&世銀体制)を根底からひっくり返すのではなくて、むしろ、IMFに金融構造改革の「中心的役割」を期待するという言い方になったわけですね。Financial Timesは、"EU leaders agreed more vaguely(よりあいまいに) to make the IMF "the pivot of a renewed international system", working alongside other bodies."と評していました。

と、いうわけで、新聞報道を読む限り、11/15はhistoricalと言えるかどうか、やや微妙な位置づけの会議になりそうみたいです。(我ながら、なんと締まりのない締め方だこと!! まぁ明日は朝も早いのでこの辺で。)
my home, Syracuse, Nov 9, 25:00

Halloween, Election, and Next is...

Halloweenが過ぎ、大統領選挙も終わったら、クリスマスシーズンがやってきました。

今日、買物に行った量販店Targetでは、この間までHalloween goodsが並んでたスペースに、クリスマスツリーがてんこもり。(←厳密に言うと盛られてはいません。) その横では、お子ちゃま用のサンタ&トナカイ衣装がこれまたてんこもり。(←こっちは若干盛られてます。) カーラジオをつけると、早くもクリスマスソングが。折からの金融危機で、今年のクリスマス商戦は大きく冷え込むとの予想が出ていますが、それはともあれ、この国のクリスマスがどんな風に盛り上がっていくのか、今からちょっと楽しみです。

そのTargetでは、子供用のソリを購入。明日、MPAのクラスメイトのお子さん(2歳。♂。Tクン)の誕生日会があるので、その場でクラスメイトのみんなからプレゼントする予定です。

そうそう、初雪合戦の報告をして以来、気候の話をあんまりしてませんでしたが、その後は穏やかな天気が続いてて、今日も、この時間でも外気の気温は14℃あります。日中も、暑くもなく、寒くもなく、ちょうどいい感じ。もうしばらくこんな感じの天気が続いて欲しいような、早くTクンにソリで遊んでもらいたいような…。まぁ、でも秋学期が終わるくらいまではこのくらいで持ちこたえてほしいなぁ。。
My home, Syracuse, Nov 8, 25:05

Thursday, November 6, 2008

Post Election

突然ですがクイズです。

右の地図は、カリフォルニア州の大統領選の結果を示したもの(from CNN)ですが、軒並みObama支持が並ぶ海岸沿いの郡(county)の中で、ポツンと、離れ小島みたいに赤色になってるLAの南の郡はどこでしょう?

答え――オレンジ・カウンティ。そう、ドラマで有名な、あの"The OC"です。10月29日の記事で書いた「金持ちは共和党を支持する」説が、非常にわかりやすく現われていたので、拾ってみました。特にそれ以上話は広がらないので、この話題はこれで終わり。


<Obamaさん近辺の今日の動き>
1.Emanuel下院議員をChief of Staffに指名→同議員も受諾の方向。
2.国防長官Gatesは留任?
3.Lieberman上院議員の去就、今だ定まらず。
4.BushがObamaをホワイトハウスに招待(来週月曜日)。

Chief of Staffというのは、日本語では「大統領首席補佐官」と呼ばれるそうで、政権によっては実質的に副大統領以上の(つまり大統領に次ぐ)権限を持ちうる要職です(だそうです)。知りませんでした。はい。日本政府には、これにぴたっと当てはまる役職はない気がしますが、wikipediaを読む限りでは、総理秘書官が一番これに近いのでしょうか。言ってみれば、総理秘書官(日本では原則、役人が勤める)のお仕事を、政治家(それも大物)がやっている、といった感じ?役人からすると超怖いだろうなぁ…。Emanuelさんは下院民主党の大物政治家で、クリントン政権のOB。かつ、Obamaさんと同じIllinoi出身で、選挙期間中から一貫してObamaさんを支えてきたお友達だそうです。

Gatesさんというのは、Rumsfeldがあまりにむちゃくちゃだということで、政権の途中に国防長官を引き継いだ共和党の政治家。現在、戦争継続中ということもあり、当面(1年くらい?)の留任を求めるのではないか、という噂が報じられています。一方で、本人は辞めたがっているという説も。

Liebermanさんについては、America's Climate Security Act of 2007、通称"the Lieberman-Warner bill"の起草者として、その名を覚えている人も多いのではないかと思いますが(えぇ、このblogの読者層は幾分(?)みどりに偏ってます。はい。) 、アメリカでは、むしろ、元民主党副大統領候補ながら、McCain候補を全面的に支持した大物困ったチャン議員として有名。2000年の大統領選挙ではAl Goreのrunning mateとして副大統領の座まであと一歩に迫りながらBush Jr.に敗北→2004年の大統領選に出馬するも予備選で敗北→2006年の上院選の予備選でもやっぱり敗北→無所属で出馬→民主党公認を蹴散らして当選→今回の大統領選ではMcCain全面支持(普通に共和党の党大会で応援演説してました。ちなみにこの人の英語は超聞き取りやすい)、という波瀾万丈(やりたい放題?)の数年間を過ごしてきた彼。McCainの敗北を受け、元の鞘に戻るのかどうかが注目されています。もっとも、過半数を確保した民主党からは、もはや強烈な秋波が送られるはずもなく、そんな状況の中で態度を決めかねているみたいです。

あと、どうでもいいと言えばどうでもいいんですが、Obamaの勝利演説のときのMichelleのドレスがひどすぎた、という話題が巷では盛り上がっています。そんなことどうでもいいじゃんと思いながら、一応…と思って見てみたら、確かにあんまりな感じのドレスでした。「お前がファッションのことを語るな」と言われそうなので、今日はこのへんで。

Maxwell School, Syracuse, Nov 6, 20:54

"President-elect" Obama

歴史的選挙から一夜明け、アメリカは「興奮冷めやらぬ」といった感じです。たぶん…(Syracuse自体はいつもとあんまり変わりないので、「たぶん」。) 僕はと言えば、新聞での表記が"Senotor Obama"とか"Presidential Candidate Obama"から、"President-elect Obama"に変わってるのを見て、ひとりでしみじみかみしめていました。(何を?)

Yahoo! Japanのnewsにも出てた話なので皆さんご存じかもしれませんが、今日は街売りの新聞(てか、アメリカは街売りだけですね。)が売切れ続出だそうですね。アメリカ人にとってはそれだけ「歴史的」な出来事だったということなんでしょう。

Monica先生の英語の授業は、当然ながら50分間まるまる選挙のお話。「興奮冷めやらぬ」どころか、今だ興奮の真っ只中にいますといった様子で、「わずか40年前まで、この国では、白人とそれ以外の人たちは同じバスに乗れなかったのよ。南部では同じ学校にも行けなかったの。それが、公民権運動からわずか40年でここまできたのよ。ついにこの国はアフリカン・アメリカンを大統領に選んだのよ!!」と語ってました。(ちなみに彼女自身は白人。)

昨日のObama候補(じゃなくて、"President-elect")の勝利演説中に、涙してた人がたくさんいたということも結局そうなんですが、アフリカン・アメリカンが大統領に選ばれたということへのこの国の人たちの感慨は、僕のようなよそ者には計り知れないものがあるみたいです。アフリカン・アメリカン自身にとってはもちろん、たぶん、白人の皆さんにとっても。もちろん、ネガティブに思ってる人も、もう片方には間違いなくいるんですけどね…。

今日のObama氏は、勝利に息つく間もなく、早速、次期政権の人選を始めたとのこと。プロ野球でも優勝を決めた次の日は宴会疲れでぐだぐだに負けるのがお約束なのに、やっぱ大統領になろうって人は違うなぁと感心してしまいましたが(一緒にすんなって??)、MPAクラスのアメリカ人の関心はすでにそっちに移っているご様子。国会議員の名前を挙げろと言われても、Obama、McCain、Biden、Hillaryと、あとStevensくらいしかわからないので(あ、この人は、もうすぐ議員じゃなくなるか。。)話にはあんましつけていけてないんですが、ぼちぼちフォローしていこうと思ってます。

最後に一つお知らせ。おとといの記事でPaul Robertsの"The End of Oil"を紹介した際、「日本語版は残念ながら出てないみたい」と書きましたが、その後、masatoさんから、「石油の終焉」というタイトルで日本語版が出ているとのこと情報をいただきました。失礼しました。masatoどの、thanks!!

my home, Syracuse, Nov 5, 25:30

Wednesday, November 5, 2008

Yes, We Can!!

圧勝と言っていいと思います。Barak Obamaがアメリカ合衆国第44代大統領に選ばれました。昨日のブログで、「勝利演説は何時頃だろう」なんて話をしてましたが、CNNで「当確」が出たのは、カリフォルニアの投票が締め切られた(東部時間)11時の直後。考えうる限りでは最速のタイミングでの「当確」だったと思います。その後、McCain候補の敗北宣言演説に続き、当確から一時間後の12時前からObama候補の勝利演説が。

サウスキャンパス内にある、元スキーレストハウス(ということは、サウスキャンパスは元スキー場ということ!?)"InnComplete"にMPA生30人ほどが集まって、決して大きくはないテレビと、申し訳程度の大統領選風飾付けの中、まったりとCNNの選挙速報を観戦。集まったのはほぼ全員アメリカ人でしたが、ガイジンは、僕含め日本人3人と韓国人1人、あと、例の天然ドイツ人Vちゃん。ちなみに彼女、自転車で来ようとしたものの、会場への道がわからずに夜のお墓に迷い込んでしまったらしく、Inn Completeには、必死の形相で汗だくになって現れました。あいかわらずぶっ飛んでます。(てか危ないし。。。)

今日来ていた学生は、僕が話した限り全員Obama支持派。Republicanも学内にはいるんでしょうが、さすがに今回は空気を読んで、お家でじっとしてるんでしょうね。といわけで、Inn Completeは民主党の完全どホーム状態。州毎の民主党勝利が伝えられるたび、歓声に包まれてました。そしてObamaの当確が出た瞬間は、一段と大きな歓声が…。

シカゴの勝利演説会場は、ものすごい人の数。Obamaの勝利演説中には、涙を流す人の姿もたくさん映ってましたね。その映像に見入る学生たちも、みんな心からうれしそうな表情。思いはいろいろながら、この国の人たちは、新しい大統領に、心から期待を寄せてるんだってことがしみじみ伝わってきました。"Yes, we can!!"

日本にとってどっちが選ばれるのが良かったのかを考えると、答えは単純でないかもしれませんが、彼の勝利演説を聞いていると、ただ単純に、彼の時代に期待してみたい気持ちが湧いてきます。彼には、人にpositiveな気持ちを抱かせる、強烈な何かが備わっているようです。そして、このタイミングに、この土地にいらせてもらえたことを、幸せに感じずにはいられませんでした。

帰り道(さすがに深夜で危ないので、VちゃんとVちゃんのチャリンコを積んで搬送)、Syracuseの街中は、シカゴやNYCのようなオオ盛り上がりにはなってなかったですが、すれ違ったいくつかの車では若者が箱ノリに。クラクション鳴らして盛り上がってるので、すれ違い際、僕もお返しにクラクションを「ぷっぷー」(笑) 難しい話はいったん脇に置いておいて、ささやかな(でもSyracuseらしい)お祭り騒ぎ(??)を楽しんでみた一日でした。

My home, Syracuse, Nov 5, 27:05
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Monday, November 3, 2008

Ellection Eve

ついに大統領選挙の前日になりました。といっても、このへんの雰囲気はいつもとそんなに変わりありませんが。さっき晩御飯を買いに行ったら、人がわらわら歩いてたので、「もしや選挙の前夜祭??」と思って一瞬ワクワクしてみましたが、なんてことはなく、単にバスケの試合を観終わって家路につく人たちでした。いくらなんでも前夜祭はないですよね。やっぱり。。

今朝の"Energy, Environment, and Resource Policy"の授業では、先生が「今回は何時くらいに当確スピーチを聞けるかね」との雑談を。クリントン(2期目)が圧勝した1996年の選挙のときは選挙当日の夜10時前、接戦だった前回の2004年選挙では、翌朝4時頃だったそうです。2000年については触れてませんでしたが、たぶん、当確スピーチ自体がなかったんでしょうね。明日は何時くらいになるのか知りませんが、たぶん明け方なんてことにはならないと思うので、せっかくですし、起きて待ってようと思ってます。

さて、その"Energy, Environment, and Resource Policy"ですが、今日から、Paul Robertsの"The End of Oil"という本に入りました。安全保障から温暖化に至るまで、石油をめぐるあれやこれやを一冊にまとめた本で、若干古くはあるものの(2005年発刊)、非常に面白い一冊です。前回の"Hot, Flat, and Crowded" by T. Friedman に比べると、はるかに論理的かつ客観的で、かつ、扱ってる内容が「かゆい所に手が届く」感じがあって素敵です。日本語版は残念ながら出てないみたいですが、ご興味のある方はぜひ原著でご一読を。(ご参考1:Googleでも読めます。ご参考2:「the End of Oil」のwebサイトもあります。著者のblog付き♪)

ただ、温暖化対策については、このRobertsさん、

The only practical solution, experts say, is to pace ourselves - time our strategy for emission reductions to mathc the natural "turnover" rate of the capital stock more closely.

(専門家によれば、唯一の現実的な方策は我々の歩調を遅らせること、つまり、我々の排出削減戦略(のペース)を、通常の資本の「更新」ペースにより近づけることだ。)


と言っています。この部分だけ読むと、良識ある(?)読者の皆さんは「あぁまたいつもの産業界の言い訳か」と思われると思うんですが、本全体を通して読むと(と言いながらまだ前半しか読んでませんが)、この著者は、決してただ安易に問題を先送りするような型の人間ではなく、むしろ、エネルギーと温暖化の問題を、realisticな視点から、とことん突き詰めて考えている人だということがよくわかります。それだけに、重いというか、なんというか…。

時間があればまたゆっくり書こうと思いますが、上の引用部分の後には、彼のalternative(代替案)が示されています。が、そのalternative自体は、僕にとって納得できるものではありませんでした。ただ、だからと言って、僕がこれまで「こうだ」と思ってきたビジョンが正しいと言い切れるわけでもない。上の引用に至る彼の論理には、それだけの説得力があります。

「そうは言っても、そんなこと言ってたら地球がダメになっちゃうじゃん

ごもっとも。でも、そう言ってみたところで、世の中簡単に変わらないということは、20年の温暖化対策の歴史が証明済み。もし、「地球がダメになっちゃうじゃん」という理屈だけで、ことを押し進めようとするならば、文字通りの革命「革命的な〇〇」ではない。)が必要でしょうね。少なくとも僕は、それに与することはできませんが。

となると、いくら問題が差し迫っていようとも(かなり差し迫っていると思いますが)、僕らは、10年後の地球のことだけでなく、明日の経済のことも考えながらやっていくしかない。両方が完全に満たされる解などあり得ないので、両方がなんとか妥協できる線を探っていくしかない。そんな風に思います。

その上で、僕らにできることと言えば、①パレート最適な解を見つけること、と②少しでも「温暖化対策」にとっての効用が大きくなるポイントでのパレート最適を実現すること。民主主義を前提とする以上、②は最終的には民意の問題、引いては倫理観の問題。そこへのアプローチもいまや必要だと思いますが、まずは①を実現するために何ができるかということを、この先しばらく勉強していきたいと思ってます。
Maxwell School, Syracuse, Nov 3, 22:48

Sunday, November 2, 2008

Struggle for Hegemony

秋分も過ぎ、雪も降ったっというのに、サマータイムはいつまで続くのかな~と思っていたら、今朝ようやく終わりました。AM1:59を刻んだ時計は、次の瞬間、もう一度AM1:00に。PCや携帯の時計は何もしなくても勝手に直ってくれました。(一瞬、何が起こったのかわからず、ひるみます。)

もちろん、アナログ時計は人力で直さないといけませんが、それ以外では、普通に暮らしてて困ることはありません。どっかで誰か(システム屋さんとか?)が頑張ってくれてるんおかげなんでしょうけど。日本もああだこうだ言ってる暇があったら、とりあえずやってみたらいいのになぁなんて思ってみたり。

ちなみにアメリカの「サマータイム(正しくはdaylight saving timeといいます。)」が、こんな秋深くまで続くなんて、僕はこっち来て初めて知ったんですが(というか最近まで、サマータイムが終わっていないことすら忘れてた)、次に夏時間が始まるのは3月の第2日曜。ということは、アメリカがほんとの標準時で生活してるのは、年間わずか4か月強だけということになります。こうなると、もはやどっちがほんとの標準時かわからないですよね。でもまぁ、よく考えてみれば、午前と午後の日照時間を同じにしておく必要もないわけで(東京に至っては午前の方が長い!!)、これはこれで合理的なんじゃないかなぁと思います。

さて、アメリカでは大統領選挙が2日後に迫り、報道もそれ一色ですが、世界に目を転じれば、実はもっと大きなニュースが、水面下で動いてるのでは?と思ってます。ほんとは、水面下でも何でもなくて、アメリカのマスコミが報じていないだけなんですけどね。たぶん。

それが、一昨日の記事で紹介したStiglitzの国連総会での発言。このニュースを僕が知ったのは、このブログでもときどき紹介している田中宇氏のメルマガ(だって、アメリカのメディアはやってくんないんすもん…)。というわけで、Stiglitzの話に入る前に、少し遠回りになりますが、田中氏の世界観を簡単に書いておこうと思います。

彼は、現代の世界情勢を、アメリカ内部における「単独覇権主義者」と「多極主義者」の暗闘を軸に捉えようとしています。前者はアメリカが唯一の覇権国として君臨し、「勧善懲悪」的な世界観の中で「世界の警察」役を演じ続けるべきと考える人たち、後者はsuper powerの地位を返上し、世界のいくつかの国・地域で覇権(hegemony)を分掌すべきと考える人たちです。前者の代表選手は現副大統領チェイニーや前の国防長官ラムズフェルドといった人たち。一方、後者の陣営には当然、オバマ候補がいて、また、共和党ながら最近Obama支持を表明したパウエルさんもこっちの陣営だろうと田中氏は見ています。

田中氏によれば、単独覇権主義者のバックにいるのは、いわゆる"軍産複合体"+イギリス・イスラエル。彼らは、アメリカが、今日の単独覇権状態が維持することで、自分たちの有利なポジションを保つことができると考えています。一方、多極主義者のバックにいるのはNYの資本家たち。資本は、先進国に投資するより途上国に投資したが効率よく膨らんでくれるので、世界が多極化していろんな地域がバンバン発展してくれる方が資本家にとってはうれしい、というわけ。また、BRICsやイギリス以外(←これがポイント)の欧州各国、また国連も、基本的にこちらの立場を支持しています。

現大統領ブッシュはどっからどう見ても、単独覇権主義の親玉みたいに見えます。が、田中氏に言わせると『ブッシュのやり方はあまりにもひどい。彼は、「単独覇権主義」的なやり方を「やりすぎる」ことによって、逆にアメリカの凋落を早めようとしている「隠れ多極主義派」だ』とのこと。浅田次郎の『蒼穹の昴』で描かれている西太后がまさにこんな感じでしたね。

このあたりになってるくと、ちょっと素直には信じられなくもなってくるんですが、その前までの部分、つまり今日の世界情勢を二つの陣営の暗闘でもって説明しようとする部分は、かなり説得力があると思います。あくまで僕の感覚では、ということですけどね。

さて、なんでこんな話を長々したかというと、今月15日に行われる金融サミットが、単独覇権主義者vs多極主義者の決戦の舞台になるかもしれないから。 決戦に向けた両陣営のつばぜり合いは既に始まっていて、一昨日紹介したStiglitzの発言もその流れの中でのモノ。彼はアメリカ人ですが、スタンスは完全に多極主義派。新しく国連に設置される国際金融システムに関するタスクフォースのヘッドに就任することが決まっています。

木曜日のAP通信の記事では、"We are now at another Bretton Woods moment(今こそブレトンウッズ体制を更新する時期が来ている)"、"only the U.N. now has the inclusiveness and legitimacy needed to draft new global financial rules(今や国連だけが、新たな国際金融制度を起草する包括性と正当性とを有している)"といった国連総会でのStiglitzの発言が紹介されています。また、国連総会議長のD'Escotoも、そのスタンスを全面的に支持する(というか、もっともっと過激な)発言をした、という情報が載ってました。

一方、単独覇権主義チームでも動きがあって、英ブラウン首相が「IMFの財源強化への協力をサウジに要請した」との記事が今朝の日経に出ていました。「覇権クラブ」の中にサウジを引きこむのはかなり思い切った選択ではありますが、とはいえ、それはあくまで(現行のブレトンウッズ体制の要である)IMFを強化するため。英国流の「肉を切らせて骨を断つ」戦略なんだろうと思います。

最初にも書いたとおり、アメリカでは、金融サミットの報道がほとんどされていません。大統領選が近いということももちろんありますが、それにしても少なすぎる…。現状の体制を維持したいアメリカ(現政権)としては、このサミット自体を「歴史的」なものにしたくない(=議論を金融市場の規制の話にとどめたい)と思っていることの表れなんじゃないかなぁと言う気がします。

日本については書きだすと長くなるし、書いたところでどうにもならないので(あ、それはアメリカについても同じか。)、長くは書きませんが、「消極的選択」であるにせよ、単独覇権主義陣営のメンバーであることは否定できないと思います。決戦の場面で伸るか反るか。けっこう大きな選択の局面が近づいてる気がします。
Maxwell School, Syracuse, Nov 2, 20:15

Saturday, November 1, 2008

Halloween & Football

えーっと、そのぉ、なんといいますか。まぁ、いわゆるひとつの、タイトルどおりでございまして、年甲斐もなく(?)アメリカのキャンパスライフを満喫させていただいております。

昨日は、MaxwellのHalloween Partyへ。アメリカ人の皆さんは、やっぱり気合いの入れようが違います。コスプレも、会場での騒ぎ方も。

もうちょっとはじけられたらもっと楽しいだろうなぁ…なんて思いつつ、イマイチ殻を破れずじまい。。。たぶん3分の2は英語が原因だと思うですが、残りの3分の1は、勇気というかなんというか、まぁ要するに、日本の飲み会ではじけられるかどうかと同じことですよね。アホになれるかどうか、ということだと思います。

なんてことをブログに書いてても仕方がないので、あとは、写真でお楽しみください。

と思ったんですが、スライドショーが、なぜかうまく載ってくれないので、一番インパクトのあった写真を。

相当オゾマシイことになってますが、この人、例の「トイレットペーパーで虫をしとめる」ドイツ人Vちゃんです。普段は、もっとかわいらしい顔をしてます(←当たり前)。この仮装で、今年の「一番怖かったで賞」を受賞しました。まったく異論ありません。
 
で、今日は、カレッジフットボールの試合を観戦しに、キャンパスのキャリアドームへ。ボストンで観たメジャーリーグサッカー(てか、ベッカム)、キャリアドームで観たNBA(オープン戦)に続く、スポーツ観戦シリーズ第3弾。今回は、いつもの留学生グループではなくて、アメリカ人のクラスメイトと一緒に行ってきました。(※ 基本的に、留学生は、アメフトがお嫌いみたいです。)
 
アメリカでアメフトといえば、日本人のイメージどおり、カレッジスポーツの華で、その注目度たるや、東京六大学野球や箱根駅伝を凌ぐものがあります。たとえば、カレッジフットボール専門のテレビ局があったり!この局は、年がら年中、朝から晩までひたすらカレッジフットボールの試合を(垂れ)流し続けています。誰が観るのかと思いますが、一人、観ている人を知っています。誰かは言えませんが(笑。内輪ネタですいません。)
  
しかし、ここSUでは、バスケに人気を持ってかれています。なぜか? 理由は簡単。アメフト部が弱っちいから。今シーズンここまで1勝6敗。CBSのWebサイトによると、そろそろ監督のクビがかかってるとかいないとか(ちなみに、この監督、超高給で引っ張ってきたそうです。何に金つことんねん!!?)。対するLouisville大学は、ここまで5勝2敗。うーーん、これは普通に考えたら勝てない。まぁ、SU内ではちょっと有名な(notoriousという意味です)監督さんの最後を観ておくのもそれはそれでいいか、くらいの気持ちで行ってみたら、なんとこれが、勝っちゃったんですよ!! スタジアム、オオ盛り上がり。一緒に行った友達、踊りまくり(なんで?まいっか)。
  
スタジアムの外に出てからも知らない人にハイタッチを求められる光景は、某たてじま球団のノリを彷彿とさせるものがありました。弱っちいからこそ、勝ったときはうれしい。わかる、わかるよ、その気持ち。でも、なんで今年、優勝逃しとんねん、こらーーーー。
  
おっと、話題がそれてしまいましたが、話をアメフトに戻すと、そんな感じで、今日は思いのほか、楽しむことができました。これまでのスポーツ観戦の中で一番面白かったかも。ちなみに、次のスポーツ観戦は、アイスホッケーの予定でございます(←勉強しなさい。)
  
とまぁ、2日間、キャンパスライフを満喫してみたわけですが、そんな中でも、英語の聞けなさ具合にはやっぱり凹みますね。というか、オフの時のアメリカ人の雑談は、いまだにまったく聞こえません。「頼むから(普通の)英語しゃべってくれ」って思うんですが、なんかむにゃむにゃくちゃくちゃ言ってます。最近、E&E TVのインタビュー番組を聞いて、ちょっと満足してたんですが、"Friends"(コメディドラマです。昔NHKでもやってました)のヒアリング特訓を再開しようかなぁと思っています。
Maxwell School, Syracuse, Nov 1, 24:10