Sunday, November 23, 2008

Obama's Economic Team

相変わらずレポート漬けの日々、そして家の外では相変わらず雪が降り続いてます。よく日本の天気予報で「積雪〇cm」とか言ってますが、あれってどうやって測るんでしょうね?その辺の道端で測るのか、除雪も圧雪もしてないところで測るのか…。それによって全然違ってくると思うんですけど。こんなこと、実際に雪の中で暮らすまで気にしたこともなかったなぁ(当り前か??)。後者の測り方(レッセフェールの方)で測るとすると、既に10cm以上にはなってます。ベランダに置いてある昔の洗濯機の上に、そんくらいの厚さの雪のカマボコができあがってました。
 
そんなわけで、頭の中がレポートのことでいっぱいになってること以外、あんまり目新しいネタもないんですが、webで新聞見てたら、Obamaさんの経済チームがほぼ固まったってニュースが出てたので(ほとんど自分の勉強用ですが)メモしておきます。
 
〇 Treasury Secretary ― Timothy F. Geithner
日本語では「財務長官」と訳されますが、アメリカ財務省は、財政政策だけじゃなく金融政策も担当してるので、日本でいえば、今の「財務大臣」より、昔(2001年の省庁再編前)の「大蔵大臣」の方がピタっとくると思います。まぁ現内閣では、中川さんが結局両方兼務されてますけどね。

さて、ガイトナーさんについて。父親の仕事の関係で高校まではアジアを中心に世界各国で過ごした(日本在住の経験もあり)彼は、ジョンズ・ホプキンズで国際経済学の修士号を取得した後、3年間のコンサル経験を経て、27歳で財務省に入省。1999年に国際担当次官に就任し、ルービン、サマーズ両長官の下で働いたのち、2001年、ブッシュ政権の誕生とともに下野。有名シンクタンク(田中宇に言わせれば「アメリカ外交政策の奥の院」)外交問題評議会研究員、IMF政策企画審査局局長を経て、2003年からニューヨーク連銀総裁の職に。

アメリカ人エリート(特に政府関係者)がどんなキャリアプランで偉くなっていくのか、まだいまいちよくわからないところもあるんですが、修士取得→D.C.のコンサル→役人→役人のトップ→政権交代で下野→再度の政権交代で返り咲きというパターンは、かなり典型的なんじゃないかと思います。ちなみに1961年生まれなんで、Obamaさんとは同い年ですね。二人ともお若い。てか、入省して10年で次官になれるって、どんな仕組み?? まぁ次官が何人かいるとはいえ、それにしても…。
 
〇 The Director of the National Economic Council ― Lawrence H. Summers
National Economic Council(通称NEC。バザールでござーるとは関係ありません。)は大統領府(Executive Office of the President)の中の一機関。 日本でも比較的有名な国家安全保障会議(National Security Council。通称NSC。吉本の芸人養成所とは関係あるかもしれません。)と横並びの組織ですね。1993年、クリントン政権のときに創設された比較的新しい組織で、初代directorはRobert Rubin。日本でいうと、やっぱ経済財政諮問会議が一番近いんでしょうね。なんかちょっと違う気もするけど。

サマーズは、クリントン政権時代に財務長官を務めた人物として有名ですが、もともとはアカデミックの世界(経済学)の人で、両親とも経済学者という家庭に産まれ(しかも、父方の叔父にはポール・サミュエルソン、母方の叔父にはケネス・アローが!! 二人とも超有名なノーベル経済学賞受賞者です。)、ハーバードで博士号を取得したのち、同大学で教鞭をとっていたそうです。91年、世銀チーフエコノミストに就任。93年、財務次官として財務省入り、99年、ルービンの辞任を受けて長官に就任。その後、ブッシュ政権の誕生とともにハーバードに学長として復帰しています。(その後、ごちゃごちゃ。)
 
これまで、この人のキャラクターについてはまったく知らなかったんですが、wikipediaによると、いろいろお痛もされてきたようで…。如何せんwikipediaなのでどこまでホントかは知りませんが、wiki情報を信じるならば、いささか尊大で、ときどきいらんこと言っちゃう方のようです。どこかの国の政治家に多いタイプなのかも知れません…。

〇 The Director of the Office of Management and Budget― Peter R. Orszag
Office of Management and Budget (OMB)は、今学期のBudgetingの授業にも出てきた機関ですが、いまいち何をやってるところなのかわかってません(スイマセン)。大統領府(EOP)最大の機関(約500人)ということはわかるんですが、何が仕事かというと、wikipediaによれば、"giving expert advice to senior White House officials on a range of topics relating to federal policy, management, legislative, regulatory, and budgetary issues" とのこと。そんなザックリ言われても…。ともあれ、大事なポストのようです(←どんなまとめ方やねん…。)

Orszagさん(カタカナでどう書いたらいいんかわからん。)は現在、 Congressional Budget Office(議会の予算案を取りまとめる機関。OMBのカウンターパート、なのかな。)のdirectorを務められてる方で、御年40歳(若っ!!)。ブログもつけてはります(ブログによると、こないだどっかの大学で、climate changeについて講演しはったそうです)。LSEで経済学博士号をとったあと、Brookings研究所(リベラル系で一番権威のあるシンクタンクの一つ)に所属、クリントン政権時代には、Special Assistant to the President for Economic Policy(経済分野での大統領特別補佐官?)も務められたそうです。


ささっと書きあげるつもりが、意外と時間かかっちゃいましたが、D.C.周辺に生息するエリートの皆さんが、どんなキャリアパスを積んでるかのいい勉強になった、ということでよしとしましょう。それにしても、GeithnerもOrsazgも若い。こう、とんとんと進んでいける人はいいですけど、そうでない人たちは、どうなるんでしょうね?逆にちょっと気になってしまいます(笑) そして毎度のことながら、wikipedia様さま。様さますぎて、このblogいらんのちゃうかと思ってしまいます(苦笑) さて、勉強に戻るとしますか。

my home buried in snow, Syracuse, Nov. 23, 10:20

2 comments:

Anonymous said...

月曜に最終案が発表される予定ですね。楽しみ~。

Treasury Secretaryって財務省って訳されるのか・・・。なんかぴんと来ませんね。OMBのほうが仕事的には財務省に近いような気がしちゃいますけど。

アメリカでは60越している人は「ええ~そんな年食ってる人がホワイトハウス入ると困るよね~」という反応が普通みたいです。誰の事とは言いませんけど(笑)、61歳ですって?!まあ、政治力学のバランスから言うとしょうがないんだけどね、というコメントがつく、と。

まあここまでめちゃくちゃになった経済状況ですし、超エリート+実力者を引っ張ってきているので、面白くなりそうではあります。

髙林 祐也 said...

マケインさんも、「72歳って、任期途中で死んだらどうすんだよ(しかも副大統領がアレだし・・・)」って言われてましたよね。我が国のトップ(御年68歳)も、最近ボロボロですけど。あ、あれは年の問題じゃないか…。

tree-hugger的には、環境・エネルギー分野で誰が入閣するのかが、結構楽しみです。