Thursday, March 26, 2009

Disclosure of Climate Change Risks of Insurances

先週火曜日(17日)の出来事ですが、The National Association of Insurance Commissioners (NAIC 全米保険理事協会)は、アメリカの保険会社に、気候変動リスクの情報開示を義務付ける決定を下したそうです。アメリカ国内で営業する年間保険料5億ドル以上のすべての保険会社が対象で、今年以降、毎年、気候変動問題に起因する金融リスク(the financial risks they face from climate change)と当該リスクへの対応措置(actions the companies are taking to respond to those risks)に関する情報を取りまとめ、各州の監督機関に提出することが義務付けられるとのこと。初年度(2009年度)分の提出期限は2010年5月1日。

Business Insurance紙(web版)によると、監督機関と消費者団体はこの方針を支持、保険会社の間では、賛否が分かれていたとのこと。数か月に及ぶ議論の結果、推進派から出されていた、「会社トップが当該開示情報に署名するとともに、当該開示情報を保険会社の年次会計報告の一部とする」という提案(proposals that would have required top executives to attest to the information and file it as part of an insurer's annual statement)を取り下げることで、妥協が成立したそうです。この妥協の意味するところは、おそらく、「気候変動に関する開示情報の中に虚偽の内容があったとしても、自動的に当該企業トップの責任が問われることにはならない」ということでしょう。

以下、関係者のコメント:

"Today's vote is a wake-up call about the vast challenges climate change poses for the insurance industry and the overall global economy"
―環境保護ネットワーク Ceres 代表 Mindy S. Lubber氏―
※ Ceres(セリーズと発音)は、ボストンに本拠を置く、環境保護ネットワーク。同団体のサイトによると、設立趣旨は、Integrating sustainability into capital markets for the health of the planet and its people.
   
"One painful lesson of the current economic meltdown is the need for increased attention to corporate risk management. These disclosure requirements will finally create consistent and comparable information for investors to determine the real steps insurers have taken to assess important risks."
―カリフォルニア州教員年金組合代表 Ehnes氏―
※※カリフォルニア州教員年金組合は、全米で2番目に大きい公的年金基金。
   
Uncertainties in climate science and related modeling capability suggest it is "premature and inappropriate at this time" to seek substantive information from insurers' answers
―the Property Casualty Insurers Assn. of America David Kodama氏―
  
非常に大きな一歩だと思うんですが、確かにProperty Casualty保険業協会のおじさんが指摘している通り(inappropriate at this timeかどうかは別にして)、ちょっと考えてみただけでもリスク算定がとても難しそうなのは事実。どうやって客観性を担保するかが次なる課題。Ceresは、その辺の基準作りなんかにも参画していくんだろうか。
my home, Syracuse, Mar 25, 26:39

Wednesday, March 25, 2009

Will the Geithner Plan Work?

先週のアメリカメディアを席巻した、「ボーナス返せ、こら」問題(残念ながら、こちらのメディアを席巻していたのはWBCではありません)は、大統領の「慎重に検討しようね」発言もあり、ようやく水入りモードに。下院を通過した法案 (政府支援を受けた金融機関の社員で一定以上の所得がある人に対しては、受け取ったボーナスに税率90%の税金を遡って課す、というもの)は、いま、上院で揉まれていますが、今週に入ってからは、マスコミ報道の中にも、「AIGのやったこと(=政府支援を受け取っておいて多額のボーナス支給)には確かにムカつくけど、だからといって、ここまでやっちゃったら、法治国家としてちょっと…だよね」というムードが漂い始めていて(誰かが漂わせてる??)、なんとなく、当初の法案ではない別の落とし所を、みんなで探してる感じがします。

この問題に追われていた財務長官ガイトナー君ですが、昨日、ようやく本業に戻って、金融機関復興プランの詳細を発表。これが市場に好感されて、月曜日のNYは株価も回復。
  
web上では、blogでおなじみのMankiwさんや、ノーベル賞学者Krugmanさんはじめ、経済学者の皆さんが、このガイトナープランをめぐって議論を始めています。NYtimesのサイトには、Will the Geithner Plan Work? と題したコーナーが立てられていて、4人の経済学者によるディスカッションがリアルタイムで更新されていたり。時間がなくて、フォローしきれないのが非常に残念です。
my home, Syracuse, Mar 24, 27:38

Tuesday, March 24, 2009

World Beaters

☆祝!! 日本代表、WBC優勝☆ 「何でそこまでダルビッシュにこだわるのか?」とか、「ていうか9回も杉内続投でよかったんじゃん??」とか、原采配には、言いたいことがないわけではないですが(…)、この際何も言いますまい(←既に言ってる。。) 何はともあれ、V2はスゴい!! MVPは前回大会に続いて松坂が受賞しましたが、決勝戦のヒーローは、何といってもイチロー。「ここで打ったら出来過ぎやろ」と言いなが見てたら、きっちりタイムリーを放ってしまうイチローに感動。あれだけ苦しんでも最後に持って行ってしまうあたり、やっぱりスゴい選手です。
日韓の呉越同舟観戦企画は諸事情により流れ(別にケンカしたわけではないのでご安心を)、日本人のYさんと一緒に男二人で観戦(途中からはEちゃんもjoin)。その空間だけ、完全に「ちっちゃな日本」が出来上がっていました(笑) やっぱ野球っていいですね~。奥さんにバレるとまずいのであまり大きな声では言えませんが、勝利の瞬間、勢いあまって日本代表ユニフォームを注文しちゃいました。関係者の皆さん、黙っておいてください…。

これでようやく、睡眠不足からも解放されます(笑) 皆さん、お疲れ様でした。そして改めて、Congratulations, team Japan!!!
my home, Syracuse, Mar 23, 27:35

Monday, March 23, 2009

A.R.R.A. in EPA

うちの大学、毎日夕方6時になったら、どこからともなく(チャペルから?)、鐘の音が聞こえてきます。この鐘、鐘のクセに(!!)、単なる「からんころん」では飽き足りないらしく、いろんな曲に挑戦するのが趣味。音階が足りなくてようわからんメロディになりながらも、毎日、新しい楽曲に挑戦し続けています。今日も6時前にコーヒーを買いに出たら鐘の音が。いつもながら変ちくりんなメロディー。でもどっかで聴いたことある。なんだっけこれ? うーーん、うーーーーーーーん。あ、Yellow Submarineだっ!!(鐘で弾いてもわからんっつの!!) 
 
きのう届いたUSEPA(United States Environmental Protection Agency。アメリカ環境保護庁)のメルマガの中に、「A.R.R.A.(the American Recovery and Reinvestment Act of 2009。略して“Recovery Act”。 2月に通った例の景気刺激法案)、はじめました」という記事が。というわけで、今日は遅ればせながら、A.R.R.A.のUSEPA担当部分をレビュー。
 
USEPAのサイトによると、総額$787 billionのA.R.R.A.予算のうち、EPAが担当するのは100分の一弱の$7.22 billion。それでも7000億円超ですから、相当の額といえば相当の額。中身はというと;

  • Clean Water State Revolving Fund and Drinking Water State Revolving Fund: $4 billion for assistance to help communities with water quality and wastewater infrastructure needs and $2 billion for drinking water infrastructure needs. A portion of the funding will be targeted toward green infrastructure, water and energy efficiency, and environmentally innovative projects.
  • Brownfields: $100 million for competitive grants to evaluate and clean up former industrial and commercial sites.
  • Diesel Emissions Reduction: $300 million for grants and loans to help regional, state and local governments, tribal agencies, and non-profit organizations with projects that reduce diesel emissions.
  • Superfund Hazardous Waste Cleanup: $600 million for the cleanup of hazardous sites.
  • Leaking Underground Storage Tanks: $200 million for cleanup of petroleum leaks from underground storage tanks.
排水浄化施設&上水道整備に40億ドル、ディーゼル排ガス対策に300万ドル、その他、土壌汚染関係で、ブランフィールド対策に100万ドル、有害廃棄物汚染フィールドの浄化に600万ドル、地下貯油槽からの油漏れ対策に200万ドル、というわけで、オーソドックスというか骨太というか、とにかく正攻法だなぁという感じがします(個人的には、こういうの好きです)。直感的には、どれもそれなりに雇用を生み出してくれそうですし、土壌関係は、うまく使えば潜在成長率の改善にも寄与するはず(←土地が有り余ってるこの国では、日本ほどではないのかもしれませんが)。

額が突出しているClean Water State Revolving Fund and Drinking Water State Revolving Fundのうちの、Clean Waterの方、つまりClean Water State Revolving Fund (CWSRF) について、もう少し詳しく観察。この制度自身は、1987年に始まり、毎年$5 billion以上を支出てきたもの。対象は、wastewater treatment(排水処理)、nonpoint source pollution control(面源対策※)、 watershed and estuary management(流域・河口管理)で、EPAから各州政府にお金を配った後、州から各主体(自治体、コミュニティ、農家、家主、事業者、NPO)に低利で貸し出すという仕組み。融資を受けるには、EPAの定める基準(water efficiency、energy efficiencyなど)を満たしている必要があります。自治体も個人も、おんなじ枠組みで融資しちゃうってのがアメリカっぽいですね。日本ではあんまり見かけません(と書いておいて、実際、日本にもあったら恥ずかしいけど。)。
  
日米の環境省/庁に共通して言えるのは、温暖化対策の要となるエネルギー対策の部分は、かなりの程度、資源エネルギー庁/Department of Energyに持っていかれてるということ。今回のRecovery Actでも、温暖化対策部分が、“Green Stimulus” なんて呼ばれてクローズアップされていましたが、それらは全部、DoEの予算。まぁ、それ自体は仕方ないというか、当然のことなんですが、じゃぁそういう状況の中、政府全体の温暖化対策を進めるために、EPAはどういう役割を果たしているのか、という点は気になります。そんな(環境屋なら)誰もが関心持ちそうな問題、いまさら問題提起しとらんと、とっとと調べんかい、という話なんですが(苦笑)

さて、今日はいよいよWBC決勝戦。日本人と韓国人以外は、相変わらず(いよいよ以て?)全く気にもかけてくれないので、日本人のクラスメイト宅で、前回同様、Koreanチームの皆さんと、仲良く(?)呉越同舟観戦と決め込みます♪

※ 面源(nonpoint source)
工場のように一か所からトバッと排出されるポイント(点源)ではなく、住宅地のように、一つ一つの排出源からのは排出量は小さいが集合体として見ると排出量が結構大きい地域(面源)からの排水対策。ターゲットが拡散しているので、点源より対策を取りにくい。
Maxwell School, Syracuse, Mar 23, 19:22

Sunday, March 22, 2009

How to enjoy our life?

今朝、ハドソン川のほとりを男二人で散歩しながら、「昔は、海外に行くと、アホみたいに興奮したもんだけど、最近はそんなこともなくなってきた」という会話に。
  
Mさんも僕も、帰国子女でも何でもなく、ドメスティックに生まれ育った典型的日本人。二人とも、本格的に海外に出始めたのは大学生の頃から。10年前、初めて海外に出た頃は、海外で見聞きするものの一つ一つに感動していたのが、旅行や仕事でそれなりの数の国を経験するあいだに、だんだん興奮が薄れてきた――と、二人とも、同じような感想を持っていました。最近は、どこに行っても、、だいたいのことが予想の範囲内。「想像を絶するもの」を見聞きする機会がなくなってきた分、心の底から興奮できる機会が減ってきたんだろう、とも。「こうなったらとんでもない秘境にでも行くしかないですかね」なんて冗談(!?)を飛ばし合いながら…。
  
話題は旅行から人生一般の話に。旅行に限らず実生活の場でも、「なるほど、こういうことだったのか!!」とうならされる機会はだんだん減ってきたね、という会話に。Mさんは「実際の経験を通してより、本を通して、何かを掴む機会の方が増えてきたのがちょっと寂しい」とも。
  
僕の場合、留学という経験からは、これまでにない知的興奮をたくさん得られていて、いまこの瞬間は非常に満足できています。ただ、帰国後のことも考えると、Mさんの言っていることがよくわかるのも事実。そんな感じで朝の会話を思い出しながら、Syracuseへ向かうバスの中、どうすればこれからの人生も楽しんでいけるかを考えていました。
  
自分にとって、人生を楽しむために大切な要素は、たぶん、刺激。
  
これまでの僕は、だいたいいつも、見たり聞いたり(←要はinput)を通して、「刺激」を得てきました。逆に、自分から何かをしかけて――勝負に挑んで――そこから刺激を得るということはあんまりしてこなかった。どっちかというと、そういう「勝つか負けるか」の局面は極力避けてきたようにも思います。
  
inputから得られる刺激が逓減しつつある今、これからも自分の人生を楽しんでいくためには、そろそろ意識的に、勝負をしかけていくべき時期なのかなぁ…なんて思ってみた日曜日の午後でした。
  
それにしても、NY州の道路はヒドすぎます。Greyhound(←バス会社)のバスが古いからということもあるんでしょうが、5時間の道中、縦、横、前後に、揺れる揺れる…。誇張でも皮肉でも何でもなく、Mexico CityからGuanajuatoの道の方がよっぽど快適。この国の人たちは、メキシコをバカにしてる場合じゃありません。まぁ、そんな滅多に使うわけじゃないから、僕にとっては、ホントはどっちでもいいんですけどね~(いいのかよ!!)。
Maxwell School, Syracuse, Mar 22, 22:09  

Saturday, March 21, 2009

March Madness

友人Mさんが出張でNY市に来ているので、一泊で会いに行ってきます。今回は、現地滞在時間20時間弱なので、ほとんど観光はできませんが、9か月ぶりに再会するMさんと、寝る間を惜しんでどっぷり話し込んでこようかと(そして、あわよくば、Mさんをそそのかして一風堂に連れて行こうかと)企んでおります。。。
  
日本では春の高校野球が始まりましたが、この季節のアメリカは、NCAA(全米大学体育協会)主催の大学バスケットボールトーナメントで盛り上がります。Wikipediaさんによると、このトーナメント、アメリカでは大人気で、“March Madness” (3月の狂乱)とも呼ばれるほど。確かに、僕の周りでも盛り上がっている人が多い気が。少なくとも、WBCで盛り上がってる人よりははるかに多いですね(苦笑)
  
全米の各地区リーグから選抜された64校が出場するこの大会。我がSyracuse Universityは、2003年に全米優勝を達成。そのときは大学どころか街を上げて、相当盛り上がったみたいです(←ほぼ伝説)。今年のSUは、地区リーグ(Big East)のトーナメントで準優勝に終わったものの、無事、NCAAトーナメントに選抜され、昨日一回戦を勝ち上がって、明日、アリゾナ州立大との二回戦に臨みます。

まぁ僕自身、そんなにバスケに熱い方ではないんですが(『スラムダンク』、8巻で中断中…) みんなで盛り上がれるネタが転がり込んでくるのは無条件に良いこと(←かなりテキトー)。というわけで、ぼちぼち応援しています。とはいえ、ま、とりあえずは、バスケより野球ですね!! 頑張れ松坂。負けるな岩田!!
Syracuse Airport, Mar 21, 12:42

Friday, March 20, 2009

US Is Open to Carbon Tariff

秋学期に、ある授業のresearch paperでCarbon Tariff について書いたという話はこのblogでも、だいぶ昔(昨年12月18日)に紹介しました。このcarbon tariff、簡単に言うと、「自国と同レベルかそれ以上の温暖化対策をとっていない国からの輸入品には、関税を課す」というもので、去年、上院で廃案となったcap-and-trade法案(いわゆるLieberman-Warner法案)にも、盛り込まれていたものです。
  
正直、4か月前にresearch paperを書いていた頃は、アイデアとしてはあり得ても、実際に導入するのは相当難しいだろうと思っていたんですが、今週、この制度の導入を巡って、米中の閣僚級どうしが、マスコミ経由でやりあっています。

Washington Post紙によると、今週の火曜日、DoE(Department of Energy)のChu長官が、下院での委員会出席に先立ち、
establishing a carbon tariff would help "level the playing field" if other countries haven't imposed greenhouse-gas-reduction mandates similar to the one President Barack Obama plans to implement over the next couple of years.
と語ったとのこと。同記事によると、Obama政権がcarbon tariffについての見解を公に示したのはこれが初めて。

このChu長官発言に対して中国側も反論。中国日報紙によると、ワシントン訪問中の解振華(Zhenhua Xie)国家発展・改革委員会(the National Development and Reform Commission (NDRC))副大臣(前環境保護部大臣)が、
"I oppose using climate change as an excuse to practice trade protectionism,"
と発言したのに加え、先のWashington Postの記事によると、Li Gao NDRC上級交渉官(同じく訪米中)は、
a carbon tariff would be a "disaster," would prompt a trade war and wouldn't be legal under World Trade Organization agreements
と、Dow Jonesに語ったとのこと。

12月18日のエントリーでも書きましたが、carbon tariffがWTOに抵触するかどうかは、最終的に裁定にもちこまないと白黒つかないと思います。環境保護目的など、一定の条件が満たされている場合に加盟国が輸入障壁を設けることを容認する規定(GATT第20条)が、"Process and Production Methods (PPMs)"(製造工程及び製造方法)にまで及ぶかどうか(つまり、製品そのものが環境破壊を引き起こすわけではないが、その製造段階において環境破壊を引き起こしているようなケースもGATT第20条の対象となりうるかとうかと言う問題)については、国際的に、はっきりした結論が出ていないので。
  
もちろん中国は、この問題だけでなく、アメリカの全体的な貿易保護主義化に対して懸念を抱いています。今のところ、Obama大統領はことあるごとに「protectionismには対抗する」という旨のことを言っていますが、実際、どのくらい本気で「対抗」しようとしているのかは不明。先のstimulus packageにも"Buy American"条項が盛り込まれたわけですし…。また、昨今のAIG問題(AIGをはじめとする政府支援を受けた複数の金融機関の幹部が、多額のボーナスを受け取ってたいた件)に対する議会の反応を見ていても、アメリカ政界の"populism化"は、かなりの程度進行している気がします。

Washington Postの別の記事によると、前財務長官のPaulsonは、「carbon tariff みたいなものを導入したら、米中の気候変動分野での協力はますます難しくなる」として、carbon tariffを“a dangerous path to go down”と称したらしいですが、僕は、たとえこの一件が持ち上がろうとも、気候変動問題を巡る米中の協力関係は、そう簡単には挫折しないんじゃないかという気がしています。他のいろんな問題と同じように、今やアメリカと中国は、戦略上、お互いがなくてはならない存在。ただ、それはもちろん、日米や英米のような「ベッタリ」の関係ではなく、戦略上、お互いの必要性は認め合うものの(→ だから協力関係の枠組みそのものを潰してしまうところまでは行かない)、一定の「ルール」の中では、可能な限り相手から多くを引き出してやろうとやりあっている関係。そういう意味では、大枠での協力関係を維持しつつも、carbon tariffをめぐる攻防はしばらく続いていくんじゃないかと思いますし、もう少し大きな視点から言えば、今後、米中の協力/対立軸の中で、各国(もちろん日本を含む)にも大きく影響を及ぼすいろんなことが決まってくるんじゃないかと思います。気候変動の分野でも、それ以外でも。
Maxwell School, Syracuse, Mar 20, 17:31

Thursday, March 19, 2009

Global PV Demand Analysis and Forecast

祝、決勝トーナメント進出◎ で、またもや今日も日韓戦。Y君・Dちゃん(←Koreans)との協議の結果、どうせ決勝でもっかい当たるだろうから、今日はお互い静かにしてましょう、ということに。というわけで、このあと、自習室で本でも読みながら(熱が入り過ぎないようにして)観戦します。

以下、若干、いつも以上にマニアックな情報を。比較的コアな環境技術関連の情報を提供しているGreentech Mediaに、2009年の太陽光発電(Photo Voltaics, PV)市場の市況予測が出ていました。(3月2日付記事) まぁあんまり景気のいい内容ではなく(そりゃそうだ)、「資金繰りが苦しくなる中、プロジェクト開発者は、製造者への値下げ圧力を強めるでしょう」→「2009年中にシステム単価が25%下がるでしょう」→「需要の伸びが減速し、2009年は13%の増加(1994年以来の低水準)にとどまるでしょう」→「業界全体で、今年だけで15%の減収に見舞われるでしょう(縮小後の市場規模は$ 12 billion)」とのこと。まぁ、この不況の最中ですからね…。仕方がないと言えば仕方がないのかも。
  
また、同記事は、「早ければ今年中に、grid parity ― 発電コストが、系統(グリッド)電力の価格(=電力料金)と等価あるいはそれ以下になること ― に到達するものが現れ、発電コストが売電価格を下回るかどうかが製造者の競争力を図る新たなポイントとなるでしょう」とも。

以前、「太陽光発電は、価格に占める原材料費と設置コスト(つまり人件費)の割合が大きいので、一定水準以下には値段が下がりにくい」という記事を読んだことがあったんですが、このGreentech Mediaの記事を信じれば、grid parityも夢ではない(どころか、早晩実現する)ということですね。確か、昔読んだその記事は、家の上にのっけるタイプのモジュールを想定してたと思うんですが、ここで言っているのはもっとだだっ広い所にただ並べるタイプのものを想定しているのかも知れません。そうだとすると人件費はかなり違ってくるはずですよね。

恥ずかしながら、この辺りの技術的なお話は、あんまり詳しくないので、時間のある、この留学期間中に、土地勘くらいは掴んで帰りたいもんだと思っている今日この頃です。

Maxwell School, Sryracuse, Mar 19, 20:27

Wednesday, March 18, 2009

Green Investment

今日は朝からなぜか眠い…。昨日の夜の11時頃から、韓国人と日本人が集まって、2時くらいまで、ビールを呑みながら一緒に何かやってたことは覚えてるんですが、何をやってたのやらさっぱり思い出せず。帰り際に韓国人たちがやたらと嬉しそうにしていたことだけは覚えてるんですが。はて…。それにしても、西部時間8時(東部時間で11時)のプレイボールってのはどうにかならんですかね?東部で観るにはちょっと遅すぎます(と言いつつ観てますけど)。主催者がアメリカ国内の視聴者を当てにしていないことがよくわかりますね。あ、WBCの話ですけど(←覚えてんじゃん。)

おとといのエントリーの続きで、“environmental stock market indices”(環境配慮株価指数)について、もう少しじっくり考えてみました。
 
日本でもよく言われているのは、結局のところ、「環境配慮型企業≒優良企業」であり、(銘柄の選出方法にもよるものの)総じて言えば、環境配慮株価指数と一般的な株価指数の値動きに大きな違いは見られない、というもの。もしそれが事実だとしたら、前回のエントリーにも書いたとおり、環境配慮企業株価指数は、「環境配慮型企業の業績が、全企業群の中で特に悪いとは言えない(特に良いとも言えない)」ということの証左にはなるんでしょうが、それ以上の付加価値があるかというと…。それに対応したindex fundを誰かが作って販売してくれたとしても、それって結局、優良銘柄を集めた投資信託とほとんどかわんないわけですよね。そのファンドの買い手が多少気持ちよくなれる以外には、あまり具体的なご利益はないような気がします。

「環境投資」という切り口で何かしようとするのであれば(そもそも、「環境投資」なるくくり方に意味があるのか、という議論もあるでしょうが)、株の売り買いに影響を与えようとするアプローチ(ex.環境配慮株価指数)よりも、機関投資家や銀行が行う長期的な投融資の契約に環境配慮的な約束事を盛り込んでいく方法の方が効果的なんじゃないかという気がします。
  
これも少し前のニュースですが、アメリカを代表するprivate equity firmの一つであるKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P. (KKR) と、同じく、アメリカを代表する環境保護団体の一つであるEnvironmental Defense Fund (EDF) が、昨年5月から共同で行っている取組――KKRの投資先企業の環境パフォーマンス改善を支援するための分析ツールの開発・試験運用――の中間結果が先月発表されていました。それによると、KKRの投資先企業3社で、同ツールを運用してみた結果、2008年中に $16.4 million のコスト削減と25,000 t-CO2 以上の温室効果ガス排出削減に成功したとのこと。時間があれば、この報告の詳細も調べてみます(たぶん無理そうだけど。。)。
  
さて、今日はキューバ戦。今日も11時からなんだよなぁ…。ぶつぶつ。
Maxwell School, Syracuse, Mar 18, 17:58

Tuesday, March 17, 2009

Spring has come, and SOMETHING also has come??

めっきり春っぽくなってきたので、表紙の写真を変えてみました。久々に、リアル“Marshall Street” の写真です(「しょぼい」とか言わない!! これでもこの界隈で一番栄えてるんですから!!)。

先週の土曜日くらいから、雲ひとつない晴天が続いています。気温もだんだん上がってきて、今日はなんと13℃。冬が過酷だっただけに、既に初夏の趣さえ漂っています(そう思っているのは、たぶん僕だけじゃないはず)。ジャケットを羽織っている人は、もはや少数派。キャンパス内では、Tシャツの男の子・女の子も普通に見かけます。半年前にこの光景を見たら、「おいおい結構まだ寒いで」と心の中で突っ込んでいたでしょうが、「うんうん、その気持ち、よくわかるよ(オジサンにはさすがにまだちょっと寒いけど)」と思ってしまうのが怖いところ(笑) 今朝登校するときには、ついにサンダル履き(!!)の女の子にも遭遇。さすがにそれは頑張りすぎですけどね…。

ともあれ、パチッとスイッチを切り替えたかのような突然の春の到来に、僕も周りの人たちも、総じてご機嫌の様子。窓の多いMaxwellの校舎内にも、春の日差しがあふれています。 ↓↓↓



なんて浮かれていたら、今朝あたりから、なんとなく鼻がムズムズする。くしゃみも出る。そう言えば、目も若干痒いような…。悪い予感が…。うーん、そんなに杉も生えてなさそうだし、大丈夫だと思うんだけどなぁ。。 しばらくは、スギ花粉に見つからないように静かに潜伏しながら暮らします(←ほとんど意味不明)。
Maxwell School, Syracuse, Mar 17, 12:52

Sunday, March 15, 2009

S&P U.S. Carbon Efficient Index

祝!! WBCキューバ戦勝利!! 今日の試合、日本では月曜早朝という微妙な時間帯でしたが、こちら(アメリカ東部時間)では、日曜の夕方だったので、恐縮ながら思う存分堪能させていただきました。ちなみに今、日本人と韓国人しかいない自習室では、韓国人のY君とDちゃんが、韓国vsメキシコ戦に興じています(笑)
  
学期の再開を前に、今年年初からのblogを読み返してみたんですが、我ながら飽きもせずによく書いてきたなぁと思う反面、ある種浮世離れした「書生的視点」の記事が多いことも否めず。目新しいニュースを追いかけるあまり、あんまり深く考察できていないという気もしました。もちろん、blogを書くことだけに延々時間を費やせるわけではありませんが、blogの内容が、かなりの程度、僕のアタマの中を反映しているのも事実なわけで、視点の持ち方には気をつけないといけないなぁと思いました。単なるnews watcherにならないように。

と言いつつ、しばらくぶりの環境ネタを。一週間くらい前のニュースになりますが、アメリカの代表的な格付け機関であるStandard & Poor's(S&P)社が、“U.S. Carbon Efficient Index” なる新たな株式指数の公表を始めたとのこと。同社のサイトに詳しい説明が出ていますが、簡単に言うと、同社の代表的株式指数である S&P 500 の対象企業500社の中から Carbon Footprint (=温室効果ガス排出量(CO2t)÷ 収益) の比較的小さい企業を抽出し(最大375社)、それら銘柄の時価総額加重平均を指数として表したものだそうです。Carbon Footprintには、英国Trucost Plc社の算定したデータを用いているとのこと。

2004年以降のS&P 500 とS&P U.S. Carbon Efficient Indexの値動きを比較したのが次のグラフ。

はっきり言って、ほとんど差がないように見えます。細かく見れば違うのかもしれませんが。とりあえず、「low Carbon Footprintの企業の方が、特に業績が悪い、ということは言えない」ということでしょうか。
   
S&P社曰く、"to meet the growing investor demands for environmentally focused indices" (環境に焦点を当てた指数を求める投資家からのますますの声に応じるために) この指数を開発したそうですが、本当にそう言った声があるのか、(あるとしたら)その声はどの程度強いのか、こういった指標があると投資家にとってどのくらい便利なのか、僕にはイマイチよくわかりません。どなたか、このblogを読んでおられる方でご存じの方がいらっしゃれば、教えていただければ幸いです。
Maxwell School, Syracuse, Mar 15, 24:10

Saturday, March 14, 2009

South of the Border #2

Guanajuato(グアナファト)の町は、首都Mexico Cityから北西に、バスで5時間くらい走ったところにあります。メキシコ中央高原の谷間にたたずむ小さな町ですが、かつて、周辺の鉱山から産出される銀で栄華を極めた町でもあり、200年前からほとんどその姿を変えていないかのような美しい街並みが残っています。某『地球の○き方』によると、「メキシコに数あるコロニアル都市の中で一番美しい町」らしいですが、それどころか、世界中探してもこんなに美しい町はそうそう見当たらないんじゃないかと思えるくらい素敵なところでした。
 
夜になると、町の辻々には楽団が現れ、伝統的なスペイン音楽を奏でます。大学があるおかげで、町に学生が多いのもこの町の特徴の一つ。いまや、観光以外に主だった産業のないはずのこの町ですが、大学があるおかげで、町には若者があふれ、単なる「過去の町」にはない、活気がみなぎっています。



メキシコでの最後の夜の食事は、たまたま同じホテルに泊まっていた、元大学教授のアメリカ人のおばさんと御一緒させていただくことに。Ohio州立大で環境政策を教えていたという、その御婦人は、去年の暮れに退官し、2週間のスペイン語講座を受講した後、旦那をOhioに残して(笑)3か月のメキシコ旅行を楽しまれている最中とのこと。偶然にもうちの母親と同い年でしたが、非常に若々しい、エネルギッシュな女性でありました(斯く言ううちの母親も、結構若々しい人です。←こんなところで媚び売ってどうする??)。
  
SUNY-ESFとかにときどきいてそうな(失礼…)、イケイケのリベラル・エコロジストお嬢さまがそのまま大人になったような方で、ワインの酔いが回ってきた頃には、自分の話に盛り上がって“Go! Obama!!” と叫んでみたりもされていましたが(…)、窓の外から聞こえてくる楽団の生演奏を聴きながら、環境政策の話もで盛り上がり、旅行最後の夜にふさわしい、非常に楽しい夕食でした。
    
彼女の教えていた『環境法』の講座は――背景事情を踏まえつつ、歴代各政権の下で、どのような法改正がなされてきたかを教える授業だそうですが――Ohio州立大の、環境政策、森林経営学、自然資源管理の3スクール共通の必須科目だったとのこと。彼女曰く、「実際、社会に出たあと、相手にする人のほとんどは、自分より年上の人。彼らは過去の経緯をよく知っている。そんな彼らと対等に渡り歩いていくには、各制度がなぜできたのか、どうやってできたのかをアタマに入れておく必要がある。覚えることの多いtoughなクラスで、生徒からはビビられていたけれど、私の教えていた内容は、その道で食べていくには欠かすことのできない知識だったと思うわ」とのこと。確かにおっしゃる通り。こういう、過去の経緯をきちんと学ぼうとする姿勢は、意外にも(??)日本よりアメリカの方がしっかり根付いているように思います。
  
最後は、メキシコの話からかなり外れてしまいましたが、そんなこんなで、3日間のメキシコ滞在を楽しんできました。やっぱり自分は、途上国 (というとOECD国たるメキシコの方に怒られるかもしれませんが) を旅する方が好きなんだなぁと改めて実感。「アメリカなんてでっかい途上国みたいなもんだよ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、やっぱり、ここはなんだかんだいって先進国なわけで(←当たり前です)、今回の旅行では、普段のアメリカ生活ではなかなか感じられない刺激をもらえたような気がします。今回、日程的な貯金を使い果たしてしまったので、4月末の春学期終了まで、もはや遊んでいる暇はほとんどありませんが(←そりゃそうだ)、残り1か月半、気分新たに頑張ろうと思います。
my home, Mar 14, 11:12

Thursday, March 12, 2009

South of the Border #1

フライトを3本乗り継いで、一日かけてSyracuseの街に戻ってきました。メキシコと比べると、カラーテレビと白黒テレビくらいの差がありますが(どっちがどっちかはお察しください)、それでも帰ってくると、なぜかほっとするから不思議です。

メキシコには、実質3日間滞在しました。一日半、首都Mexico Cityを観光した後、長距離バスに乗って銀鉱の街、Guanajuato(グアナファト)へ。水曜日丸一日、Guanajuatoを散策し、今日朝一の便でメキシコから帰ってきました。

メキシコは、僕が想像していた以上に、アメリカとは異質の空間でした。むしろ、共通点を見つける方が難しいくらい。NAFTAの影響もあり、僕のアタマの中では、米加墨の三か国をひとくくりで考えがちでしたが、実際に行ってみて、その考えは完全に改まりました。

とにもかくにも、英語がまるで通じません。首都のMexico Cityでさえも壊滅的に通じない。話せないだけならともかく、英語の標示もほとんどゼロ。これには正直往生しました。これからメキシコに行かれる方は、ぜひ、最低限のスペイン語を覚えていかれることをお勧めします(←結構マジです)。

言葉だけでなく、文化の面でも、アメリカとはかなり違っています。人口800万の大都会Mexico Cityにあっても、彼ら固有の文化はねっとりと横たわっています。よそ者には理解し得ない、理屈でない何かが、社会の中に根強く息づいている感じ。その「何か」が醸し出すえもいわれぬ“アウェイ感”は、アメリカではほとんど感じたことのなかったもの。日が沈んだあとにやってくるなんとも言えない不安感(←治安の心配、ということではなく、もっとそこはかとない不安感)は、久々に感じた感覚でした。
  
日本の外務省のサイトによると、メキシコの人口構成は、“ヨーロッパ系と先住民の混血(60%)、先住民(30%)、ヨーロッパ系(スペイン系等)(9%)、その他(1%)”とのこと。Mexico Cityを歩いていると、街ゆく人のほとんどが、Mestizoと呼ばれる混血の人々であることに気付きます。生粋の(という言い方が適切かどうかわかりませんが)ヨーロッパ系の人は、ほとんどと言っていいほど見かけません。この点も、アメリカと大きく違うところ。
 
アメリカが多民族国家であるのに対して、メキシコは混血の国。前者が、いろんな民族を受け入れる中で、各民族の文化・風習を薄め、社会制度を普遍化していったのに対して、メキシコは、スペインとインディオという二つの文化をぶつけ合い、混ぜ合わせる中で、ますます濃厚な固有の文化を産み出してきたように思います。旧宗主国がイギリスかスペインかの違いだけ、といったような単純な話ではありません。そのことも、実際にメキシコに足を運んでみて、初めて実感できたことでした。

その他、メキシコあれこれ。

◆ VWビートルがいっぱい
 フォルクスワーゲンのビートルがしょっちゅう走っています。ニュービートルではなく、初代ビートル。ビートルタクシーにも一度乗ってみましたが、エンジン音は、自動車というより、遊園地のバギーのそれに近い感じ。とりあえず燃費は超悪そう(苦笑)。ちなみに、日本車の割合は、アメリカ(NY州)で見かけるほど多くはありません。その分、FordやGMが、本国以上に頑張っている感じ。日本車の中では、日産が孤軍奮闘していました(タクシーの運ちゃん曰く、トヨタ・ホンダに比べて日産車が安いとのこと)。

◆ 電車の中でCDを販売
 地下鉄は、Mexico City市民の足。時間帯によっては、日本並みの満員状態にも。そんな車両の中、大音量で音楽を鳴らす輩が!! 何かと思って見てみたら、なんとCDの即席販売。民族音楽からビートルズまで、いろんなジャンルのCD屋さんがは跋扈していました。さらにびっくりするのは、その場でCDを買う人がそれなりにいるということ。まぁ、そうでなければ彼らの商売は成り立たないわけですが…。中には、小型TVを持ち込んで、DVDを販売しているツワモノまで。

◆ タブロイド紙の表紙 
 街中のキオスクで売られているタブロイド紙の表紙は、ほぼ100%、二つのうちのどちらか。ひとつはsexyな女性の写真。こちらは日本もある程度共通(さすがに表紙はないか??)ですが、もうひとつはメキシコ独特で、なんと、殺人事件の現場写真。それもモザイクなしで、かなり、そのまんまな感じで写っています…。街を歩いていると、どうしても目に入ってきてしまうので、この点は、ちょっとしんどかったですね。

◆ 空気、薄い
 Mexico City郊外のテオティワカン遺跡では、太陽のピラミッドにも登ってみましたが、とにかく息が切れる切れる。日頃の運動不足もさることながら(!!)、やっぱり空気は相当薄いみたいでした(ということにしておこう。)。

◆ メシうまい。コーヒーうまい。
 Syracuseをベースに考えれば、どこに行こうとも、これ以上メシが不味くなることはまずあり得ないわけですが、とはいえ、メキシコ料理はやっぱりうまい。ついでに、コーヒーが美味しいのも、珈琲党にとってはうれしいところ。スタバのコーヒーもアメリカで飲むよりおいしい気がするから不思議です(←たぶん、気のせいではないと思う。)。

最後に、Mexico Cityとテオティワカンの写真を。


次回(たぶん明日)は、旅行記後篇をお送りします。
my home, Syracuse, Mar 12, 25:38

Monday, March 9, 2009

A Streetcar Named Desire

New Orleansの友人宅に二泊し、今晩、Houston経由でMexico Cityにやってきました。明日から3日間は、Mexico観光します。

New Orleansは想像してた以上の良い街。French Quarterの街並みもきれい、食事も最高、そして何より温暖!! この季節、すでにTシャツで問題なしとは…。未だ雪の残る某雪国cityとはえらい違いです(笑)。 アメリカ人のクラスメイトたちからさんざんビビらされていた「治安」も、普通に観光している分にはまったく問題なしでした。

東部時間ゾーンのSyracuseから中部時間ゾーンのNew Orleansに移動して、時差-1時間。New Orleansにいる間にサマータームが始まって、+1時間。同じ中部時間ではあるものの、まだサマータイムが始まっていない(4月に切り替わる)Mexico Cityに移動して、時差-1時間…と、時間が行ったり来たりしていて、ついていくのにかなり苦しんでおります(ていうか、あんまりついていけてません)。。。飛行機乗り遅れず、無事ここまでたどり着けてとりあえず良かった。。

昨年、OtawaやFloridaに行ったときにも感じましたが、イギリス以外の国の植民地として始まった地域に行くと、やっぱり、他のアメリカの都市とはどこか違った雰囲気を感じます。それが、すごく楽しいし。今回、ご一緒させていただいたBoston在住の人たちが「BostonなんかよりNew Orleansの方がよっぽどいい」と連呼されているのを聞くと、某「何もない」City在住の僕としては、「Bostonだって、かなりいい…」と思ってしまうわけですが(笑)、BostonよりNew Orleansの方が良いと言いたくなる気持ちもよくわかります。そんくらい、New Orleansは素敵なとこでした。

Louisiana州旗やNew Orleans市旗が、そこら中に掲げられていたのも印象的。逆に星条旗の割合は、他の街に比べて少なかったかも。そういえば、NY州旗もSyracuse市旗も、Syracuseでは見たことがない(てか、どんな旗か知らん…)。この辺は様子がだいぶ違うなぁと実感。南部州ゆえの独立精神の現れということなのかもしれません。



Mexico City, Mar 8, 25:19

Friday, March 6, 2009

Spring break has come.

本当の春はまで来ていませんが、その前に、春休みがやってきました。いまこの時間も働いてらっしゃる皆様には大変恐縮でありますが、せっかくの機会ですので(!!)旅に出るべく、ただいま、シラキュース空港で、6時のフライトを待っています。朝の5時台だというのに、搭乗口は既にすごい人混み。SUの学生も多そうです。
     
春休みが始まる前からこんな話をするのもなんですが、春学期後半戦の1か月半は、めちゃくちゃ忙しくなりそう。前半戦は、最後の二週間だけ必死モードでしたが、後半戦は、最初から最後まで、そんなペースで走り続けるしかないかなぁ…という気がしています。
  
ともあれ、まずは春休みを楽しませていただきます。旅行中もときどき更新しようと思っていますが、最終的なSyracuseへの帰着は来週木曜日(12日)の予定です。

ではでは、行ってきます。
Hancock Airport, Syracuse, Mar 6, 5:44

Thursday, March 5, 2009

halfway point of the spring semester

なんだかんだと溜まっていた春休み前の課題 & 試験ラッシュもおおかた片付き、あとは、明日のQuantitative Analysisの中間試験を残すのみとなりました。いろいろ反省しないといけないこともありますが、春学期前半戦、何とか乗り切れそうな感じです。
 
今日のEconomics of Science & Technologyのクラスで提出したresearch paperの中間報告に対するコメントが、Popp先生からさっそく送られてきました。なんと、「非常に面白いトピックである(“This is a very good topic.”)」とのお褒めの言葉が。メールの内容をよく読んでみると、僕のトピックが、いま、先生が研究しているテーマとドンかぶりしているらしく、要はたまたま先生のツボにハマったという方が正確なのかな、と(笑)。
 
research paperで扱おうと思っているのは、1990年代における各国の風力発電促進政策の比較分析。91年から2002年までの間に、世界の風力発電総量は、2 GWから31 GWに激増。しかしこの間、丁独西の風力発電先進3か国が目覚ましく風力発電量を伸ばしたのに対して、日米英の風力発電量は伸び悩んだまま(特に日本の伸び悩みは深刻)。また丁独西3か国が、国内市場の伸びに応じて、世界的な風車メーカーの育成に成功したのに対し(それらのうちの数社はFortune Global 500にも顔を出す優良企業)、日本は、世界市場で戦える風車メーカーを未だ1社も持たない状況。このような差が生まれたことに、各国の政策の違いがどの程度寄与していたのかを分析します、というのがとりあえず現時点でのresearch paperの方針。
  
Popp先生からは、「僕もちょうど今、風力についてデータ集めしてるところだから、ぜひデータをshareしましょう」とか、「ディスカッションしたくなったらいつでも僕の部屋に寄ってください」とか書いていただいていて、それはそれはうれしいんですが、春学期後半戦の限られた時間を考えると、ちょっと重いような気も…。でもやっぱり嬉しいかな(笑)
  
まぁどこまでできるかわかりませんが、調べていて素直に面白い分野でもあるので、春学期後半戦のリソースを集中させるつもりで、やれるとこまでやってみようと思います。
   
なんて風力発電の話をしていたら、スウェーデンでちょっとビックリなニュースが。GMから放出されてスウェーデン政府への支援要請を行っていたスウェーデンの自動車メーカー(元GMの子会社)Saabに対し、同国通商大臣は、支援要請を拒否した上で、「Saabは、風力発電施設の製造メーカーに業態転換するべきだ」とのメッセージを発したとのこと。同大臣曰く、
"Producing wind power is more realistic for Saab than ever being a profitable car manufacturer again. It is also substantially more desirable for Sweden,"
との由。
  
このニュースもなかなか象徴的なんですが、research paper用に調べている学術論文なんかを読んでいても、ヨーロッパ各国の風力発電施設製造業に対する認識は、日本のそれとはだいぶ違ってきているようです。もはやエコビジネス云々という話ではなく、一国の経済成長の一端を担う基幹産業として(また、大規模な雇用供給源として)風力業界が認識されつつあるのではないかと。

今回のresearch paperでは、僕もそういう認識に立ちつつ、「日本の風力発電政策は、産業政策としてどうだったのか」という視点から分析したいと思っています。
Maxwell School, Syracuse, Mar 4, 26:35

Tuesday, March 3, 2009

Economic Effects Analysis of the Stimulus by CBO

CBOネタが続いて恐縮ですが、CBOの行った景気刺激策(ARRA)の経済効果分析が、3月2日に公表されています。「予測しきれない部分が多い」と断った上で、短期と長期のそれぞれについて、ARRAの効果を分析。ARRAについてのネガティブな評価も率直に書いています。たとえばこんな感じで;

“Most of the budgetary effects of the legislation are estimated to occur over the next fewyears, and as those effects diminish, the short-run impact on the economy will fade.”

“To the extent that people hold their wealth as government bonds rather than in a form that can be used to finance private investment, the increased debt will tend to reduce the stock of productive private capital. In economic parlance, the debt will “crowd out” private investment.”
このレポートが、もし仮にARRAの成立前に出されていたらどうなったか?? 答えは簡単。大勢には何ら影響を与えなかったでしょう。いろんな意見がある中で、最後に決断をするのは政治の役目。今回の景気刺激策について言えば、その「政治」の主導者(=Obama政権と議会民主党の主流派)が、「絶対に成立させる」という決意を早々に固めていたわけですから、多少、CBOが辛口の評点を下したところで、結果は変わらなかったと見るべきでしょう。
  
じゃぁCBOのやったことはムダかというと、僕はムダではないと思う。確かに今回は、CBOの分析結果が政治決定に与えた影響は非常に小さかったですが、「政治」とは距離を置いて「政策」的視点から意見を述べるCBOのような存在は、議会の中と外でのより健全な議論を促進するのに役立っているんじゃないかと思います。たとえば、先日、Obama政権が、財政赤字の削減プランを発表しましたが、その中で使われている景気見通しが甘いという指摘をマスコミや共和党が行っている。その際に比較材料としてよく使われているのがCBOの予測値(←こっちの方が厳しめ)だったりするんですよね。建設的な議論の材料を提示するという意味で、その役割はやはり大きいんじゃないかという気がしています。

確かにCBOは、その高い独立性や、implementation機能を有していないという点で、D.C.の中でもかなり変わった役所であります。が、その「政策」的視点に徹する姿勢には、日本の役所が見習うべきところも多いのではないでしょうか。

役所というものが選挙に依らない存在である以上、まず依って立つべきは論理性であり、また、その論理性から導き出される「政策」である。その点への執着を安易に諦めて、「政治」におもねったり、ポピュリズムに走ったりすることは、自身のレゾンデートルを危うくするものであり、同時に、社会に対する責任の放棄でもある――最近、僕が考えているのはこんなことです。

my home, Syracuse, Mar 3, 27:25

Partisan, Advocate, or Careerist?

「寒い、寒い」と書くのにもだいぶ飽きてきましたが、寒いもんは寒いわけで。外は、マイナス13℃。そりゃ寒いに決まってます…。こんな夜はあったかいもんでも、と思ってお揚げさんと青梗菜の煮びたしを作ってみたら、これがなかなかの出来栄え。変な話ですが、アメリカに来て、日本料理の腕が上がった気がします。「てか、いま何時よ?」――その質問には残念ながらお答えできません。
    
今日もD.C.報告の続きを。先週金曜日に行われたパネルディスカッションの中で、誰だかよくわからないおじさんが、面白い話をしていました。「D.C.での仕事は、①Partisan、②Advocate、③Careeristの3つに大別できる」というもの。
  
よく、D.C.のエリートたちは、政権交代のたびに勤め先をぐるぐる変えるという意味で「リボルビングドア(回転ドア)」にたとえられますが、実際には、いわゆる民間企業(銀行、事業会社etc.)と、D.C.の住民との間には、かなりはっきりした壁が。「ぐるぐる」は、基本的にD.C.の中だけで行われているようです(大学での研究ポストというオプションもありますが)。
    
さらに言うと、D.C.の住民の中でも、上の①~③ごとに、ある程度の住み分けがあるとのこと。①は、issueに関係なくどちらかのparty(Democrats or GOP)を支援する人、②は、特定のissueの特定の利益を代表する人、③は、客観的な立場を維持して発言する人。「①と②、②と③の間の行き来はあるが、①と③の間の行き来はかなり稀」なんだそうです。昨日のエントリーで書いたCBOは、典型的な③タイプの機関。確かに、訪問したときに職員の方が、「一旦辞めて、戻ってくるのはアリだけど、辞めている間にPartisanの色がついちゃったら、まず戻ってこれないかな」てな話をされてました。なるほどね…。
  
日本のパブリックセクターと、D.C.との違いと言えば、「リボルビングドア」がまっさきに思い浮かぶわけですが、①~③の区分がはっきりしている、というのも、日本にはない(←「ない」というと言いすぎですが、いまいちはっきりしてない)、D.C.の大きな特徴の一つかと。そのおかげで、それぞれの組織の立ち位置・目的が、日本よりもはっきりしている気がします。もちろん、ロビイスト(≒Advocacy)のあり方については、この国でも、いろんな議論があるわけですが。

だいぶ眠たくなってきたので、今日はここまで。D.C.のメトロの駅で撮った写真を載せておきます。


my home, Syracuse, March 3, 26:25



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Sunday, March 1, 2009

Back to Syracuse

しばらくのご無沙汰でした。先ほど、4日ぶりにSyracuseに戻ってきました。再び、氷点下の世界にcome backです。。。

いつも思うことですが、普段しゃべらない人とおしゃべりすると、いろんな刺激をもらえます。今回の旅行でも、ネットワーキングのイベント中に出会った人に限らず、泊めていただいた先輩や、帰りの車に乗せてくれたクラスメイト(元NOVA講師)など、いろんな人とお話する中で、ここのところ、本とwebの世界に没入しきっていたアタマを、多少なりともリフレッシュすることがでました(英語も多少、上達した気がします)。
  
今回の旅行の中で、一番面白かったのは、CBO(Congress Budgeting Office/議会予算局)での話。CBOは、連邦議会 (主にthe Budget and Appropriations Committees/予算・歳出委員会) をサポートするため1974年に設立された組織で、予算案の作成支援、法案のマクロ経済影響分析などをやっています。日本でこれに対応する機関を無理やり探せば、衆・参の予算委員会調査室になりそうですが、規模も役割も○○も、根本的に違っています(…)。
  
CBOの名前は、Maxwellの授業でもよく聞くのですが、結局、どういう仕事をしてるのか、いまいちピンと来なかったので、今回、CBO訪問企画に参加してみることに。真面目に就活している同級生に交じっての物見遊山(?)訪問には、多少後ろめたいものもありましたが…(!?)
  
CBOの特徴としてよく指摘されるのは“non-partisan”という点。いずれの党派にも与さず、客観的視点から分析を施すことが、その役割であるとされています(←実際、法律にそう規定されている)。この点は、話をしてくれたCBOの分析官の女性(←アタマのキレそうな中堅クラスのお姉さん。Maxwell Alumni)が、何度も強調されていました。単に強調するだけでなく、その点を非常に気に入っているようにも、誇りに思っているようにも見えました。その話を聞いていた同級生たちも一様にCBOの魅力に引き込まれていたご様子。お姉さんの話し方がうまかったというのもありますが、確かに、政治に干渉されず、純粋に経済学の立場から、政治に対して助言できるというCBOの立ち位置は、公共政策を志し経済学を学んだ者にとっては、すごく魅力的ですよね。
   
ただ、組織として、多少too muchな感じがしないでもありません。少なくとも、日本には対応する組織がないのに、アメリカには、比較的小規模とはいえ200人超の組織が存在しているわけですから。ちょっと似てるかなぁと思ったのは、F1の開発チーム。彼らは、コンマ数秒を稼ぐために、ものすごい研究を積み重ねるわけですが、ドライバーが一回ヘマをすれば、数秒、数分のマージンなんて一瞬で吹っ飛んでしまいます。悪くすれば、そのままリタイアなんてこともざら。そんな前提の下でコンマ何秒に心血を注ぐF1のエンジニアという仕事をTVで見ていて、僕は勝手に、ある種の「虚しさ」を感じてしまうのですが、それと同種の虚しさがCBOにもあるんじゃないかと。結局、どれだけ精緻な分析を提出しても、受け取った政治家がその結果をうまく使えなければ(或いは、使わなければ)、分析は水泡に帰してしまうわけですから。
   
でも冷静に考えてみれば、予算や法案の審議をするとき、そもそも、マクロ経済学的分析をほとんど活用しない日本の国会審議のあり方も、怖いと言えば非常に怖いなと。結果的には無駄になることもあるにせよ、とにかく、審議を行うに当たっては、マクロ経済学的分析の実施を定型化しておくというのが、なんというか、プロセスとして「まっとう」なやり方なんじゃないかなぁという気がします。

また、局地戦で観れば、分析結果が「政治」に押し切られることも、ままあるだろうと思いますが、長期的にみれば、純粋に「政策」サイドからものをいえるCBOのような組織が存在していることが、「政策」vs「政治」の綱引きゲームの中で、「政策」サイドの発言権を強める働きは小さくないんじゃないかなと。(「政策」vs「政治」の話は、knj79君も2月2日のエントリーで書いています。)
  
なんて悠長なことを書いていますが、ホントはこんなこと書いてる暇はなくて、明日は、midterm testとassignmentの〆切が…。これから、(たぶん)明日の朝まで頑張ります。
Maxwell School, Syracuse, March 1, 20:13

Thursday, February 26, 2009

Networking Trip to D.C.

D.C.にやってきました。旅の目的は、明日から始まる“Networking Trip” に参加すること。さっきD.C.に到着し、今晩はDupont Circle近くの小さなホテルにstayしています。

この“Networking Trip” というイベントは、D.C.各所で活躍(暗躍?)するMaxwell alumni(=卒業生)との “Network” 形成を目的に、毎年、MPA自治会主催で行われているもの。日本以上にコネクションがモノを言うこの国のこと、周りのクラスメイトを見ていると“Networking”=「就活の一環」と位置づけて頑張ろうとしている人が多いようです(というか、むしろそれが普通)。なわけで、就活をしなくていい僕の場合、他のクラスメイトたちとは、スタンスがちょっと違っているみたいですが、「ワシントンのエリートコミュニティがどうなってるのかを覗いてみたい」という純粋な好奇心で参加することにしました(そしたら、課題に追われて悲惨なことになりました。← てか、結局まだ終わってないし…
  
それにしても、やっぱ都会っていい。すごくいい(笑) 人が普通に街中を歩いてるし、道の端に煤けた雪の塊が残ってたりもしないし(←どんな期待レベル??)。 2か月ぶりの都会―しかも雪なし!!―に若干興奮気味であります。
  
あしたは、朝の7:15から始動。ホテル近くのメイン会場で行われるパネルディスカッションを聞いたり、実際にalumniが働いているオフィスを訪ねてみたり、夜は夜で、D.C.界隈のalumniが大集合する(らしい)パーティに参加したりと、盛り沢山の一日になりそうです。
  
最後にちょっとタイムリーなニュースを。まぁ、あくまで、「僕にとってタイムリー」ということなんですが、Washington Postの今日の記事に、Washington D.C.が国会(下院)に投票権を有する代表を送れることになったとのニュースが出ていました。ある種、トリビアみたいな話なんですが、D.C.って、国会議事堂のお膝元でありながら、これまでは自分たちの代表議員を国会に送ることを許されてなかったんですよね(投票権を持たない準議員が下院に参加することは認められていた)。「代表なくして課税なし」を合言葉に、長年、キャンペーンを続けてきた特別区の努力がついに実ったようです。
Carlyle Suites Hotel, D.C., Feb 26, 22:10

Wednesday, February 25, 2009

How can we make domestic demand?

相変わらず、課題に追い込まれてはいるんですが、英語で追い込まれれば追い込まれるほど、日本語で何か読んだり書いたりしたくなるという困った癖が。「集中力、足りてないだけでしょ?」That's right...。
 
池田信夫氏のblogに、“日本経済のダメージはなぜアメリカより大きいのか”というエントリーが立っています。直近の日銀経済金融月報を引用する形で説明されていますが、これを、僕なりに噛み砕きつつ端的に書き直してみると
  1. 日本は、鉱工業全体に占める3業種(輸送機械、電気機械類、一般機械)の構成割合がアメリカよりも大きい。(日本:5割、米国:2割)
  2. これら3業種の輸出比率がもともとアメリカよりも高かったところに外需の減退が襲ってきた。
  3. 日本は、部品・素材の国内調達比率が高いので、外需の増減による第一次のショックが波及的・増幅的に国内生産全体にいきわたってしまう。
こんな感じかと。ここまでは完全にagreeなんですが、かねがね、池田氏が述べられている最終的な結論は、内需主導の方向に「製造業の産業構造」を変えないといけないというもの。それもロジックとしてはよくわかるんですが、じゃぁ、その内需主導の産業って具体的に何?って言うのが、僕には昔からずっとナゾのまま…。ましてやこの少子高齢化の時代に何があるんだろ?
  
こっから先は思いつきでしゃべってしまって恐縮なんですが、発想の転換で、外需のポートフォリオを増やすという戦略は描けないものなんでしょうか?まぁ、正直に言うと、今僕の頭の中にあるのは、内需主導への転換は諦めて、省エネ・新エネのインフラ輸出で食っていけないかということなんですが。各国の政策動向に強い影響を受けるという点でリスクはありますが、トレンドとしては、今後、ますます需要が増大していくはずですし、現に、この不況のさなかでも、米中は環境協力で合意をし、インサイトはめちゃめちゃ売れまくってるわけですよね…。あと、問題は、その産業が日本国内でどのくらいの雇用を生み出すか、ですが。

いかんいかん。妄想してしまいました。レポートに戻ります。
Maxwell School, Syracuse, Feb 25, 14:04

Obama's first address to Congress

The Economics of Science & Technology のtake home testと格闘中。先週末のエントリーでも紹介した環境経済政策と同じPopp先生のこの授業。環境経済政策のassignmentと同様、こちらも良問ながら難問です。「イギリスのマン島が始めようとしている(←実際にそういう動きがあるようです)『インターネットに加入している人全員に一律の「音楽税」を課す代わりに、音楽ソフトをダウンロードし放題にする』 という政策を、どう評価するか」など。ご興味の向きは、問題も見てみてください。
 
来週月曜〆切なんですが、今週末は、MPA自治会主催の、D.C.ネットワーキングツアーとやらに参加するので、実質的には明日までに仕上げなければならず、かなり追い込まれ中。徹夜を試みてはみたのですが、結局ソファーで結構な時間、寝ちゃった気が…。
  
というわけで、昨晩行われたObamaの就任後初の議会演説については、ほとんどフォローもできておらず…。ただ、web記事の見出しを見ている限り、今回は、Obamaの演説も去ることながら、共和党側の返答演説(←変な日本語でスイマセン)を行ったBobby Jindalルイジアナ州知事にも注目が集まっていた模様。アメリカでは初のインド系州知事。37歳(若っ!!)。去年1月に就任し、災害復興の名の下に民主党の前任知事が膨らましまくった財政赤字を、鬼のような勢いで削減しまくっているとのこと。Obama政権の「ムダ遣い」への批判を強めるGOPにとっては、打ってつけの対抗馬といったところか。2012年大統領選のGOP有力候補の一人とも目されている彼。今から注目しておいて損はないと思います。

ところで、その議会演説の前に大統領がお会いになった某国首相との会談のニュースは……ざっと見ただけでは見つかりませんでした。
my home, Syracuse, Feb 25, 8:38

追記: 昨日のObama演説のエネルギー政策関連部分が、knj79君のブログに出ています。

Tuesday, February 24, 2009

Departures

いまさら言う話でもないですが、昨日のアカデミー賞、『おくりびと』が外国語映画賞を受賞しました。僕は残念ながら、映画というメディア自体にあまり思い入れがないので、初めこのニュースを見たときは、もちろん嬉しくは思ったものの、それ以上の強い感情はなかったのですが、今日、クラスメイトから送られてきたyoutubeのトレイラーを観て、一瞬で撃沈。思わず3回くらい繰り返し観てしまいました。
 
わずか2分12秒のトレイラーではありますが、作品賞を受賞した"Slumdog Millionare"(→感想はこちら)との質の違いは歴然。ちょっと大げさに言えば、「映画」というジャンルでひとくくりにしてしまっていいのだろうかという気さえします。
  
『おくりびと』はまだトレイラーしか観てないので、あくまで一般論になりますが、映画・小説などのコンテンツものにせよ、料理にせよ、庭やお茶といった伝統文化にせよ、日本人の持つきめ細かな表現力は、この国(アメリカ)の人たちには、まず真似できないだろうと思います。よく言われることではありますが、住んでみて、改めてそのことを実感。それにはきっと理由があって、日本人の表現するモノは、基本的に、日本人の同質性に根ざしているから、つまり、日本人が共有している精神世界を前提として表現されているからではないかと。
  
たとえば映画について言えば、上映時間は、アメリカにせよ日本にせよ、普通2時間に限られているわけで、その中で、出演者に語らせられる言葉の数は、どうしても物理的な制限を受けます。しかし、「一言えば十わかる」という具合に前提を共有しているもの同士であれば、表面的には同じ数の言葉しかしゃべらなくても、実質的にははるかに深いものを表現できる。さらに言えば、言葉なんてなくても、ある景色を映すだけで、多くを伝えることすらできる。

そういう意味では、今回、『おくりびと』が嬉しいことにアカデミーを受賞しましたが、多くのアメリカ人は、この映画を、日本人が感じるのとはまた違った印象で観ているんだろうなと(有体に言えば、彼らは、日本人なら普通に感じられる要素のすべてを感じられているわけではないんだろうなと)思います。
    
一方で、文化にせよ、制度にせよ、世界を席巻するのは、前提なんてものを必要としない単純なタイプのものです。そういう意味では、この国(アメリカ)の持つ単純明快さは、日本人からしてみれば、非常に味気ないですが、同時にそうであるが故に、圧倒的な影響力を持っていることを認めざるを得ません。マクドナルド然り、Windows然り、株主資本主義然り…。

しかし、味気ない。非常に味気ない。そしてガサツ…。翻って日本を見てみれば、その同質性から来るセンチメンタルな守旧主義に、社会としての健全な前進を阻まれている部分が大いにあることは否定できません。しかし、そうであったとしても、その豊かな精神世界を決して失ってはいけないと、アメリカで『おくりびと』のトレイラーを観ながら、一人、思った夜でした。

そういう美しいけれどwetな文化と、社会の改革・前進を両立するのって、言うほど簡単じゃないってことはよくわかってるんですけどね…。
 
ともあれ、早く『おくりびと』の本編を観てみたいところ。1年半我慢するのはあまりに長すぎるので、こっちで観る方策を何か考えないなぁと思っています。

my home, Syracuse, Feb 23, 26:08

Sunday, February 22, 2009

America is addicted to foreign oil

The Economics Science & Technology のクラスのresearch paper用の資料集めをしていたら、久々にBoone Pickensの名前を発見。ちょうど僕がアメリカに来た去年の夏頃、メディアに出まくっていたオクラホマ(→この辺)の風車おじさん。企業買収で巨万の富を築いた(世界第369位)80歳のおじいちゃんなんですが、去年の夏に、突如(←たぶん、突如)"Pickens Plan" なる大々的な再生可能エネルギー導入推進プランを発表。「テキサスからカナダ国境まで、Great Plainsに風車を建てまくる」というのがその目玉。石油の値段がアホほど高かった去年夏頃には、ほんとしょっちゅうメディアに出てたんですが (たぶん、おっさん自身が、かなりの大金をPRに突っ込んでいたのかと思われますが)、石油価格の下落、リーマンショック(←「リーマンAIGショック」ではない)、大統領選etc.で、知らん間にメディアでは見かけなくなってました。もしかしたらTVには出続けていたのかもしれませんが、自宅にTVがないのでわかりません(スイマセン)。
  
そんなわけで、最近どうしてるんだろうと思って彼のサイトに行ってみたら、ちゃっかり、活動してましたよ。活動してたどころか、しまくってた。昨日は全国知事会(というと、やたら日本臭いですが「州知事」の方の知事会です)で講演し、今日は、新しいTV広告を発表したとのこと。(↓ これがそのCM)


Obama政権発足を受けて改定したものと思われる、新"Pickens Plan"は、ここで見られます。要旨はだいたいこんな感じ。

  • 全電力の22%を賄えるだけの風力発電施設を建設→数百万人規模の雇用を創出
  • 21世紀型送電網の建設
  • 住宅・ビルの省エネ性能向上のための補助金を支給
  • 国内産天然ガスの使用→石油輸入量の削減
ちなみに、「プラン」曰く、「天然ガスは恒久的かつ完全な解決策ではないが、究極的な燃料にたどりつくまでのbridgeであり、 critical puzzle piecである」んだそうです。
  
Pickensさんは、メディアでも公言しているゴリゴリの共和党支持者。つまり、ここに「保守主義」と「温暖化対策・新エネ導入推進」の稀有な結合が見られるわけなんですよね。ただし、彼が本当に「温暖化対策」を志向しているかどうかは微妙で、上述のプランを見ても、地球温暖化問題に対する言及はほとんどなく、もっぱら語られているのは、「外国産燃料からの脱却」と「雇用の創出」。特に、最近は、エネルギーセキュリティの観点を強調しているみたいです。
 
しかしまぁ、あれです。目的が違えども、たまたまた行き先が同じなんであれば、相乗りすれば良いわけです。Pickensさんも、現民主党政権とのコラボを模索してるみたいですし。といいつつ、なんでこのおっさんが、こんなところに大金を突っ込んでんのかなぁ…と、未だに解せないものがあるのも否めません。というわけで、興味半分なところもありますが、彼の動向は、ときどきウォッチしておこうと思います。
Maxwell School, Syracuse, Feb 22, 21:11

Japan PM wins coveted first Obama invitation

少し前の話になりますが、先週半ば、日米首脳会談の開催が発表されました。麻生総理は、Obama新大統領がホワイトハウスに迎える最初の外国首脳として招かれるとのこと。総理は明後日(火曜日)、この国にいらっしゃいます。
  
これについてアメリカのメディアがどう報じているかなんですが、少なくとも今のところ、大きなニュースにはなっていません。というか、ほとんど報じられていません。小さめの記事で、粛々と述べられている程度。たとえばこんな感じ(FOX News)とかこんな感じ(ABC News)で。結構頑張ってググってみたんですが、背景事情まで分析している記事は、ほぼ見つからず。(bloombergが出してましたが、僕の印象では、あまり的を射ていない気がします。)
  
そこにいくと、シンガポールの国営英語放送局Channel News Asiaがwebに掲載している"Japan PM wins coveted first Obama invitatio"という記事は、「なぜ日本が最初の訪問客に選ばれたのか」という点まで分析されていて、なかなかinteresting(タイトルは嫌みですが)。興味深い記述を拾ってみると、たとえばこんな感じ。
experts believe Obama's invitation to Aso is largely symbolic -- designed to relieve concerns in Japan that the United States is overlooking its longtime ally in light of China's rapid growth.
Japan is where the money is and if you want to deal with the international financial crisis, you've got to have the US and Japan in synch.
二つ目の引用はthe Pacific Forum of the Center for Strategic and International Studies所長Ralph Cossa氏の発言の一部として掲載されているものです。それにしても、"Japan is where the money is" って…。Cossaさんには、東洋の島国が、完全に打ち出の小槌に見えてるんでしょうね。。
  
本題からは逸れますが、シンガポールという国は、一番冷静かつ客観的に、日本のことをwatchしている国の一つなんじゃないかなと思っています。シンガポールで仕事をしたことのある友達に聞くと、あの国は、「とにかく役人のアタマがいい」とのこと。どんなふうになってるのか、一度、実際に行って見てみたいなぁと思っているのですが、まだチャンスに恵まれていません。(最初の話とだいぶ違うところに着地しちゃいました。。)
Maxwell School, Syracuse, Feb. 22, 13:56

Saturday, February 21, 2009

How They Teach Environmental Economics?

春休みまで残り2週間。春学期の折返し地点を前に、中間テストや、assignmentの提出〆切が目白押しです。というわけで、今週末は本気で必死に勉強中。最近ジムもさぼり気味で、こりゃまた太るなぁ…なんて思いながらも、今まさに、ダンキンドーナツをかじってます。 むしゃむしゃ。
 
僕と同じかそれ以上に自習室の住人と化しているKorean (←たぶん(?)South) のY君から、「The Economics of Environmental Policyのクラスのassignmentについてsuggestionくんない?」とのhelp要請が。で、さっそく彼から手渡されたassignmentを読んでみると、これがなかなかおもしろい。2問ああるうちの一問を紹介すると、だいたいこんな感じ。

とあるNPO(←実在する団体)が、酪農経営者から牧草地の地役権を購入する、という活動を行っている(※ 特に言及されていませんが、おそらく、「牧草地は定期的に地力を回復する必要があり、市場に任せておくと、地力の回復を待ちきれない酪農経営者たちによるdevelopperへの売却が進んでしまう」という問題が背景にあるんだと思います)。彼らは、地役権を取得しようとする牧草地の、開発した場合の価値と開発しなかった場合の価値を評価し、その差額を地役権放棄の代償として酪農経営者(=土地所有者)に支払う。支払いに際しては、現金による支払いのほか、彼らが別の土地で独自に経営している牧草地の利用権を提供する"grassbanking"と呼ばれる方法も活用。これにより、牧草地の売却・開発に歯止めをかけようとしている。

この"grassbanking"というプログラムは、どのような「市場の失敗」の解決を目指しているのか?適切な解決策を提示していると言えるか?また、それは何故か?政府ではなく、NPOがこのような取組を行うことの長所・短所は何か?このNPOの取組は、他の地域でも実施可能と考えられるか、それとも、政府がより積極的に休閑地保全に乗り出すべきだと考えるか?

これを、「授業で習った経済理論に即しつつ、かといって、難しい専門用語の多用に走ることなく、実際の政策担当者に説明するつもりで紙2枚にまとめなさい」というのが課題。web上でも公開されていますので、ご興味ある方は一度覗いてみてください。(→こちら)   

「頭の体操」と言ってしまえばそれまでですが、よくよく読んでみると、ひとつのストーリーの中にいくつかの論点があり、その一つ一つの論点に対して複数の回答を提示しうる(=唯一絶対の回答はない)、という意味で、なかなか奥の深い問題だと思います。
 
よく言われる話ですが、経済理論を実際の政策に適用(apply)するためのトレーニングについては、アメリカの方が、日本よりも、かなり進んでいる気がします。日本は、人材を供給する側(高等教育機関)と需要する側(政策関連機関)の両方が変わっていかないといけないんでしょうね…。

Yahoo! Japan のトップページにも出ていましたが、クリントン政権時代にホワイトハウスで飼われていた猫のSocks君がお亡くなりになったそうです。御年20歳の大往生。彼の写真は、ホワイトハウスのwebサイトにも掲載されています。ご冥福をお祈りします。
Maxwell School, Syracuse, Feb 21, 18:05

Friday, February 20, 2009

What is Democracy ?

昨日の米加首脳会談でのoil sandを巡るやりとりが、knj79君のblogで詳しく紹介されています。ご関心の向きは、ぜひご一読を。
 
Maxwellでは、他大学の先生が遊びに来たりすると (←たぶん「遊びに」ではない)、お昼休みにピザを食べつつ講演を聞く、てな企画が催されます。今日は、北京のThe International Institue for Strategic Studies at the Central Party School (中国共産党中央党校国際戦略研究所? )のZhen Qian教授による"The NEW Model of China's Democracy" なる講演会が。無料のピザも振舞われるとのことでしたので、お腹を空かせて参加してきました。
 
会場に着くなり、まず参加者の多さに驚き。普段の講演会の倍以上の客入り。当然ながら、中国人留学生と東アジア留学生が多かったですが、アメリカ人や南米の学生も結構たくさん聴きに来ていて、中国に対する関心の高さがうかがえました。(日本企画をやっても、まずこんなには集まらないでしょうね。)
  
講演の中身はというと、北京オリンピックでの市民ボランティアの活躍や、Netizen(= Network Citizen)人口の拡大といった最近のトピックを取り上げながら、「中国では新しい形での民主主義が醸成されつつある」と総括するもの。僕的には、「最近よく聞く話だなぁ」というくらいの印象でしたが、講演終了後、アメリカ人のクラスメイト(←決して外交オンチなヤツではない)から、「中国共産党学校の教授がここまで突っ込んだ発言をするのには驚いたよ」と若干興奮気味に話しかけられて、こっちが若干驚いてしまいました。このくらいの話(といっては失礼ですが)でも、アメリカ人にとってはまだまだ新鮮なんだな、と。
  
このblogでもときどき書いていますが、環境協力の分野も含め、この国(アメリカ)の中国に対する関心が、日増しに高まってきているのは紛れもない事実だと思います。一方で、エリート層も含め、一般的なアメリカ人の間での中国理解度はまだまだ高くありません。そう考えると、米中の円滑なコミュニケーションの手助けをするという役割で、日本の存在価値を示せる余地があるんじゃないかという気がします。
 
ただ、そうは言ってみたものの、日本人がどれだけ中国のことを理解できているかというと、結構ナゾ。僕自身、「中国共産党がナニモノか言ってみろ」なんて言われたら、まともに返せる気がしません(もはや教科書的な意味での「共産党」ではない、ということくらいはわかりますが…)。というわけで、現代中国について勉強するというのがこの留学中の何番目かの目標だったりするんですが、うーん、そこまで、たどりつけるかどうか…。

今夜は久々の吹雪。運転、気を付けて帰ります。
Maxwell School, Syracuse, Feb. 20, 24:00

Thursday, February 19, 2009

The African Development Seminar

少し思うところがありまして、春学期終了後の5月中旬、MaxwellのD.C.分校で行われる"The African Development Seminar"を受講します。今晩は、そのコースの先生(普段はD.C.に在住)をSyracuseにお迎えし、3時間の準備セッションが行われました。

このコースを担当するのは、在ギニア大使などの経歴をお持ちのJoyce Leader先生。米国務省で、一貫してアフリカ畠を歩んでこられた、この道のエキスパート。今日初めてお会いしましたが、非常に聞き取りやすい英語で理路整然と話される初老の女性でした。「アフリカには未だたくさんの問題があるが、それらには唯一絶対の〈答え〉があるわけではない。したがってこのコースの目的は問題の〈答え〉を出すことではなく、少しでも多くの問題の〈扉〉を開き、今後の皆さんの活動をinspireすることだ」と言っておられたのが印象的です。
  
配られた暫定シラバスを見ると、この手の短期集中型コースの例に漏れず、かなりdemandingな予感がありありと漂っていますが、その分、intensiveな勉強ができそう。「アフリカ」や「development」は、これまでまともに勉強したことのない分野なので、このコースで、しっかり勉強しようと思っています。
    
Obama大統領が、就任後、初の外遊で隣国カナダを訪問。首脳会談の3つの主要議題の一つが、気候変動分野での技術協力(あとの二つは、経済危機とアフガン)。有体に言えば、カナダが豊富に保有するoil sand(←石油精製時に大量のCO2を排出しちゃいます)を今後も「使える」ようにするため、一緒にCCS(Carbon Capture & Storage)の研究を頑張りましょうというお話。最初はこれについて書こうかと思ったんですが、もうちょっとマニアックに攻めることに。
  
で、オタク的視点からピックアップしてみたのは、Syracuseの隣町、Rochesterの地方TV局が載せているG.M. Finances Impact Honeoye Falls, Rochesterという記事。GMが存亡の危機に立たされている (今週、政府に$16 billion(1.5兆円)の追加支援を要求。現在、Obamaのお返事待ち中) というニュースは日本でも大きく報じられているかと思いますが、それに伴う抜本的リストラの一環として、Rochester近郊Honeoye Fallsにある、GMの燃料電池研究所も、リストラを免れられないだろう、というのがその要旨。
  
2月13日のエントリーでも書きましたが、GMの燃料電池特許取得数(2002~2008年)は、Hondaに次いで2位。しかも、その上位2社が3位以下を大きく引き離していて、Fordとクライスラーに至っては10位までにもランクインしていません。

―出典: Heslin Rothenberg Farley & Mesiti P.C. (2009)―

これを見ると、温暖化対策の推進を唱えるObama政権にとっては、GMの燃料電池開発部門を「一私企業の問題」として、みすみす見殺しにしてしまうわけにもいかないと思うのですが、かといって、燃料電池だけを理由に、「救済」の判断を下せるような状況でもなく…。来週のObama政権がどう動くのか、特に、「救済しない」となった場合に、燃料電池開発部門をどう扱うのか、密かに注目しながら見てみたいと思います。

Maxwell, Syracuse, Feb 19, 22:36

Wednesday, February 18, 2009

Correlation between Gas Price and Hybrids Sales

“ホンダ「インサイト」、発売11日で早くも1万台” という、不況の最中のちょっとうれしいニュースに触発されて、ハイブリッド車関係のサイトをうろついてみました。いきついたのが、Green Car Congress というサイト。技術関連情報、統計情報、政策関連情報…どれをとっても非常に充実。誰のお金で運営されているのか気になるところです(笑)
  
そのサイト、毎月、ハイブリッドカーの全米新車販売統計を掲載しているんですが、その最新版が下のグラフ。販売台数(実数)のグラフも出ていますが、ここでは、全新車販売台数に占めるパーセンテージの方のグラフを載せてみました。

                
これだけ載せても面白くないので、Energy Information Administration のサイトから、regular gasolineの価格統計を拝借してきてグラフを作成。それが下のグラフ。monthlyのデータが見つからなかったので、weeklyのデータで代用しています (各月の最初の週のデータを使用)。

最初は回帰分析までやってみようかと思ってたんですが、一つ目のグラフの元データが見つからなかったのと、そこまで暇ではないということに遅まきながら気づいたので、ここで断念。昨日の中山功太じゃないですが、中途半端でスイマセン。

個人的には、相関がもっとはっきり出るかなぁと思ってたんですが、意外とハイブリッド車の数字は、自由きままに増減してるみたいで。ガソリン価格以外にどんな要因があるんでしょうか?連邦・州のtax creditはそんなに頻繁に増減しているとも思えないし…。特に去年5月以降の落ち込みが謎です。ガソリン価格はまだまだ上昇局面にあったはずですし、景気後退で説明するにもタイミング的にちょっと微妙…。
  
ところでアメリカのガソリン価格は、先月くらいに底を打ったらしく、1gallonあたり$2超の水準に戻っている州が多いとのこと(今朝のニュースでやってました)。そのことが、どのくらいハイブリッド車の売上げ増に貢献するのか、結局よくわかりませんが、アメリカでも4月上旬に発売されるらしいInsight君の奮闘を、一Hondaユーザーとして、今から期待して待ちたいと思います (残念ながら、僕には売上増に貢献できるだけの資力はありませんが)。
 
ちなみに下の図は、先月の車種別ハイブリッド車販売台数(同じくGreen Car Congressのサイトより)。プリウスは、前年同月比28.6%落ち込んだらしいですが、それでも、ハイブリッド車の中での地位は、まさに圧倒的。Insightがこの牙城にどこまで食い込めるか、見ものですね。
                           
補足情報その1: NY Timesが、2月12日に、インサイトの特集を組んでいます。記事はこちら。

補足情報その2: 今日ご紹介したGreen Car Congressのサイトに、昨日成立したStimulus Billの詳しい解説が出ています。低公害車関連部分だけではありますが、時間があればゆっくり見てみたいサイトです。

Maxwell School, Syracuse, Feb 18, 19:40

Tuesday, February 17, 2009

At the tone...,

最近、「bayaはただの環境オタクなんじゃないか」という疑惑が、SU周辺ではびこっているみたいなので、たまには、環境問題とまったく関係のないお話を書きます。
 
既に日本でも大きく報じられているかと思いますが、日本時間の昨晩、2009年のR1ぐらんぷりが東京・台場で開催されました。優勝は、吉本興業所属・大阪NSC出身の中山功太(28)。2007年冬頃をピークに、全体的なレベルの低下・大衆商品化が憂慮されて久しい我が国のお笑い業界でありますが、安易な「顔芸、物まね芸、インパクト芸etc.」に走らない、言葉の中身で勝負できる芸人が今年のR1を獲ったという事実は、この業界にとっても朗報なのではないかと思います。少なくとも、なだぎ武V2という、わけのわからん状況に終止符が打てて良かったなと。(←単にお前の好みだろと言われてしまえばそれまでですが。笑)
  
昨日のR1決勝での彼のネタは、まだ見れていないのですが、Yahoo! Japan によると、彼の代表作の一つである「時報ネタ」を披露したとのこと。「時報ネタ」も確かに有名ではありますが、中山功太と言えば、おそらく皆さんが最初に思い浮かべるのは「対義語ネタ」(「皆さん」って誰?)。しかし、ここで敢えて、「時報ネタ」を持ってきたのが、彼の勝因ではなかったかと。
  
「対義語ネタ」も、テロップをめくった瞬間にやってくる笑いには非常に心地良い「緊張の緩和」があるんですが、そのあとの彼の一言コメントがいかにも中途半端で、見ていると、えもいわれぬ残尿感に苛まれます…。「あれがいいんだ」とおっしゃる玄人筋のご意見もわからないではないですが、僕はまだその良さのわかる域には達していませんし、それに何より、中山功太本人にとっても、そんな、村上さん(決して春樹ではありません)みたいな位置に納まってしまうには、まだまだ若すぎると思います。
 
そういう意味では、言いっぱなし、コメントなしの「時報ネタ」を使ったのは、彼にとって、正解ではなかったかと。まぁ、単に去年のR1で「対義語ネタ」をやっちゃったので、今年は、他のネタをやらざるを得なかったというのが本音だと思うんですけどね(笑)
   
ちなみに、Yahoo! Japan の同記事によると、
ピン芸人日本一に輝いた中山さんは時報のネタを披露。「R-1のことだけ考えて6年間やってきんで。全然関係ないけどホットヨガに行きだしたんですよ」とギャグ混じりで喜びを語っていた。
とのこと。ほら、やっぱりこの人、コメントさせるとだめでしょ。。(←結局、言葉で勝負できてへんやん!!!)

というわけで、今日は環境問題と全く関係ないお話を書いてみました。これで少しは僕のオタク疑惑も晴れましたでしょうか??
Maxwell School, Syracuse, Feb 17, 17:30

Monday, February 16, 2009

C&T vs Tax, or NYT vs WP

今日のアメリカはPresidents' Day(大統領の日)。初代大統領G. Washingtonの誕生日にちなんだ祝日です。の、はずなんですが、うちの大学では朝から普通に授業が。秋学期は、逆にいろんな宗教の祭日が休みになったんですが…。この大学のカレンダーポリシーはよくわかりません(笑)。
 
Stimulus法案も明日の大統領署名を待つだけとなり、議論はすっかり沈静化。 "green stimulus" や "green New Deal" といった言葉を目にする機会も、すっかり減りました。ちなみに、今日の本題とは関係ないんですが、 "green New Deal" という言葉はアメリカでは、そもそもあんまり使われていません。マスコミは多少使っていたかもしれませんが、少なくともObama政権は、ほとんど使ってこなかったのではないかと思います。政治的に見て "bi-partisan" 的な言葉ではないですし(Democratsの大統領であるFDRを想起させるから)、経済学的にも(本家)New Dealの効果を疑問視する声が最近の経済学者の間では比較的強いので、意図的に避けていたのではないかと思います(勝手にそう思ってるだけで根拠はありません)。
 
ともあれ、Stimulusに代わって、最近は cap-and-trade(C&T) vs carbon tax を巡る論争が、この国でも盛りあがってきたという話は、このblogでも何度か書いてきたところ。今日は、この国を代表する二紙、New York Times(web) とWashington Postに、C&Tに関する記事が奇しくも同時に載りました。前者は賛成のトーン、後者は反対(炭素税を推奨)のトーンから。以下、それぞれの記事からの抜粋を(太字は僕)。
a prominent research company, New Carbon Finance, said its calculations showed that the largest cause of a reduction in emissions in the European Union last year was attributable to the trading system — because it had encouraged greater use of gas in power generation rather than dirtier fuels like coal. 【NYT web 2/16 9:09 AM】

Cap-and-trade regimes have advantages, notably the ability to set a limit on emissions and to integrate with other countries. But they are complex and vulnerable to lobbying and special pleading, and they do not guarantee success. 【WP 2/16 page A14 】

あんまり時間がないので、詳しくは、それぞれの記事をご覧くださいませ。

ちなみに、同じ日に、ではありませんが、日本のlostdecade当時のfiscal policyに関する考察記事も、両紙揃って掲載しています(WP(2/16)、NYT(2/5))。こっちについては、両紙とも言いたいことはほぼ同じのようで…(苦笑)
Maxwell School, Syracuse, Feb 16, 22:52

Sunday, February 15, 2009

China Is at the Heart of Clinton's First Trip

今日(15日)、クリントン国務長官が、就任後初の外遊となる東アジア歴訪に旅立ちます。今朝のWashington post紙も書いている通り、今回の歴訪の最重要目的地は中国(もちろん日本ではありません)。その中国との間でのメインの議題は、「北朝鮮問題」と「気候変動問題」になるだろうというのが大方のメディアの見方のようです。(下は、金曜日に行われたクリントン国務長官の会見の模様)



アメリカと中国が、気候変動分野での協力態勢に入りつつあるようだ、という話は2月6日のエントリーでも書きましたが、そのエントリーで紹介した"A Roadmap for US-China Cooperation on Energy and Climate Change"のcontributorの一人であるTodd Stern氏(京都議定書採択時の気候変動問題担当大統領補佐官)が、気候変動問題特使として今回の外遊に同行するとのこと。また、たまたまかもしれませんが(そんなわけはないか)、金曜日のクリントン会見が行われたのは、DCの国務省内ではなく、NYにあるAsia Society(←上記"Roadmap"の共同事務局の一つ)のオフィス。このあたりの状況証拠からしても、今回の外遊では、気候変動分野での米中協力に関する相当強いメッセージが打ち出されるんじゃないかという気がします。

12日付の英紙Guardian Weeklyの記事によると、先週、Brookings研究所でのフォーラムで、周文重在DC中国大使は、"Co-operation between our two countries... will enable China to respond to energy and climate change issues more effectively while at the same time offering enormous business opportunities and considerable return to American investors" と語ったとのこと。
 
この発言を見ると、アメリカ側が作成した"Roadmap"については、中国側も好感触を抱いており(或いは既に内々合意済み??)、単なるアメリカ側の青写真ではなさそうです。ここで注目したいのは、周大使の"offering enormous business opportunities and considerable return to American investors"(気候変動問題分野での米中協力は、大きなビジネスチャンスとアメリカ人投資家への多大なリターンをもたらす)との発言。
 
僕が理解する限り、新エネ・省エネ投資は、それ自体では、今の市場で評価されうる形での富は産み出しません。ゼロというのは言い過ぎかもしれませんが、投資効率が他の投資機会に比べて悪いということは少なくとも言えるでしょう(そうでなければ、政府が後押ししなくても民間ベースでの自発的な投資がバンバン行われているはずです)。その投資効率の差分を誰かが補わないといけないわけですが、中国又は米国政府が単純に国庫で賄うとも思えず、となると、一番現実味のある方法は、投資プロジェクトをCDM化した上で、そのCERsの売却益で補うという方法ではないかと。そうなると最終的な出資者は、carbon-intensiveな先進国で、carbon-intensiveな御商売をやっておられる方々ということになるわけですが、その代表格は、アメリカの石油産業、石炭産業、電力業界。一見、アメリカが痛むようにも見えますが、ハイテク産業や新エネ・省エネ産業を有力な支持母体とするObama政権(←by NYtimes)にしてみれば、「政敵」の力を削ぐことができるので、それはそれでOK…??
 
こう考えると、Obama政権は、いろんな条件を付けるにせよ、ポスト京都の議定書の成立に向けて、積極的にcommitするだろうし、「中国での投資機会拡大」という、米経済界へのニンジンをぶら下げてあげることで、議会の支持も得られるんじゃないかと思うんですが… knjさん、どうでしょう?希望的観測入り過ぎ???
my home, Syracuse, Feb 15, 10:11

Saturday, February 14, 2009

Another Good Point of "Current" Maxwell

おとといのエントリー"Good and Bad Points of Maxwell"の続き(?)です。
  
毎年、そうなのかどうかはわかりませんが、少なくとも今年、この大学院に在籍していて良かったなと思うもう一つのポイントは、他の日本人の方から受ける知的刺激のレベルが非常に高いということ。いちおう「経済」を専門とする(はずの)職種で今の組織に入っていながら、自分がいかに経済学をちゃんと理解していなかったかということを、恥ずかしながら、日々、思い知らされています…。
  
ここで、自分の不学を棚に上げつつ(←えー、スイマセン。)、問題だと感じる点は、就職してからの6年半、他の能力はともかくとして、経済学の分野で、能力不足を痛感させられたことがほとんどなかったということ。より正確に言えば、経済学の分野では、能力を「問われた」ことすらあまりなかったのかも知れません。
 
もちろん、自分がたまたまそういう部署ばかりを歩んできたからかも知れませんし、或いは、それと気づけなかっただけで、本当はより高度な経済学の知識を持っていれば、その知識を具現化できるチャンスはあったのかも知れません。
  
ただ、いずれにせよ、自分の経済学の力に関して、「このままではヤバい」と思わされる機会が、これまでになかったのは事実(それ以外の分野では何度もありました)。その事実だけをもってしても(引き続き自分の不出来を棚に上げますが)、うちの組織ってちょっと「ヤバい」かもと思うわけであります。 
  
残り一年半の留学中、まずは「よっこらしょ」と頭の上の棚からおろしてきた我が不学を補うことが第一ですが、その先に、多少なりとも改善されるであろう経済学の知識を、うちの組織の中で、具体的にどう活かしていくのか、ということも考えないといけないなぁと思っております。

すっごい内輪ネタでスイマセン。
my home, Syracuse, Feb 14, 23:19

Friday, February 13, 2009

Good & Bad Surprise on Renewable Energy Industry

"Economics of Science & Technology"の期末課題でありますリサーチペーパーのお題を探して、論文の森の中を探検中。いや、この程度で「森」なんて言ってたら怒られますね。せいぜい「林」レベルです、はい。
 
まだ林の中をさまよい始めたところで、着地点はまったく見えていませんが、方向としては、新エネ関係にもっていくつもりで、今日は、「風力発電」と「燃料電池」の林を探索。世界の風力発電市場での、日本企業のやられっぷり(というか、プレイヤーとしてそもそも認知されていない??)と、米国での燃料電池関係特許取得数に占める日本企業(特にHonda!!)の圧倒的なシェアの高さを知って、正直、驚いていました。

風力発電について: Lewis(2007) によると、Vetas(丁)、Gamesa(西)、GE(米)、Erecon(独)の4社で世界シェアの75%を供給(2006年現在)。また、同論文から読み取る限り、日本企業は、少なくとも上位8社までには入っていません。また、Merill Lynch(2007) は、風力発電施設業界の性質を分析した上で、既存の大手メーカーが新規参入リスクを考慮する必要はほとんどないと結論付けています。)
  
燃料電池について: Cardona(2008) によると、2002年から2008年までの米国特許取得数(燃料電池関係)の1位はホンダの289件(2008年単年度でも首位)で、GM(245件)が2位。UTC(168件)、Ballard(163件)と燃料電池専門メーカーが3位、4位に続いたあと、日産(107件)、トヨタ(101件)が続いてランクイン。また、パナソニック(82件)が8位にランクインし、上位10社のうち4社が日本企業。

  
さて、リサーチペーパーはどんな感じでまとめたもんやら…。いまだ五里霧中です。
my home, Syracuse, Feb 13, 24:40

Thursday, February 12, 2009

Good and Bad Points of Maxwell

アメリカの公共政策系大学院への留学を考えておられる日本人の方(Oさん)が、学校見学にいらっしゃいました。というわけで、僕と、他の日本人学生3人と、Oさんとでランチをご一緒することに。在学生4人で、Maxwellの良いところ・悪いところを、気の向くままにくっちゃべってきました。(お役に立ってるといいんですが…。)
  
このブログをご覧になられている方で、留学を考えていらっしゃる方が、どのくらいおられるのかわかりませんが、せっかくなので忘れないうちにメモしておきます。
  • MPAコースはintensive。一年間で効率よく勉強できる。[++]
  • 街中で遊べるところが皆無。[-/勉強に集中できるという意味では+かも]
  • 街の外に出ても、日帰りで気晴らしできるところがほぼゼロ。[-]
  • 豪雪地帯。[--]
  • 学内での公共政策スクールの地位が高い。[+] ←so what? という声も(笑)
  • fucultyの数が比較的少ない→授業の幅が比較的狭い(特に選択科目で実感)。[-]
  • とはいえ、行政管理系は強い(たぶん、開校以来の伝統)。[+]
  • 日本人が比較的少ないので英語の上達には良い環境。[+] (のはずなんだけど…。)
  • 社会経験のある学生は意外と少ない。[-] ←どこの大学院でもわりとそんな感じらしい
  • その割にMPAの学生は落ち着いている。[+] ←IRの学生はそうでもない(苦笑)
  • 卒論がない。[+or-?]
  • 図書館が比較的ショボイ(らしい。僕はまだそれを実感できるレベルに達してません。)[-]
  • 米政府内でのalmniネットワークは相当強いらしいが、国際機関系で強いかどうかは不明。[ ? ]

だいたい、こんな感じですかね。最後、Oさんから「ここだけは許せないという点はありますか?」と聞かれて、うーーーんとマジメに考えてみたんですが、結局、何も出てこなかったので、まぁそれなりに幸せな生活を送れてるんだなぁと、改めて実感した次第であります。

今日はこんなところで。お役に立ちましたでしょうか??

Maxwell School, Syracuse, Feb 12, 22:16

Prof. Mankiw gets a crush on Carbon Tax

Greg Mankiw――ハーバード大経済学部の教授にして、世界的ベストセラーとなったマクロ経済学教科書の著者。やたらといろんな人が読んでいる人気ブログの著者でもあります(全米ブログランキングで97位にランクインしたらしい。)。
  
この御仁が最近熱をあげていらっしゃるのが、「ガソリン税」。2月5日の「My Preferred Fiscal Stimulus」と題したエントリーでは、以下の通り、Mankiw流の景気刺激策をご開陳。
I would institute an immediate and permanent reduction in the payroll tax, financed by a gradual, permanent, and substantial increase in the gasoline tax. I would make the two tax changes equal in present value, so while the package results in a short-run budget deficit, there is no long-term budget impact. Call it the create-jobs, save-the-environment, reduce-traffic-congestion, budget-neutral tax shift.
つまり、賃金税(賃金支払いの総額を課税標準として雇用者が支払う税)の恒久減税と、ガソリン税の漸増的増税を、現在価値で見て税制中立になるようにやりなさい、というのがその主張。「いいけど、ぜんぜん現実性ねーじゃん」という批判に対しては、Milton Friedmanのこんな言葉を引いて反撃してらっしゃいます(2月10日)。
The role of the economist in discussions of public policy seems to me to be to prescribe what should be done in light of what can be done, politics aside, and not to predict what is "politically feasible" and then to recommend it.
正論ですね。そのMankiwさん、今日のエントリーでは、イリノイ州議会のガソリン税増税に向けた動きのニュースを紹介しつつ、タイトルは、"Good News for the Pigou Club"。これを見て僕が抱いた感想は、「Pigou Clubってなんか可愛いかも…」。どうでもいいですね(笑)
 
ちなみに「Pigou Club」のPigouさんは、19~20世紀のイギリスの経済学者。外部不経済の分だけ課税することで社会全体の厚生(welfare)の最大化が達成される、という「ピグー税」を提唱した人として、環境系経済学徒の間ではメチャメチャ有名人です。そのピグーさん自身が、ケインズの向こうを張ったゴリゴリの古典派経済学者。つまり、経済学的自由主義と環境保護派は、別に矛盾するわけではないんですよね、論理的には。というわけで、多くのRepublicanさんが環境対策に反対するのは、主義主張の問題ではなくて、単に支持母体が誰かという問題なんじゃないだろうかと思ってみた夜でした。
my home, Syracuse, Feb 11, 25:23

Tuesday, February 10, 2009

What is "management" by governments

Exxonが炭素税支持を表明――という話は、先月11日のエントリーでも書きましたが、Exxonの上席副社長(a senior vice president)がよくわからないことを言っています。CNN Money.comより。Michael Dolan副社長 曰く、
  • 政府は、微細管理したいという衝動に抗わなければならない。(Michael Dolan, a senior vice president at Exxon, said that governments need to "resist the urge to micromanage.")
  • キャップアンドトレードだと、価格が変動する(With cap and trade, "the cost floats," Dolan said)
  • 炭素税の税率は政治家が決めればいい。(When asked how much the tax should be, Dolan said that should be left up to the policy makers.)

とのこと。

原理的には、キャップアンドトレードは「市場にお任せ」の制度。政府による"micromanage"の対極にあります。とはいえ、あくまでそれは「原理」の上でのお話であって、いざ実際に導入とするとなると、最初の「キャップ」の分配や、排出量の算定のところで、いろいろと面倒くさい話があるのも事実。そこを突くならわかりますが、「キャップアンドトレード=governments' micromanage」という漠然とした理解は、ズレていると言わざるを得ません。

また、基本的に、「政府は市場に介入するな」という発想をお持ちのようですし、そのこと自体、別に悪いことでも何でもないんですが、だとすると、「価格が変動する」のは市場経済の道理。価格が変動しつつもそのプロセスの中で、「適正な資源配分」が実現するというのがミクロ経済の基本原理のはずです。更には、「炭素税の税率は政治家が決めればいい」とも。その方が、政府の介入レベルはよっぽど強いと思うんですけど…。

まぁ揚げ足を取ってても仕方ないんですが、マジメな話、彼らが税を推す真意がどこにあるのかは気になる所。「議論をかく乱して(キャップアンドトレードと炭素税の)共倒れを狙っている」という噂にもそれなりに信ぴょう性はあると思いますが、単にそれだけで発言しているとも思えず、「最悪、導入されるとしても炭素税の方がまし」という算段がかれらにはあるんだろうなぁと思います。うーん、なんなんだろ??

ちなみに、BPのChief Executiveは、同じ会議の席上で、キャップアンドトレードへの支持を表明しています。経済界にも広がってきたキャップアンドトレードをめぐる議論の今後に注目です。(実はBPの発言も業界ぐるみのかく乱作戦の一環だったりして??)

Maxwell School, Syracuse, Feb 10, 21:14

【追記】NY timesの11日付の記事に、この会議の話がより詳しく載っています。その記事で紹介されていた、Royal Dutch Shell のchief executiveの発言は以下の通り。これが正論だと思うんですけど…。

A cap-and-trade system establishes a clear environmental goal by setting an upper limit on emissions, something a carbon tax does not necessarily do, he said. Meanwhile, the possibility of trading carbon permits provides companies with an economic incentive to invest in technologies that reduce emissions. He said that a cap-and-trade system had worked well in the United States for cutting the emissions that cause acid rain.

But he added that higher fuel taxes largely explain why European vehicles are far more efficient than American ones.

“Both can work, and even coexist,” he said. “They both price CO2,” or carbon dioxide.

Technology’s Fingerprints on the Stimulus Bill

NY timesに"Technology’s Fingerprints on the Stimulus Bill"(技術屋の指紋の残る景気刺激法案)というタイトルの記事が出ていました。やや皮肉ったタイトルですが、中身はどちらかというと政権に好意的。Stimulus Billの中の"green stimulus"にあたる部分が、如何に綿密に準備されてきたかが書かれています。記事によると、法案の準備が始まったのは大統領選真っ只中の昨年9月。金融危機が深刻化し、景気刺激策が必要との見通しが明らかになった時点で作業が開始されたとのこと。立案の初期段階から、代替エネルギー業界、ハイテク業界には参画を求め、政権移行チームと一緒に中身を詰めてきたそうです。
  
おとといのブログに書いた「支出の規模が適正か否か」という議論はいったん脇に置いておくとして、支出の中身について考えるならば、やっぱりこれくらい関係業界も巻き込んだ準備をしないと、本当に効果的な予算にはならないだろうと思います。政治がいかにイニシアティブを取るかという点と、透明性をいかに確保するかという点が重要ですが。  
  
もうひとつ、環境・財政ネタを。Dallas Morning Newsのサイトに、プラグイン・ハイブリッドカーの記事が出ていました。Rick Perryというテキサス州知事(もちろんRepublican!)が、「プラグインの購入者に$5,000の州補助金を支給しまっせ」との案を先月末に出したらしく、それを受けての記事。なんでテキサスがいきなり環境にやる気を出してるのか、そこんとこの理由は僕にもよくわかりませんが…(笑)

この記事がなかなかよくできていて、プラグインの環境性能(どのくらいCO2の排出を削減できるか)と経済性(燃費まで考えたときにどのくらいお得or損か)を、かなり真剣に分析してくれています。(左図)
  
たとえば、本体価格でみると、Ford F150 pickup(いまアメリカで一番売れている車)が$2.1万、プリウスが$2.2.万に対し、Volt(GMが発売予定のプラグイン車)は$4.0万と2倍弱。ただし、そこから連邦と州の減税分がそれぞれ引かれて結果、$2.7に。また、10万mile(16万km)走った時の本体価格+燃料費で比較すると、ガソリン使用の有無にかかわらずVoltの方がF150よりも安いという結果が出ています(ちなみに、40mile=64kmまでならガソリンを使わずに一回の充電で走れるそうです。)
  
一方、CO2排出量については、当然ながら、燃料の電気を何で発電するかによって全然違ってくるわけですが、記事によると、州内で売られる新車の20%がプラグインになった場合、仮に電力会社が石炭などのcarbon-heavyな燃料を使い続けたとしても、年間1.63億t-CO2の排出削減効果があるとのこと。
 
とまぁ、こんな感じの情報がさらりと出ていて、計算の前提なんかもかなりきちんと書かれているので、ご興味のある方は上のリンクから飛んで行って読んでみてください。
  
それにしても、地方紙がここまでしっかりした分析記事を書けるというのはアメリカのすごいところですね。ただ、「誰が読んでるんだ??」という気もしますが…(←あんまり人のこと言えない!?)
my home, Syracuse, Feb 9, 26:25

Sunday, February 8, 2009

Spring has come??

今週末は、穏やかな天気が続きました。この時間(22:00)になっても外は-2℃。Maxwellの中庭では、2か月ぶりくらいに芝生も顔を出していました。2か月間も雪の下にずっといて枯れずに生き残っているなんて、考えてみたら結構スゴイと思う。。

とはいえ、結局今日も、朝から夜まで自習室で読書。読書の内容自体は基本的に面白いんですが、reading漬けの生活に最近ちょっと疲れ気味。今日は(いつも以上に)英語が頭に入らず、ちょっとイライラ。そろそろ気分転換が必要なのかもしれません。

最近ニュース(主にネット)を見ていて思うんですが、この国の報道は、良くも悪くも大統領に集中しているなぁ、と。まぁ、いまさら気づいたの?って話ですが(笑) そりゃ日本でも、総理大臣の報道が一番多いに決まってるんですが、トップへの集中ぶりは、アメリカの方が極端だと思います。この週末もニュースを見ていると(といってもネットですが)、トップにくるのは、だいたいいつもstimulus package。週末は議会も閉じているので、たいして大きな動きはないんですけどね。
  
一方で、ミュンヘン安保会議のニュースは低調。これに関しては日本のメディアの方が積極的に報じているくらい。いちおう、Biden副大統領が行ってるんですけどね…。これがクリントンだったら、また事情は違ってくるのかな。

というわけで、そのミュンヘン会議で、カルザイ大統領がタリバンとの協調の可能性を示唆した、というニュースもアメリカではさして大きく報じられず。いちおう、NYtimesに書かれてはいましたが、見出しでは触れず、本文で軽く触れるのみ。個人的には、結構大きなニュースだと思うんですけど。ちなみに日経新聞は見出しで大きく取り上げていましたが、なんか記事のトーンが楽観的すぎる気が…。簡単に「和解」できるほど単純な状況ではないですもんね。
my home, Syracuse, Feb 8, 22:15

Saturday, February 7, 2009

Libertarian ideas to stimulate economy

Mankiwのblogで紹介されていた、Libertarian ideas to stimulate economyというCNN Policitc.comの記事を読んでみました。Jeffrey A. Mironというハーバード経済学部の先生の書いた論評記事。タイトルが示す通り、Miron教授は、Libertarianを代表するエコノミスト。

記事の内容を一言でいえば、「お金バラマくより、法人税減税やりなさい」。短期的な景気刺激と長期的な効率性の向上を両立できるのは法人税減税だ、というのがその理由。この辺は、いかにもLibertarian。

環境屋(??)的に目を引かれたのは、各論の一番最初に出てくるCarbon Taxesへの支持表明。言ってることは単純で、「複雑でわけのわからんgreen spendingをやって財政赤字ため込むよりも、炭素税導入する方がなんぼか効果的。(The effective way to accomplish this is higher gasoline or other carbon taxes, not the messy, complicated green spending in the Obama plan that will morph into pork in many cases. If higher carbon taxes are combined with lower marginal tax rates, the private sector faces better incentives on both counts. This approach avoids the higher deficits implied by Obama's green initiatives.)」というもの。

最近、この手の(特に環境派とは目されていない)エコノミストによる炭素税支持表明が、アメリカのメディアにも、しばしば載るようになってきた気がします。議論のフェイズが、「温暖化対策は必要か否か」から、「どのような温暖化対策が効率的・効果的か」に移りつつあるのは確かかと。

Miron教授はこう言っているものの、"green stimulus"(Miron教授に言わせれば"green spending")が景気刺激法案の一部として成立するのは、もう時間の問題でしょう――その善し悪しは別にして――。その次に起こるであろう議論は、おそらくcarbon taxes vs cap-and-trade。 最近の新聞・blogなどを見ていると、これまで環境とかかわりの薄かったエコノミストの間では、前者(税)がやや優勢かと。その背景には、「社会システムはシンプルであるに越したことはない」という経済学の基本思想(+複雑化した金融システムがリスクの増幅を助長したサブプライム危機のトラウマ)があるんじゃないかと思っています。一方、環境派に近い人たちの間では、これまでの経緯もあってか、cap-and-tradeの方が優勢のような気がします。(あくまでイメージです。統計的に調べたわけじゃありません。)

今日は何と最高気温6℃!!! 春です♪
my home, Syracuse, Feb 7, 12:03

Friday, February 6, 2009

U.S. - China Cooperation Against Climate Change

昨日「書きます」と予告していたネタを書きます。たぶん長くなるのでご覚悟を。元ネタは2月4日付のNYtimes web版記事"Experts in U.S. and China See a Chance for Cooperation Against Climate Change"。

きっと長くなるので、与太話は挟まずにさっそく中身に入りますが、同記事曰く、今後の米中関係では、これまでの4大問題(貿易、北朝鮮、人権、台湾)に加え、「気候変動問題」がトップイシューの一つに加わるであろう旨、米中両国の高官が予測しているとのこと。そのことを裏付けるのが、昨日(5日)発表のレポート“A Roadmap for U.S.-China Cooperation on Energy and Climate Change”。Asia SocietyとPew Centerが共同で取りまとめたこのレポートに関して、両機関は、「ホワイトハウスで重用されることになるだろう」と示唆している(The origins of the report indicate that it could carry weight in the White House. )そうです。

"Roadmap"の関係者リストを見ると、リベラル系大御所の名前がずらり。まず、chairはObama政権のアフガン・パキスタン問題特別代表を務めるHolbrooke氏。Wikipediaによると、アメリカのトップ外交官の一人で、国連大使や国務省次官(アジア担当次官とヨーロッパ担当次官の両方を務めたのはアメリカ史上この人だけ)を歴任したのち、先の選挙ではClinton候補の外交問題顧問を務めた人物。その輝かしい外交経歴もさることながら、ObamaとClintonをつなぐ人物という意味でも、Obama政権の外交を支えるキーパーソンと言えるでしょう。
 
Co-Chairsには、Steven ChuとJohn Thorntonの名前が。Dr. Chuは言わずもがなのDoE長官ですが、もう一人のThorntonさんも、調べてみたらかなりの大御所。今は清華大学教授におさまっていますが、当初は在北京大使という噂もあった人物。米リベラル系最大のシンクタンク、Brookings Instituteの現役Chairman of the Boardでもいらしゃいます。

他にも、Senior AdvisorsにKissingerや、Wal-MartのCEOの名前があったり、ContributorsにHoldren(大統領府科学技術局長官)や、BerkleyのKammenさんの名前があったり、とにかくまぁすごいです。少なくとも民主党サイドの関係者の間では、相当の根回しが済んでるんじゃないかという気がします。

さて、肝心のロードマップの中身はといいますと、だいたいこんな感じ;
  1. 大統領レベルでの会合(presidential summit)
    政権成立後、可及的速やかにトップどうしの会談を実施し、“U.S.-China Partnership on Energy and Climate Change”を取りまとめる。⇒ joint-actionの大まかなプランについて大統領レベルで合意し、その後は、2、3の各会合をパラレルに走らせる。
  2. U.S.-China high-level council
    米中の環境、エネルギー、財政(!!)各分野の高官で以て構成し、定期的に開催。パートナーシップの進捗状況を確認しあうだけでなく、その他の両国共通の懸念事項(具体例は、ongoing multilateral negotiations)についても、この場で協議。
  3. Bilateral Task Forces
    5つの"priority areas"(下記)ごとにタスクフォースを立ち上げ。メンバー構成は、senior government officials と independent experts。
  • Deploying Low-Emissions Coal Technologies (石炭)
  • Improving Energy Efficiency and Conservation (省エネ)
  • Developing an Advanced Electric Grid (送電網)
  • Promoting Renewable Energy (再生可能エネルギー)
  • Quantifying Emissions and Financing Low-Carbon Technologies (排出量の定量的把握とて、低炭素技術へのファイナンシング) 

さて、この政策案をどう見るか。気候変動問題を考える上で、中国への対応が大事だから、というのは紛れもない事実なんですが、その理由だけでここまで大掛かりな政策が動かないだろうというのも事実。要は、アメリカが、この政策を進めることで、どんな得をするかという点が大事なわけです。実際、アメリカは、この政策で何を狙っているのか――。僕なりに、4つくらい考えてみました。

  1. 資源争奪戦の緩和
    アメリカにとっても既に十分な脅威となっている中国の資源爆食問題。これを緩和するためのオプションは、簡単に言えば二つしかなくて、①中国をつぶす(或いは、つぶさないまでも経済発展を抑え込む)か、②ダイエットを手伝ってあげる のどちらか。ただ、中国の圧倒的人口増加と、緊張高まる米ロ関係を考えれば、①のオプションははっきり言って非現実的。というわけで、どうせだったら、中途半端じゃなく、マジで②を追求しようという思惑があるのでは。
  2. 多国間交渉での連携
    米中とも、post-Kyotoを「ガン無視」するのは厳しい状況。特にObamaにとっては、それをやっちゃうと、前政権を批判することで勝ち得てきた国内世論の支持を、一気に失うことにも。両国とも、国際的なpost-Kyotoの議論に参加せざるを得ない以上、排出量1位2位の巨大排出国どうしで共同戦線を張った方がお得、という至極まっとうな計算が働いたのではないか。世界の温室効果ガス排出量の4割以上を占める両国が手を組めば、ほかの国が、米中の反対する議題を会議で押し通すなんて、ほぼ不可能…。(やってもいいけど、得にならない。)
  3. 技術の流用(シナジー効果)
    単に排出量が(アホみたいに)多いというだけでなく、「石炭依存型」「長大な送電網」という点で、エネルギー構造も実は似ている両国。ということは、いま、アメリカが開発・普及に取り組んでいるclean-coal技術(CCSを含む)やsmart-grid技術が緒につけば、今度は中国に持ってって、それを応用できるということ。つまり、アメリカ国内だけでやるよりも、格段に大きいスケールメリットの恩恵を受けられる、というアメリカ産業界にとってはおいしいお話。
  4. 投資先の確保
    言うまでもなく、世の中、金融危機の嵐ですが、「95年から現在までに増えた金融資産が100兆ドル残ってい」て、次なる投資先を探しているはずだ、というのが、『金融大崩壊』で書かれてあった水野和夫氏のご意見。これを前提に考えると、次なる投資の受け皿として、「中国のエネルギーインフラ」なるお皿をしつらえることを考えてるんじゃないかと。

最後の「投資先の確保」に関しては、"Roadmap"のp.43あたりに、気になる記述がありますので、ちょっと長いですが、そのまま引用してみます。

Currently, the vast majority of investment in the energy and other sectors relevant to climate change mitigation (86 percent) comes from the private sector. Overseas Development Assistance (ODA) funds make up less than one percent of investment globally. In generating the additional financial flows needed, the central challenge will be to mobilize modest amounts of public funds to best leverage much larger sums of private capital for investment in a low-carbon energy infrastructure.
There are several examples of financial mechanisms that use public finance from developed countries to support climate change mitigation in developing countries, many that specifically target leveraging private investments.

要は、「気候変動対策のための投資の大半は、民間資金を使って行われているが、その民間投資をいっそう喚起するためには、先進国政府による公的な資金の投入が必要だ」という主張。これを見て思い出したのは、「先進国は、途上国の温暖化対策のためにもっと資金を投じるべきだ」と謳った、昨秋の中国政府の主張。

かなり乱暴な推論ではありますが、「アメリカがこの主張に悪乗りする→先進国政府(てか、要は日本??)が「呼び水」資金を拠出する→投資熱が盛り上がってきたところでアメリカの民間資本登場→中国発、エネルギーインフラバブル到来!!」なんて道筋もなくはないんじゃないかと思ってみたり…。まぁ、それはそれで温暖化対策は進むし、いいんじゃん?という考え方もありますが。(え、ない?)

書き始めたらキリがないんですがこの"Roadmap"、知的財産についての記述も結構面白いというか、きな臭いというか、なんというか要するに気になる感じ。またちょっと暇を見つけて、その辺も書きたいと思います。(はぁ、お腹すいた。)

Maxwell School, Syracuse, Feb 6, 19:15

My First Movie in US

アカデミー9部門nominatedの話題作"Slumdog Millionaire"を観てきました。何気に、アメリカ来てから映画を観に行くのは今日が初めてだったんですが。
  
舞台はムンバイ。スラム街出身の青年が、クイズ“ミリオネア”(そうです、あの“ミリオネア”です)で、final stage直前まで正解を重ねていく。そんなはずがないと考えた司会者(インド版みのもんた!!)は、cheatingの疑いで彼の身柄を警察へ。真相はcheatか、luckか、彼の秘めたる才能か、それとも…。
  
平日の夜とはいえ、観客が僕ら含めわずか8人だったので、始まる前はちょっと心配でしたが、いざ始まってみると、手に汗握る場面もあり、十分楽しませてもらえました。帰ってきてから知りましたが、監督は“トレスポ”のダニー=ボイル。言われてみれば、確かに画面の切り取り方なんか、トレスポに通じるところがあったかも。スピード感がありエッジも利いてて、僕的には好きな感じの映像でした。
  
個人的には、3年前に旅行したインドの風景がいっぱい出てくるところも、懐かしくて◎ 映画にも登場するタージマハル対岸のスラム街で出会った子供たち(左の写真)や、とある観光地で写真を撮ろうとしたらすかさず画面に飛び込んできてポーズを決めてくれた子供たち(右の写真。もちろん、このあと、お金をせびられました。汗)を思い出してみたり。彼ら、今頃どうしてんのかなぁ…。
  
ただ、「インドの子供たちの現状は云々…」と考えるための映画ではないと思います。あくまで娯楽映画と割り切って観るべき作品かと。あ、あと、関西人がよくやる「そんなうまいこといかへんでぇー」的ツッコミもNG。あくまでフィクションですからね(笑) ぜひ、インド版みのもんたの、本家とのキャラかぶりっぷりを楽しんでみてください。



NYtimes web版に2/4付で出ていた"Experts in U.S. and China See a Chance for Cooperation Against Climate Change"という記事がなかなか面白いんですが、ちょっと長くなりそうなので、明日、書くことにします。一言で言うと、「アメリカは温暖化対策の分野で、中国と本気で手を組もうとしている」というもの。詳しくは明日。
my home, Syracuse, Feb 5, 25:17

Wednesday, February 4, 2009

Brain Eng. ver

最近、0℃前後の穏やかな日が続いてたんですが、ここにきて寒さが復活。現在の気温、-14℃。うひゃっ。

久々に英語の話題を。グループワークも一つ二つあり、単に授業を聞いてるだけでは許されなくなってきた今学期。秋学期に比べれば(たぶん)それなりに英語力も向上したとはいえ、ネイティブと議論していると、圧倒的な力不足を感じます。

授業を聞いたり、ノンネイティブと会話をしたり、というところまでならそうでもないんですが、ネイティブとまともに議論するためには、そもそもアタマの使い方を変えないといけないんじゃないかという気が。すごく直感的な話なんで、養老孟司や茂木健一郎に言ったら「アホか」と言われて終わりかもしれませんが、なんていうかその、脳ミソのOSからして変えないといけないんじゃないかという気がするわけです。

何か物事を考えるとき、それがある程度以上、複雑な内容であれば、その思考は、不可避的に特定の言語に縛られます。たとえば、僕が今から1時間後に「明日は9時半から授業があるから目覚まし時計を7時半にセットしよう」と考えるとしましょう。もちろん、声には出さず、頭の中でそう考えるわけですが、その処理は、日本語という言語ツールを使って行われるはずです。ちょっとやってみてもらえるとわかっていただけると思いますが、一見簡単そうに見えても、上の一文の内容を、言語を使わずに処理するのはたぶん不可能だと思います。

じゃぁどこまでなら言語を使わずに処理できるのか。たとえば「腹減った」はどうか。もちろん、「腹が減る」こと自体に言語は必要ありません。胃がホルモンだか何だかを分泌して勝手にやってくれます。ただ、多くの場合、僕らは「腹が減った」という胃からのサインをフィジカルに感じたら、それを「腹が減った」という言語でもって追認する、という処理を無意識のうちにやっている気がするのです。声には出さないまでも。(声に出しちゃう人もときどき見かけますが。笑)そしてそのときの言語は、「I'm hungry」ではなくて「腹減ったぁ」のはずです。

そうやって掘り下げていくと、本人は「言葉」として認識していないほどにプリミティブな感覚・感情――たとえば、勉強の途中に窓の外を見て、思うともなく何となく「明るいな」と思ってみる、みたいなの――も、普通にしていれば、僕らは「日本語」でもって処理しているんじゃないかと。

こうなってくると、「日本語」というのは、頭の中のアプリケーションソフトにのっかってるというよりも、OS自体にのっかってると言った方がいいんじゃないかという気がしてくる。言い方を変えれば、本人は言葉を使っていると自覚していないような些細な処理でさえ、実際には非明示的・非自覚的に日本語が使われているということ。そしてその状態で英語を読んだり聞いたり喋ったりしようとすると、日本語のOSでもって英語を処理するという、非効率極まりない作業の仕方をしていることになり、そこにはおのずから限界があるのではないかと…。

で、対処法は??? もちろん、頭の中に英語のOSを作るしかないですよね。つまり、無意識で歩いてるときに石コロに躓いたら、「おっと」ではなく「Oops!!」と言える状態を作らないといけないわけです(←それはちょっと違う気も…)。でもって、そうする上で何が難しいかというと、実は、いかに英語OSを立ち上げるかよりむしろ、いかに日本語OSを寝かせるか、だったりする。日本語OSはどうやったら寝てくれるか。呑んだら寝てくれる、ということは実証的に証明されてるんですが(笑)、毎日呑んでから学校に来るわけにもいかないので、シラフでも日本語OSのスイッチを自律的に落とせるようにせんならん。そのためには、普段から、英語OSを使う癖をつけんといかんねやろうなぁ…と思ってみた一日でした。

I'm gonna leave to house now and go to bed after setting the alarm on 7:30!!(←さっそく英語で処理してみた!)
Maxwell School, Syracuse, Feb. 4, 24:44

Tuesday, February 3, 2009

Detail of the Green Stimulus

先月28日に下院を通ったいわゆる景気刺激法案(正式名称:American Recovery and Reinvestment Act of 2009)。なんとなく気が向いたので、エネルギー・環境関連部分について、ちょっと詳しく調べてみました。(決してド暇なわけではありません!?)

まずは、概要から。CBO(Congressional Budget Office)のサイトに出ていた23ページもののサマリーによると、"Energy and Water"に振り向けられる予算(期間は2009-2019の10年強)は総額で$48.9 billion(4.36兆円)。うち、$4.5 billionは陸軍工兵隊、$500 millionは内務省開墾局(という訳でいいのか?? the Bureau of Reclamation)の公共事業に宛てられ、残りの$43.9 billionが新エネ・省エネ関連。ちなみに全額、DoE(Department of Energy)の予算です。中身は以下の通り。
  • $18.5 billion for energy efficiency and renewable energy programs (including $6.2 billion to expand existing weatherization activities and $7.9 billion forenergy-related grants to states);
  • $8.0 billion to cover the subsidy costs of federal loan guarantees for renewable energy systems and electric transmission projects;
  • $6.5 billion for capital investments by certain federal power marketing administrations in electric power transmission systems;
  • $4.5 billion to modernize the nation’s electricity grid; and
  • $6.4 billion for various other activities.
まず、ここまでで言えること。
  1. 送電線・送電網関係の公共事業費が結構デカイ。(3つ目+4つ目=$11 billion)
  2. energy efficiency and renewable energy programs(1つ目)とfederal loan guarantees (2つ目)の中身が謎。
というわけで、energy efficiency and renewable energy programs と federal loan guarantees の詳細を調べるべく、今度は、下院のwebサイトから、法案本文(下院可決版)に当たってみました。まず、Energy Efficiency and Renewable Energyの中身に当たる部分を、法案本文から抜粋。
  1. $2,000,000,000 shall be for expenses necessary for energy efficiency and renewable energy research, development, demonstration and deployment activities, to accelerate the development of technologies, to include advanced batteries, of which not less than $800,000,000 is for biomass and $400,000,000 is for geothermal technologies.
    ―省エネ・再生可能エネのR&Dに$2.0 billion、うち$800 millionはバイオマス、$400 millionは地熱利用技術に―
  2. $500,000,000 shall be for expenses necessary to implement the programs authorized under part E of title III of the Energy Policy and Conservation Act (42 U.S.C. 6341 et seq.).
    ―the Energy Policy and Conservation Actで承認されたプログラムへの予算拡充のようですが、詳細不明です。―
  3. $1,000,000,000 shall be for the cost of grants to institutional entities for energy sustainability and efficiency under section 399A of the Energy Policy and Conservation Act (42 U.S.C. 6371h-1).
    ―研究機関(?)への助成金―
  4. $6,200,000,000 shall be for the Weatherization Assistance Program under part A of title IV of the Energy Conservation and Production Act (42 U.S.C. 6861 et seq.).
    ―建物の断熱化助成プログラムの拡充―
  5. $3,500,000,000 shall be for Energy Efficiency and Conservation Block Grants, for implementation of programs authorized under subtitle E of title V of the Energy Independence and Security Act of 2007 (42 U.S.C. 17151 et seq.).
    ―EECBGプログラムの拡充。EECBGというのは、地域(Block)単位で行う省エネ対策に助成を与えるプログラムのようです―
  6. $3,400,000,000 shall be for the State Energy Program authorized under part D of title III of the Energy Policy and Conservation Act (42 U.S.C. 6321).
    ―詳細不明ですが、州が行うエネルギー政策に対する補助の拡充―
  7. $200,000,000 shall be for expenses necessary to implement the programs authorized under section 131 of the Energy Independence and Security Act of 2007 (42 U.S.C. 17011).
  8. $300,000,000 shall be for expenses necessary to implement the program authorized under section 124 of the Energy Policy Act of 2005 (42 U.S.C. 15821) and the Energy Star program.
  9. $400,000,000 shall be for expenses necessary to implement the program authorized under section 721 of the Energy Policy Act of 2005 (42 U.S.C. 16071).
    ―7.~9.は元の法案を見ないとわかりません…―
  10. $1,000,000,000 shall be for expenses necessary for the manufacturing of advanced batteries authorized under section 136(b)(1)(B) of the Energy Independence and Security Act of 2007 (42 U.S.C. 17013(b)(1)(B)):
    ―先進型蓄電池への開発補助の拡充―
既存予算の拡充が多いようです。それぞれどういった予算かまでは、調べてる時間がありません。スイマセン。額でみると、断熱化助成プログラムの拡充(4.)が一番大きくて$6.2 billion。地方政府への補助も同様に大きく、5.と6.の合計で$6.9 billion。また、広い意味でのR&Dに当たるのではないかと思われる予算(1, 3, 10)の合計は$4.0 billionになります。

また、$8.0 billionのfederal loan guaranteesについてですが、これは、"the Energy Policy Act of 2005"のsection 1705に基づく"Innovative Technology Loan Guarantee Program"として承認を受けたプログラムへの政府保証の拡充に使われるとのこと。これも引用元を調べないことには詳細はわかりません…。

文中、既存法への引用が多く、読みづらくて恐縮なんですが、今度気が向いたとき、引用元の法律を調べやすいように(あるいは、どなたかが調べてくださるんじゃないかとほのかに期待しつつ…??)、載せさせていただきました。

かなり乱暴ではありますが、敢えて"green stimulus"を一言でまとめるとすると、「一に送電網、二に断熱化、三に地方補助、四にR&D(特に蓄電池)」といったところかと。いい勉強になりました。はて、宿題やんないとね…。
Maxwell, Syracuse, Feb. 3, 17:13

Monday, February 2, 2009

It may not be just an English problem...

"History of International Relations"の授業がヤバいです…。授業中、先生が何を言ってんのか、基本的にわかりません。この半年の特訓(??)のおかげで、事前情報がある程度あれば、講義は大方聞き取れるようになってきたんですが、この授業に関してはそれも通用せず。ってのも、この授業、3時間弱の間、Bennet先生が思いついたままにひたすらしゃべり続ける形式なんですよね(←そんなもん「形式」と言えるか??)。本人的には文脈があるんだろうけど、他人には全く以てつながりがわからんという、古き悪しきタイプの学者さんによくあるしゃべり方。この辺りは日米共通です…。毎回、授業の最初のうちは頑張って聞こうとするんですが、1時間半くらいたったあたりからあきらめが入り始め、しまいにはなんだかちょっとムカついてきます…。
  
たぶん、英語だけの問題じゃないんですよね。先生自身と、「国際関係論」という学問にも、いささか拒否反応起こしてる気が…。

秋学期の"Public Budgeting"同様、僕の中で、「どーでもいい授業」の認定を下してしまいそうな雰囲気が充満していますが、それをするにはまだちょっと早い(かつ、秋学期のPublic Budgetingと同じような成績は、出来れば取りたくない)ので、かといって、あの先生の授業にこれ以上期待する気にもなれず、しゃーなしにInternational Relationsなる学問について、ちょっと自習してみようかなぁと考えています。(ホント言うと、経済学だけやってたいんですけど。)

今日はこんなところで。
Maxwell School, Syracuse, Feb. 2, 2008

Sunday, February 1, 2009

MPA Winter Formall 2009

久々に踊ってみましたー!!! えーっと、何年ぶりやっけ??
   
昨晩は、わがMPA(Master of Public Administration)プログラムの冬の恒例行事、"Winter Formal"に参加。このイベント、大学近くのゴルフ場の倶楽部ホールを借り切って、ディナー&ダンスパーティを楽しみましょーというモノ。勉強以外に何もやることのないSyracuseの冬を少しでも明るく楽しむ乗り切るための、古くから伝わる生活の知恵であります(←ホンマか??)。
  
"Winter Formal"だけあって、ドレスコードはもちろん"formal"。ということで、僕も数か月ぶりのスーツに袖を通し、いつものアウトドアブーツを革靴に履き替えて行ってきました。
  
カクテルタイム(披露宴が始まる前みたいな感じ)→ディナータイム→ダンスタイム(踊りたい人は踊る)という流れで、6時から12時の6時間。行く前は「長いなぁー」と思ってましたが、いざ始まってみるとあっという間。食事もおいしかったし、お酒の薬効か英語もいつもよりパシパシ出てきたし、非常にhappyなひと時でした◎  
   
食事もひと段落したところでダンスタイム開始。"formal"なイベント(??)なので、就任式の夜にObamaさんが踊ってたみたいな、スローな感じの曲が多いのかなぁなんて思ってましたが、まぁワカモノのイベントなんでそんなこともなく(←当り前か。)、最近の曲中心で(←この言い方がおっさん臭ぇ!!)、難しいこと考えずに、○年前に京都で踊ってたときのノリを思い出して(←っていうほどクラブ通いはしてません…)踊ってきました。
  
それにしても、アメリカ人男性のさりげなく女性をダンスに誘うスキルはやっぱすごい。変にエロくないんですよねー。東洋人の男は、ああ言う場ではどうしても照れが入ってダメ。え?そんな結論でいいのかって??? うーん、なんか悔しい気もするので、来年の"Winter Formal"までにコミュニケーション能力の向上に努めます…。ともあれ、楽しいひと時でありました。
my home, Syracuse, Feb 1, 11:26
↑↑ あっ!! 知らん間に2月になってた↑↑
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