Sunday, September 20, 2009

Wal-Mart Sustainability Index

DCに帰ってきた。NYでは(特に朝晩)、秋の気配が感じられたが、DCは、まだそこまでではない様子。今回は、かの有名なコロンビア大学さんにもお邪魔させていただく。猫の額ほどの芝生の上で、若者たちがひしめき合って日光浴に興じる姿が印象的。どう見ても、ちょっと無理がある。ふっ。勝ったな(←そこだけ勝ってどうする?)

今回のNY滞在中にとある人から聞いたお話。アメリカ、どころか世界最大のスーパーマーケットであるWal-Martが、自社の店舗で販売する商品のすべてに“Sustainability Index”なるラベルを貼付する計画を進めているらしく、目下、全supplierに、アンケートを送りつけて、回答待ち中なんだとか。googleで調べてみたら、確かに、今年7月に、それ関連の記事が出ていた。

記事曰く、この調査は、厳密には、Wal-Mart自身ではなく、sustainability consortiumという団体が実施する形になっている。同団体は、アーカンソー(←Wal-Martの地元)大とアリゾナ州立大が主催していて、Wal-Martも会員企業の一つ。Costco、Target、Krogerなどの他の大手retailerにも秋波を送っているらしい。

高々、一スーパーの動きと侮ること莫れ。実際、これまでにも、Wal-Martの仕入れ方針の変更が、めちゃめちゃ大きなインパクトを生み出した実績は何度かある(こちら)。中には、国が規制を変えるより、その影響はよっぽど大きかったんじゃないのと思われるものまで。今回のアンケートの提出期限は、来月一日とのことで、聞いたところでは、supplierさんたちは、目下、この件に相当頭を悩ませていらっしゃるらしい。そんなわけで、今週火曜日には、Wal-MartのSenior Director for Sustainabilityを招いてのwebinarなんてのも開催される(ちなみに、webinar = web上でのseminar。)。これでもし、そのSenior Director for Sustainability氏が出演料をもらっているのだとしたら、Wal-Mart、相当チャッカリしている。

アンケートの対象は、Wal-Martへの一次supplierだけだが、彼らが回答を作るために、当然、二次supplier、三次supplier…と、supply chainを遡っていろいろ聞いていくしかないわけで、そう考えると、この一件がアメリカの製造業に与えるインパクトは、相当のものになりそうな予感がある。個人的には、Wal-Martが配ったという「15の質問項目」とやらを非常に見てみたい。$99払って、webinarに参加すべきか否か。。。
my home, Washington, DC, Sep 19, 27:19

【補足】 Walmartの社長が、今年7月、この件に関して行ったスピーチのURLを送ってもらったので、載せておきます。曰く、

  • “As Step One, Walmart will ask all of its suppliers to answer 15 simple, but powerful questions on the sustainable practices of their companies.”
  • “as a second step that Walmart is helping to create a consortium of universities that will collaborate with suppliers, retailers, NGOs and government to develop a global database of information on the lifecycle of products…from raw materials to disposal.”
  • The third and ultimate step of the Index is to translate the information stored in the database into a simple tool that informs consumers about the sustainability of products.”
  • “We can’t do this without partners. This cannot and should not be a Walmart effort. It can’t be a U.S. effort. To succeed, the Index has to be global. It has to involve many stakeholders as vital partners.”

    とのこと。(下線はblog筆者) 【Sep 22, 22:49】

    Saturday, September 19, 2009

    USA.gov


    横江公美著 『アメリカのシンクタンク ―第五の権力の実相―』(ミネルヴァ書房・2008年)を読む。

    アメリカのシンクタンクについて、もう少し詳しく勉強してみたくなったので、Amazon.co.jpで検索して一番それらしい本を買ったのだが、半分アタリで、半分ハズレだった。「ハズレ」という言い方も著者に対して大変失礼だが、別に「面白くなかった」という意味ではなく、むしろ非常に興味深い内容ではあったのだが、買った時に予想していた内容からは少し「ハズレ」ていた、という意味で。
      
    「はしがき」に、本著は『アメリカの政治に関する情報環境の変化を整理し、ついで、政治情報が増加している様態を、シンクタンクの新しい役割の観点から分析しようとする』ものだとある。実際、本著の前半部分は、「電子政府」による情報急増と、それを受けたマス・メディアの在り方の変化の説明に充てられている。この部分、予想外ではあったのだが、読んでみると非常に面白い。とういわけで、今日は、まず前半部分についての感想を書きたい。次回のエントリーでは、シンクタンクそのものに焦点が当てられる後半部分について書こうと思う。
      
    この部分では、アメリカの「電子政府」が、政策関連情報のデータベースとして、如何に進んでいるかが述べられている。たとえば、「日本の電子政府は、発表情報を提供しているに過ぎず、アメリカの電子政府は、発表情報に加えて、政策過程で生じる公文書まで公開していることが両者の際立った違いになっている」(p.2)とか、「アメリカの電子政府では、電子情報自由法(1996年改訂)にもとづいて、頻繁に情報公開の請求を受ける公文書を、「電子政府」で公開している」(p.20)とか。同法は、「連邦政府内の各機関のサイトには、「電子閲覧室(Electronic Reading Rooms)」とうページを設け、各部門の年次活動報告などの基本情報や、頻繁に公開請求があった公文書を掲載することを義務付けている」らしく、見てみると、確かに、EPAならこちら、DOEならこちら、といった具合にそれらしきページが設置されている。

    国立公文書記録管理局(NARA: National Archives & Record Administration)が運営するArchives.govは、「省庁の情報を縦横無尽に検索する」ので、ここのデータベースで検索すれば、「他の(省庁の)サイトにアクセスする必要がない」(p.39)んだそうで、このサイトからは、「1845年に江戸幕府がペリーと結んだ日米和親条約の原文も検索できる」んだとか。確かに、ありました。また、電子政府の総合窓口にあたるUSA.gov(旧称:Firstgov.gov)は、2000年の開設以来、継続的に改善が加えられており、非常に使い勝手のいいportal siteに仕上がっているといったことも書かれてあった(p.53)。

    このように、アメリカで「電子政府」が目覚ましく発展してきた理由として、著者は、
    • インターネットの開発以前から、もともと政府情報の開示への取組が早かった。(1966年に「情報自由法」(政策過程の公文書を公開することを定める)を制定。ちなみに、日本で情報公開法が制定されたのは1999年。)(p.21)
    • そもそも、インターネットを国策として開発した国であり、したがって、「電子政府」への取組も非常に早かった。(1993年にはクリントン政権が「電子政府」の構築に着手。当時、インターネットはまだ一般的には普及していなかった。)(p.19)
    • 2000年の大統領選以降、インターネットを使った選挙活動が本格化。以降、通常の政治にもインターネットが本格的に活用されるようになった。(p.53)
    などの点を挙げている。

    実際、公共政策を学んでいる日本人学生の間でも、アメリカの政府系データベースの使いやすさには大変定評がある。公開されている情報の「量」と、それらを探し当てる検索機能の「質」の両面において。恥ずかしながら、僕はその恩恵を被った経験がまだそんなにないのだが、少ない機会ながら、Energy Information Administrion のサイトや、CIAのThe World Factbookを使った際には、その情報量の多さと調べやすさに、確かに舌を巻いた。
      
    この分野に関して言えば、「情報公開を進めよう」という意志と、「どのようにデータベースを構築するか」という技術の両面で、日本政府は、アメリカ政府に大きく水をあけられているように思う。本著の著者も述べている通り、このissueに取り組んできた歴史の長さの違いが、それだけの差が付いている一番の原因だとは思うが、じゃぁ、日本がいま、必死に追いつこうとしているかと言うとそういうわけでもなく、このままでは、今後も差は縮まらないばかりか、むしろ開いていくんじゃないかと思う。
      
    ともあれ、アメリカでは、インターネットの敷衍とともに登場した「電子政府」のおかげで、従来とは比べ物にならない量の政策関連情報に、誰もが容易にアクセスできるようになった。流通業界では、インターネットの登場により、まずは、仲介業者の役割が減少する「ディスインターメディエーション(disintermediation。いわゆる「中抜き」)」が起こったが、変化はそれだけに止まらず、「散在する小売店や中小企業などの情報を収集し、検索しやすいデータベースにして提供」する「リインターメディエーション(reintermediation。ebayや楽天がその代表例)」現象を生むに至った。著者は、「電子政府」の発展に伴う政策情報の急増 → シンクタンクの存在感拡大という、90年代後半に見られた一連の動きも「リインターメディエーション」の一形態として理解することが可能だという。つまり、入手可能な政策関連情報が急増した結果、マス・メディアのために、それらの情報を「整理し再編集する情報プロセッサーが必要」になり、「この新たな役割をシンクタンクが担うようになったのだ」と。
          
    というわけで、次回は、アメリカのシンクタンクそのものについて書かれた後半部分の感想を書きたい。
    Seventh Ave. 30th St, Manhattan, NYC, Sep 19, 18:42

    Friday, September 18, 2009

    Breakfast Meeting

    DCにいる間に、できるだけDCらしいことをしておかないと…というわけで、今朝は頑張って早起きして、とある環境コンサルタントの主催するBreakfast Meetingなるものに出席してきた。8:00から約一時間。会場に着くと、コーヒーのほか、ヨーグルト、ブレッド、フルーツ、カリカリベーコンetc.が無料で用意されている。一人、無闇にうれしがる。

    今日のお題はU.S. GHG Regulation Fall Updateとのこと。同社の重役さん達がプレゼンするのを、みんなしてコーヒーをすすりながら拝聴する。事前登録制(誰でも登録可)のaudienceは、40名程度。たまたま僕の隣に座ったお姉さんは、Du Pont社の方で、同社のclimate change戦略を考える部署で働いておられるとのこと。おそらくは、そういった企業の環境部署の方と、政策系の仕事(議員事務所、政策系シンクタンクetc.)をしておられる方が多かったのではないかと思う。あくまで、勝手な推測であるが。

    プレゼンは、Waxman-Markey法案、Regional Carbon Market Initiatives(RGGIなど)、post-Kyotoなどに触れた上で、それら制度面の変化が、技術(technology)と市場(market)にどのような影響を与えるかの予測を語る、といった感じ。特に目新しい話はなかったのだが、Waxman-Markey法案については、事情通然とした重役さんが、「近い将来に成立するだろうが、年内の成立は微妙」との見立てを示しておられた。へー。そうなんだ。

    当然ながら、lectureの前と後には、猛烈な名刺配り合い大会が展開される。僕は、その隣の席のDu Pontの方と名刺交換をしたくらいで、後はおとなしくベーコンをかじっていたのだが、多くの参加者にとっての本当の目的は、むしろこっちの方にあるのかも知れない。朝っぱらから会場を設営し、朝ごはんまで配ってみせる、このコンサル会社の本当の目的がこの点(=人脈形成)にあるのは、言わずもがなであろう。

    ちなみにこのコンサル会社、設立40年の老舗で、エネルギーと環境の分野に特化して仕事をされているらしい。具体的には、電力・エネルギー市場分析・予測、気候変動対策支援(企業向け)、送電網(transmission)分析、エネルギー関連資産のdue diligence…など。

    ともあれ、こういう機会に触れられるのはDCならでは。雪国に戻る前に、できるだけたくさん経験しておこうと思う。
    E 30th St., Manhattan, NYC, Sep 17, 26:30

    meeting again in NYC

    インターン後、バスに飛び乗り、NYへ。明日の飛行機で日本に帰る母と、しばしの時間を過ごす。先週金曜日にDCに着いてからちょうど一週間。ボストン、NY、ナイアガラと飛び回り、少々お疲れの様子ではあったが、逆に言えば、それだけ遊び尽くしていただけたということか。

    やはり、こちらの料理には閉口されたようであったが、行く先々で、そんなに堪能ではない英語ながら、現地の人たちとも積極果敢にコミュニケーションを図り、この一週間、立派にsurviveされてきたようで、我が母ながら、逞しい人だなぁと思う。ともあれ、(何ら特別なことをして差し上げたわけではないが、)いちおう、それなりに喜んでももらえたし、珍しく、親孝行らしきことができたみたいで、なんかよくわからないけれど、とりあえず、良かったんじゃないかと思う。

    それにしても、DCからNYに出てくると、雰囲気の違いに圧倒される。だいたい、街行く「若いカップル」なんてものを久しぶりに見た気がする。NYもたいがいだが、DCも(全く違う意味で)たいがいなところだ(笑)
    E 30th St., Manhattan, NYC, Sep 17, 25:30

    Wednesday, September 16, 2009

    Follow up, from right to left

    最近のエントリーのフォローアップを二つ。

    土曜日のエントリーで触れた、ワシントン市内での右派集会の件について、田中宇氏が9/16付の記事で書いている。曰く、「この集会(912DC)の規模について、ニューヨークタイムスは「数万人」と報じ、この日オバマ大統領が訪問したミネソタ州でオバマ支持のために集まった人々の数と同規模だと報じた。半面、主催者や参加者は、100万から200万人が参加したと述べており、参加者の規模に大きな開きがある。警察は、参加者の数を発表していない。集会参加者が撮影したいくつものYouTube動画などを見ると、どうみても「数千」や「数万」の規模ではなく、少なくとも数十万人は集まっている感じだ。 」とのこと。ちなみに、NYTの原文には、“The demonstrators numbered well into the tens of thousands”とある。

    当日、集会の近くに居合わせた者の印象を言わせてもらうと、「100万人」という数字はあまりにも大きすぎると思うが、確かに相当の人数であったのは確かで、10万人以上の規模だったのかも知れない。このあたりのニュース、日本でどのくらい報じられているのかはわからないが、health care法案をきっかけに、米国内の左右両派の対立が先鋭化しており、とりわけ、右派が勢いづいているのは、紛れもない事実のようだ。

    一方、日曜日のエントリーで書いた、中国産タイヤに対する追加的関税措置の件に関して、ことの経緯がきれいにまとめられているweb記事を見つけたのでリンクしておく。日曜日のMSJエントリーからの追加情報(一部、修正情報)としては、
    • コトの発端は、United Steel Workers(全米鉄鋼労組)による、ITC(米国国際貿易委員会)への提訴。
    • ITCは追加的関税措置を認めるとの勧告を今年6月に発表。その勧告に対する大統領の最終判断の期限が、今月17日に迫っていた。ちなみに、ITCは、(子)Bush政権下でも、通算4度のsafeguard発令勧告を行ってきたが、いずれも大統領により、退けられている。
    • 今回の措置に、米産業界の全体が賛成しているわけではなく、タイヤメーカーの中にさえ、明確に反対を表明している会社がある。(これらの会社は中国にも工場を持っている)
    • 中国側からの提訴を受け、両国は、WTOの規定に基づく60日間の二国間交渉に入る。そこで妥結に至らなかった場合、中国は、WTOに対し、紛争処理委員会(dispute panel)の開催を求めることができる。
    といった感じ。

    今夜のInternational Trade and Economic Negotiationのクラスでは、「貿易問題を考える際には、3つのスタンスがある。1. Lawyer、2. Economist、3. Political Scientist(又はPolitician)」とのお話があった。Lawyerが一番気にするのは、憲法に依拠したproperty rightの観点、Economistが気にするのはefficiencyの問題、Political Scientistが気にするのは、当然ながら、practicalな政治の情勢である。今回のタイヤ問題をこの整理に照らして考えてみると、1. 2.のスタンス(特に2.のスタンス)からは到底好ましいとは言えないが、3.に引っ張られて発動に至ったような感がある。今日のエントリーの前半でも触れた保守派の隆盛に対抗し、Health Care法案を通すためには、ここで労組の支持を引き留めておく必要があるとの、まさしく、「政治的」な判断なのだろう。
    my room, Washington, DC, Sep 16, 22:17

    Saying Germany in 1920's

    伊藤嘉啓とおっしゃる大阪府立大の名誉教授(比較文学)の書かれた『石原莞爾のヨーロッパ体験』という本を読んでみた。1923年~25年の二年半、ベルリン留学中であった石原莞爾が、東京の妻に宛てて送り続けた手紙の数々を読み解きながら、当時の石原の考えと、人となりとを読み明かしていこうという試みの本。留学生の心掛けの在り方として、何か参考になることが書いてあるかと思って読んでみたのだが、結論から言うと、それほど面白い本ではなかった。

    僕自身、石原莞爾なる人物を、それほどよく知っているわけではない。昔読んだ司馬遼太郎か誰かの小説で少しだけ触れられていたのを通して、断片的にその経歴を知っているくらいのものである。ただ、― やったことの善悪は別にして ― 類稀なる構想家というイメージが僕の中にはあった。また、彼のその一大構想が、ドイツ留学中に練られたものだったという話をどこかで聞いたことがあったので、留学中、彼がどんなことを考え、どんな風に構想を練り上げていたのかを知りたいと思い、この本を読んでみた、というわけだ。
      
    しかし、本著の紙幅の大半は、石原の人間性を現すエビソード(的な手紙)の紹介に割かれていて、肝心の本業(=戦史研究)の部分については、それほど深く、掘り下げられていない。また、筆者は石原という人物が相当お気に召していらっしゃるらしく、あまり客観的とは言えない石原贔屓の解説を、しばしば付してらっしゃるのもいただけなかった。

    石原本人も、この本で書かれているところによれば、僕の思っていた以上に、日蓮宗に傾倒しており、また、(日蓮思想とも無縁ではないようであるが)欧米、特に米国との戦争を、戦略的にというよりは、なかば運命論的に、予想・確信していたようである。伊藤氏は、「石原は強い信仰心を有していたが、戦略自体は、科学的・合理的に研究・立案していた」といった趣旨のことを、本著のどこかで書いておられたが、合理的な研究・立案の部分があまり詳しく書かれていなかったのが残念。
    my room, Washington, Sep 15, 25:34

    “I'm sold.”

    留学生活が始まって、今日でちょうど14か月目。おかげさまで、一語一語の単語の音は、だいたい聞き取れるようになってきたが、その意味を(文章として)即座に理解できているかとういと、まだまだ怪しいときがある。特に、nativeどうしの会話となると、厳しい時は相当に厳しい。

    何が話されているのか、背景知識をあらかじめ持っているときは、比較的すんなり聴けるのだが、予備知識なしで、ぽこっとnativeの会話に飛び込んだりすると非常に厳しい。意味の取れなかった部分を補うべく、話の前後からの類推を必死に試みるのだが、この「類推」という作業がなかなかの曲者で、それをするときに、ついつい日本語脳の方のスイッチをonにしてしまう。これをやっているうちは、nativeのスピードには、とてもじゃないがついていけない。「類推」も、英語の頭のママでやってしまわないと。

    もちろん、nativeの会話に頻出する、「口語的な言い回し」とやらにも引き続き苦しめられている。今日、「へー、そんな風に言うんだぁ」と思ったのは、インターン先での会議の中で飛び出した“I’m totally sold.”という言い回し。“sell”には、「~を良いと思いこませる」「~を強く勧める」といった意味があり、その受身形で 「納得したよ」の意味。一瞬、「ふむ?」と考えて、「たぶんこんな意味だろう」と類推できたものの、そんなことをやっている間(時間にすれば1秒、2秒かも知れないが)にも、会話はどんどん進んでいく。この手の慣用句は、それこそ何度も何度も耳にして、単語レベルに分解しなくても、句全体としてそのまま意味をとれるくらいになってしまうしかないのだろう。道はまだまだ長そうだけど。
    my room, Washington, D.C., Sep 15, 24:01

    Monday, September 14, 2009

    Issues in Global Economic and Financial Security

    今学期、二つ目の授業が開講。講義のタイトルは“Issues in Global Economic and Financial Security”で、シラバスによると“The course will discuss global economic and financial security issues through the prism of the current global crisis, the worst since the Great Depression” とのこと。「リーマンショック」からちょうど一周年を迎える今日、この講義の開講日としては、打って付けの日と言えるかもしれない。
      
    講師は、IIF(The Institute of International Finance)のAsia/Pacific Departmentで、現職のDeputy Directorを勤めておられるおじさん。南アジアのご出身と見え、ほのかなインド訛りが時折り混ざるが、総じて言えば英語は非常に流暢で、アメリカ人のそれよりもむしろ聞きやすいんじゃないかと思うくらい。今日は、これから一学期間の授業のframeworkを整理するということで、マクロ経済学の基礎をざっくり総ざらいしてくださったのだが、生徒(僕を含めて全部で10人)の経済学知識レベルが総じて高いこともあり、授業は非常にテンポよく流れていく。退屈に思う暇もなく、3時間があっという間に過ぎ去った感じであった。授業中のディスカッションをより深く味わうためには、いちいち立ち止まって考えなくても、事象Aと事象Bの因果関係が即座に思い浮かべられるよう(それももちろん英語で)、マクロ経済の基礎を少しく復習しておく方がいいかなとも思った。
      
    先生曰く、いかなる国の経済情勢について考える場合であっても、その国における以下の4要件がどのようなっているかを、常に意識しなければいけないとのこと。
    1. Macro Stability
    2. Growth Enhancing Structural Reforms
    3. Politics and Institution
    4. Global Setting
    つまりは、これら4つの要件によって、一国の経済の基礎状況が規定されるとうことなのであろう。次週とその次の週で、まずは、今回のfinancial crisisの震源地であるアメリカの状況について見ていくとのことである。
    my room, Washington, D.C., Sep 14, 23:07

    Sunday, September 13, 2009

    Tariffs on Chinese Tires

    解せん。解せませぬ。

    「オバマ米大統領は11日、中国製タイヤの輸入制限措置として上乗せ関税を発表した。(中略)ホワイトハウスによると、今後1年間乗用車およびライトトラック用中国製タイヤに対し、現行の4%に35%の関税が上乗せされる。実施は9月26日から。上乗せ幅は2年目は30%、3年目には25%となる。」とのこと(by 日本語版ロイター)。 当然のことながら、中国は反発を強めており「中国商務省の報道官は、同省のウェブサイトで「中国は米国による重大な貿易保護主義を非難する」と反論。「今回の措置は世界貿易機関(WTO)のルールに違反するばかりでなく、20カ国・地域(G20)首脳会議で米政府が明らかにした方針とも相容れない」と批判している。」との由(by 同記事)。そりゃそうなりますわな。更に、中国が、アメリカからの自動車及び鶏肉の輸入に対して追加的関税を課す準備がある、なんて報道もある。(by NYT
      
    日頃、それほど熱心にニュースを見ている方ではないが、とはいえ、中国からのタイヤ輸入がアメリカで大きな政治問題になっているなんて話、つい最近まで、全くと言っていいほど聞いたことがなかった(USITC(米国国際貿易委員会)からの勧告自体は、今年一月に出ていたようであるが)。そもそも、アメリカにおけるタイヤ産業がそれほど大きな雇用主になっているなんて話も、ほとんど聞いたことがない。

    にもかかわらず、中国側からの反発が確実に予想される中、このタイミングで関税上乗せに踏み切るというのは、いったいどういう政治判断だったのだろうか。この論者によれば、背後にUSW(United Steelworkers Union)がいるのではないか、とのことだが…。
      
    Obamaと胡錦濤は、今月24・25日にPittsburghで開催されるG20で会合するほか、11月にはObamaの訪中も控えている。こういった微妙な政治日程の中、この案件、いったいどういった方向に進んでいくのだろうか。。
    my room, Washington, D.C., Sep 13, 22:55

    Saturday, September 12, 2009

    “Don’t Tread on Me.”

    40年来の友人と連れだって、大阪より、母来る。今日は一日、母とその友人さんと御一緒に、ワシントンの街を観光してきた。

    女三人寄ればかしましい――否、関西のおばさまが寄り合えば、二人でも十分かしましい(笑) 相当程度予想してはいたものの、お二人のエネルギーには終始、圧倒されっぱなし。ともあれ、出国以来、一年と二か月ぶりに母にも会え、非常に楽しい一日であった。
      
    お二人は、昨日のお昼前にワシントンに到着し、メジャーどころは、既に昨日のツアーで観光済みとのことだったので、今日は、お二人がまだ回っていない、ややマイナーな観光地(National Cathedral、Georgetown、Washington Monument、それにあと、拙宅)を見て回った。還暦間近(というと怒られるかもしれないが…)のお二人だが、歩き疲れることもなく、存分に楽しんでいただけた様子で、息子としても非常にうれしい。明日朝一の便でボストンに飛び、その後は、ボストン、NYC、ナイアガラと観光して、来週金曜日にNYCから日本に向けて御帰国の予定。NYCにて、もう一度、アテンドさせていただくつもりである。
      
    ちなみに今日のWashington市内では、Health Care法案の反対派による大規模な集会が開かれていた。NYTによると、一万人以上が参加していたんだとか。とぐろを巻いた蛇の絵の下に“Don't Tread on Me.”と書かれた、見慣れない黄色い旗を持っている人が多かったのだが、Wikipediaによると、これは、Gadsden flagと呼ばれる旗で、「星条旗が国旗として制定される以前に用いられていた、アメリカ合衆国の最初の国旗の一つ」であり、「独立戦争以降は、愛国心の象徴として、また、時の政府に対する不信の象徴として、用いられてきた」んだとか。
       
    Obamaを“socialist”と呼ぶ彼らの政治マインドは、「国民皆保険」の国で生まれ育ってきた我々には、にわかに理解しづらいものである。この国は、一部の日本人が信じているほど、こちこちの「新自由主義」の国ではないが、この国の一部に、日本人の想像を絶する生粋の右派libertarianが生息しているのは、紛れもない事実のようである。
    my room, Washington, D.C., Sep 12, 24:20

    Friday, September 11, 2009

    France's Sarkozy urges carbon tax

    Mankiwもblogで取り上げていたが、サルコジさんが、「炭素税、導入しよっかなぁ」と言い始めたらしい。以下、9月3日のThe Postより抜粋。

    記事曰く、「仏サルコジ大統領が、家庭及び事業者からの二酸化炭素の排出に税をかけたいと発表した」が、「多くの人から疑いの目を持って見られている」とのこと。導入当初は、排出権の市場価格と同じ水準(現在、€17($24.74)/t-CO2)で始め、以後、段階的に税率を上げていく。炭素税から得られる税収 € 3 billion(導入時の税率にての仏政府見込み)については、他の税の減税及び還付を通してその全額を家計及び事業者に返還。課税対象は、ガソリン、ディーゼル燃料、石炭及び天然ガスで、その大半が原子力発電によって賄われている電気には、課税しない。(注: ちなみに、仏日米の原子力発電依存度は、それぞれ、およそ8割、3割、2割。) ガソリンを例にとると、税率は、リッターあたり4 ユーロセント(= 5.28円)。雑誌Paris-Matchの世論調査によると、賛成34%、反対65%とのこと。
      
    記事では特に触れられていないが、EU-ETSとの関係はどうなるのだろうか。直観的には「二重課税」に当たりそうな気がするのだが、その点、どう整理するおつもりなのか(というか、そもそも整理するつもりがあるのかどうか)はわからない。
      
    ところで、聞くところによると、税とcap-and-tradeのどちらが優れているかと言えば、「税の方がいい。ただ、新たな税を導入することのpoliticalな意味での難しさを考えればsecond bestとしてのcap-and-tradeもあり。その場合、できるだけ排出権の全量をオークションで販売すべし」というのが、アメリカのエコノミストの間での一応のコンセンサス(らしい)。
      
    これはつまり、排出権のallocationに政府が関与することによって発生する非効率(厚生損失)のことを問題にしているわけだろう。ただ、実際には、cap-and-tradeだと政策ターゲットである「排出量」を直接管理できるのに対し、税だと社会全体のelasticityを推測した上で税率を決めないといけないといったことがあったり、逆に、税だと税率が決まっているので私企業が炭素コストを織り込みやすいのに対し、cap-and-tradeだと排出権価格が変動するので操業計画を立てにくい、といったことがあったりするなど、ミクロ経済学のグラフには現れにくいメリット/デメリットもいろいろある。
      
    この点に関し、「国際炭素税」(?)推奨派のNorhaus先生は、“A Question of Balance”の中で、税によるアプローチ(price approach)の方がcap-and-trade(quantity approach)より優れている理由として、以下の6点を挙げておられる。
    1. ベースラインについての議論をする必要がない。
    2. コストの方がベネフィットに比べてより非線形的であれば、税の方が有効。vice versa。 → GHGの排出削減について言えば、税の方が有効。
    3. quantity approachの下での排出権価格は、その性質上、安定性を欠きやすい。
    4. 税の場合、税収を還元することで、課税導入によって生じる死荷重を解消することができる。
    5. 排出権のallocationに絡む公平性の問題が生じない。
    6. 政府がallocationを差配するquantity approachは、より、coruptionの温床になりやすい。

    ちなみに、ここアメリカでのcap-and-trade法案(American Clean Energy and Security Act 2009)の上院審議は、とりあえず、医療保険法案の形がつくまで、一旦保留、ということのようで。

    my room, Washington, D.C., Sep 11, 22:24

    Fall has come.

    最近、突如、秋めいてきたワシントン。街ゆく人の中には薄手のコートを羽織って歩く人もちらほら。こちとら、北の果てから来ておりますので、寒の備えは十分過ぎるほど十分であります…と高をくくっていたのだが、ワードローブを見渡して見て、はたと考える。あれ、都会で着れそうなまともな冬服、一着もなくね??
       
    秋インターン、一週目終了。今のところ、比較的落ち着いている。否、「絶対的に」と言うべきか。
       
    お世話になっている組織のカルチャーというよりは、この国自体のカルチャーによるところが大きいんじゃないかと思うのだが、とにかく自由放任主義。まぁ夏のインターンでも、それなりに放置プレイは食らっていたが、あちらでは、なんというか、他の人の手が回らなくて結果的に放置されていた傾向が強かったのに対して、こちらでは、単に僕が放置されているということではなく、そもそも、組織全体がそういうやり方で回っている、といった印象。もちろん、日本のような大部屋ではなく、「キュービクル」と呼ばれる、二畳ほどの半個室に各人が納まるスタイル。周りから干渉されることのない至ってパーソナルな空間で、住み心地はきわめて快適なのだが、ちょっと静かすぎてたまに寂しい気もする。それぞれ、一長一短あるのだろうが、ともあれ、このあたりの事情は、日米で真逆といっていいほど違う。
     
    こういう環境で新人クン・新人サンたちは、どんな風に教育されるんだろうか…なんて考えてみたりもするのだが、おそらく、「新人」が習得することを期待されているスキルからして、日本とアメリカでは全然違うんだろうし、また、終身雇用を前提としないこの国では、「新人教育」なる発想自体があまり強くないのかも知れない。どっちがいいかと言われれば…この点については僕は正直、ビミョーです。日本の社会人一年生が経験する、「雑巾がけ」的御奉公も、自分に関して言えば、あれはあれで、非常に意味があったと、本気でそう思うので。若いうちの苦労は買ってでもするべき!! とまでは言いませんが…。(あ、やっぱり、言いたい。)
      
    「最初は無理のないように」との、ご好意からであることは疑うべくもないのだが、正直、ちょっと暇を持て余しているところもあるので、来週以降、ここでの泳ぎ方をいろいろ探ってみようと思う。せっかくなので、自分の所属する部署だけでなく、いろんなところも覗いてみたい。
    my room, Washington, D.C., Sep 11, 20:24

    It's a good question.

    今日、ひとつ思ったことがある。まぁ大したことではないのだが、忘れないうちにということで、連続投稿。
       
    何か質問をされたとき、アメリカ人はよく“It's a good question.”とか、“That's a good point.”と、のたまう。これらの表現が“It's a very difficult point to answer”と同義であるというのは有名なお話。もっと直接的に、“That's a complicated issue.”とか“It is controversial.”と言っているのも、よく耳にする。good question/good point系の返答も合わせてカウントするならば、質問を受けたアメリカ人が、「うん、それって難しいんだよね」と答えてしまう確率は、何気に結構、高い気がする。日本人だと、ここまであっさりとは「難しさ」を認めてしまわないのではないだろうか。
       
    ただ、アメリカ人のエラいところは、一旦「難しい」と断った上で、結局、なんやかんやと語ってみるところ。「難しい。はい、おしまい」と言って話を切り上げるアメリカ人には、未だかつてお目にかかったことはない気がする。
      
    一旦「難しい」と認めているわけだから、その後の「自論」は、逆に伸び伸びと展開できるのかも知れない。この点、日本人は、「難しい」とは言わずに、どうにかこうにか切り抜けようとするので(実際、「難しい」と言ってしまうとその時点で「負け」みたいな空気が流れる。――と思っているのは僕だけかしら??)、無理な理屈を重ねる結果となり、ときに、かえって建設的な議論が阻害されてしまう。

    世の中、シロクロつかないことだって多いのだから、アメリカ人を見習って、難しいときは「難しい」と正直に認めることも、ひとつの見識かも知れない、と思ってみた夜だった。

    ほら、大したことなかったでしょ。
    my room, Washington, D.C., Sep 10, 24:43

    Thursday, September 10, 2009

    Risk Communications

    夕方、こちらのシンクタンクで働かれている日本人の方が主催してくださった、日本人向けの勉強会に参加する。スピーカーは、長年、FEMA(連邦危機管理庁)に勤めておられた、危機管理の専門家の方(←数年前にリタイア)。2001年、同時多発テロの直後に米東海岸各地で起こった炭疽菌事件を例に、災害時における「リスク・コミュニケーション」のあり方についてお話をしてくださった。
      
    危機管理の現場を取り仕切っておられた方だけに、そのお話は非常に分かりやすく、説得力がある。細かい中身は端折るが、結論として、同事件からの教訓は、
    1. Don't be too quick to over-reassure people.
    2. Be honest with the public about risks.
    3. Communication must flow in both directions.
    4. Problems with risk communication means problems with response.
    5. Information must move as quickly as possible.
    6. Information must be shared across jursidictions.
    7. Disaster plans must include public relations/media relations.
    の7点とのこと。特に、7つ目のポイント(=メディアへの対応)の重要さを強調しておられたように思う。
      
    不正確な情報や危機を煽る情報が、メディアで大々的に報じられると、社会全体に無用の混乱を招く結果となるが、正しい情報が報じられている限り、メディアという存在には、危機の拡散を防ぐ上で非常に大きな役割を担ってもらうことができる。情報の出し手(=国・地方の政府)も、その点を十分に弁え、忙しいからと言って、ただ単に紙を撒いて対応を済ませるのではなく、メディアとの窓口となる人を置き、きちんとした対応をすべきだ、というのがスピーカー氏のご意見。政府が、メディア・国民からの「信用」を失ってしまうと、危機対応上の致命傷になりかねない、最終的には、担当官の“personal credivility”に懸かっている――とのお話であった。
      
    よく言われることだが、アメリカに比べ、日本での「メディア教育」は非常にお粗末で、まともな「メディア教育」なんて、ただの一度も受けたことがないという人が多いのではないだろうか(僕もその一人)。そんなところからくる「相互不理解」が、(危機対応時に限らず平時も含め、)報じる側と報じられる側の、比較的不幸な関係を招いてしまっているような気がする。我ながら(そして、いつもながら)、単細胞過ぎる気がしないでもないが、来学期、Syracuseに戻ったらPublic Relations関係の授業を一つとってみるのも悪くないかなという気もしてきた。
      
    勉強会後、参加者数名で近くのアジア料理屋に向かう。初対面の方も多かったが、年齢的には、皆さんほぼ同じくらいで(と先方から思われていなかったとしたら辛い…汗)、気兼ねなく日本語トークで盛り上がった。そういえば、関西弁じゃない日本語でしゃべるのって、かなり久しぶりのような気がする。うぅ、この言語、なんか話しづらいぞ。。。
    my room, Washington, D.C., Sep 10, 24:04

    International Trade and Economic Negotiation

    インターン終了後、初日の授業に向かう(昨日はオリエンテーションだけだったので、本格的な授業は今日が最初。)。6時から始まる、International Trade and Economic Negotiationという授業に出席。
       
    講師は、自分で法律事務所を持っているという法律家のおじさん(というか、おじいちゃんに近い)。かつては、USTRに在籍したり、逆に、米中貿易交渉の中国側法律顧問を務めたりしたこともある、その道のツワモノ(らしい)。ジョンズ・ホプキンスのほか、ジョージタウン、ジョージ・メイソンなど、DC近郊の名立たる大学で教鞭をとった御経験もおありなんだとか。そんな御仁の講義を、生徒数9名のクラスで受けられるというのは、何気に有難いことなのかも知れない。
      
    講義の内容はというと、至ってpractical。これから4か月かけて、国際貿易にまつわる諸々の事項 ― 具体的には、International Trade Negotiation (Multi/Bi), Foreign Market Development, International Administration Law, Customs, Commodities, Legistlation, Judical Review, Export Controls, Trade of services ― を話していく、というもの。
      
    まとまった時間のある留学期間中だからこそ、もうちょっとacademicに走った授業を取っても良かったかなぁ…という気がしないでもないが、Washingtonに来ると決めた時点で、授業内容がpracticalに走るのは目に見えていたこと。当時は、むしろその方がいいと意識的に判断してこっちを選んだんだから、今更ブレはすまい。「貿易」というのも、非常に重要なドメインながら、これまでまともに体系だてて勉強したことのなかった分野。幸か不幸か、留学生は自分だけという若干、タフな環境ではあるが、来週以降も、ぼちぼち、頑張っていこうと思う。

    愛想もそっけもないエントリーだが、今日のところはこの辺で。09/09/09の日でした。
    my room, Washington, D.C., Sep 9, 25:35

    Tuesday, September 8, 2009

    the real reason I couldn't fit in

    秋インターンと秋の授業が同時に始まった。長かった夏休みも明け、留学二年目のシーズンが本格的に始まった感じ。
      
    インターンの方は、今日のところは、PCのセッティングや、入館章の申請手続きなど、house-keeping的なお仕事が中心。今後4ヶ月のインターン期間中、具体的に何を担当させてもらうかは、明日以降、ボスさんと相談することに。周りはアメリカ人ばかりなので、当たり前だが、皆さん英語がめちゃくちゃキレイ。夏のインターン先とは比べ物にならない。ここで4ヶ月間暮らしたら、僕の英語もさぞかし上達するだろうなと、勝手な期待を抱きつつ、インターン初日を終えた(←でも何気にマジで期待している)。
       
    インターン先を少し早目に抜けさせてもらい、大学のオリエンテーション会場に直行する。約4か月ぶりに会うInternational Relationsコースの同級生たちと話してみてわかったことは、僕が彼らの輪の中にイマイチ溶け込めなかった原因は、英語の問題も去ることながら、連中との年の開きが一番の要因だったということ。圧倒的な英語力不足から来る自己不信のあまり、ついつい連中のペースに取り込まれがちだった当時は、あれもこれもが混然一体となって自分の力不足のせいに思われ、事あるごとに自分を責めていたものだが(と文字で書くほど本格的に凹んでいたわけでもないが)、曲がりなりにも一応は聞いたり喋ったりできるようになった今、改めて連中と対峙してみると、「若すぎて、よぅついていけまへん(というか、ついてかんでいいし)」というのが素直な感想。我ながら、気づくのが遅すぎた気がしないでもないが、自信のなさは、それだけ、心の眼鏡を曇らせるということなのかも知れない(とまとめておく)。
      
    その点、MPAとIRのdual degreeの面々は、皆、それなりに落ち着いていて、特に頑張ってテンションを上げなくても普通に会話が続くのでありがたい。まぁ、今更ムリやり頑張って、友達増やそうなんてタイミングでもないので、秋学期は、dualの仲間とまったりやりながら過ごしていくのも悪いくはないかという気がしている。
    my room, Washington, D.C., Sep 8, 22:18

    Monday, September 7, 2009

    One of the toughest jobs in Washington

    なんとなく気が向いて(というわけでもないのだが)、一年前の秋学期の授業で使った“Environmental Policy -New Directions for the Twenty-First Century-”という本を引っ張り出して、その中のUS-EPAに関する章を読んでみた。

    曰く、EPA長官というのは、“One of the toughest jobs in Washington”なんだとか。なんとなれば、EPAの任務である環境基準の設定に当たっては、「強力な政治的圧力」、「互いに食い違い、複雑怪奇な様相を呈する法的要求」、「論争を呼ぶデータ解釈」、そして、「(法によってEPAに)委託された権限」に、同時に苛まれてしまうから、というのがその理由らしい。Bush Jr.時代に行われた大気の水銀基準と、水のヒ素基準の設定を巡るケースを紹介しながら、純粋な「科学」だけに立脚して政策決定することを許されず、政治(その筆頭はWhite House)との「バランス」の中でしか政策決定を下すことができないEPAの姿が描かれている。(そういえば去年の9月にはこんな記事も書いていた。)
     
    まぁ確かに、それはそれで大変なんだろうということはよくわかるが、民主主義というのは、そもそもそういうものなわけであって、それを是とする以上、民主的に選ばれた政治家の決断は、「科学」よりもエラいと割り切るしかない。その点、役所どうしの足の引っ張り合いで疲弊するのよりは、「政治判断ですからヨロシク」と言われる方が、役人としてはあきらめも尽くし、またシステムとしても、民主主義の本旨に遥かに近いのではないかと思う。
      
    果たして、日本は今後、どちらの方向に向かうのだろうか。
    my room, Washington, D.C., Sep 7, 24:48

    Hmart

    長かった夏休みも終わり、今週から、クラスとインターンが始まる。のだが、今日9月8日(月)は、Labor Dayの祝日。というわけで、アイロン台、米、うどんといった生活必需品(←うどんはもちろん必需品です)を買いに、家から車で20分のWheatonという街に行ってきた。
     
    まずは、アイロン台を入手すべく、Target(←アメリカのどこにでもある巨大雑貨屋)の入ったショッピングモールへ。SyracuseにあったCarousel Centerと何ら変わらない。というか、アメリカのショッピングモールなんてどこに行ってもだいたいこんな感じだろう。JC PennyとMacy'sがとりわけ大きな区画を占め、残りの区画には、Old Navy、ALDO、Abercrombie & Fitch、Radio Shackといったいつもどおりの面々が軒を連ねる。そんな様子を眺めながら、「あ~ぁ、味気ない場所に帰ってきてしまったなぁ…」と些か冴えない気分を噛み締めたのだった。
      
    ところが、である。次の目的地に着いた瞬間、僕の中の、そんなグレーな気持は一気に吹き飛んだ。僕の訪れた場所というのは、Han Ah Reum(韓亜龍)、通称「Hmart」というAsian grocery。Asian groceryと言えば、Syracuse時代には、Han's Marketに大変お世話になったが、Han'sには、アジア関係のものしか置いていないし、値段も高い、その上、賞味期限切れの商品も平気で並べられているので(まぁこの点はあんまり気にしていなかったけど)、Han'sでは、絶対にそこでしか買えないものだけを買い、あとの食品・雑貨は、普通のスーパーで買うことを強いられていた。しかし、今日、Hmartを訪ねてみて、もはや、そんな二度手間の必要はないことを思い知らされる。
      
    品揃えで言えば、アジア食材の豊富さもさることながら、普通の商品も普通に陳列されている。値段も穏当。もちろん、賞味期限切れの商品も並んではいない。要するに、日本や韓国にありそうな、普通のスーパーマーケットが、そっくりそのままぽこっと、ワシントンの郊外に引っ越してきた感じ。都会とはこういうことなのかと改めて感動を覚える。米とうどんだけを買って帰るつもりが、勢い余って、豆腐とか、お刺身用鮭の切り身とか、ヤクルトとか、どら焼(抹茶味)とか、ハーゲンダッツ(←もはやアジアと関係ないし)とか、いろいろ買って帰ってきてしまった。
      
    この先4ヶ月間は、このHmartさんに大変お世話になりそうだ。
    my room, Washington, D.C., Sep 7, 17:44

    Sunday, September 6, 2009

    Election, at this late date...

    DCに帰還。
      
    改めて衆院選の結果を確認するべく、報道各社のサイトをいくつか訪ねてみたのだが、はっきり言って各社とも非常に見づらい。こちらとしては、伝え手の主観の混ざった「記事」を読みたいわけではなく、客観的な「情報」を知りたいだけなのだが、どうも日本のメディアはそういう作りになっていないようで。これは、技術とか予算の問題というより、そもそもの報道姿勢がそうなっているから、ということなのだろう。その点、CNNの選挙サイトなんかは、ああだこうだ言わずに、ひたすら客観データを並べてくれているので、興味・関心の赴くまま、好きなように調べられて、非常に便利。まぁ、日本には、客観情報・統計情報に対する需要が、そもそもあまりないということなのかも知れないが…。
      
    ともあれ、そんなわけで、報道機関のwebサイトには見切りをつけ、溜まりまくっている購読blogの方を読むことに。どうせ主観的な書きモノを読むんだったら、新聞よりもこっちの方が面白い。
      
    民主党の大躍進を受け、いろんな人が、今後の二大政党制確立の可能性に言及していたが、正直、僕はまだまだ懐疑的である。二大政党制が安定的に機能し続けるためには、両党間の対立軸が明確であると同時に、その対立構造が長期に亘り維持されていく必要がある。しかし、今年一月のエントリーでも書いたとおり、日本社会の中にそういう対立軸を見出すのは容易なことではない。この点は、日本社会が、アメリカ社会と(たぶんイギリス社会とも)大きく違っている点であろう。

    いま一番、「対立軸」になれそうなのは、「(いわゆる)新自由主義か、福祉国家か」という二項対立であろう。が、これとて結局のところ、どっちの党がどっちの考えを代表しているのか、はっきりとわかったものではない。鳩山代表はことさら、新自由主義との決別を叫んでいるようであるが、惨敗の中、生き残ってきた自民党議員の多くは、そもそも、小泉改革に異を唱えていた人たちであったりもする。

    自民も民主も、今後、それぞれの党是を明確にしていかないことには、いくら一時的に勢力が均衡することがあっても、本当の意味で価値のある、成熟した二大政党制には移行していけないだろう。そもそも、日本社会に、そんなにわかりやすい「対立軸」なんてものが存在するのか?? という点は、僕の中で引き続き、疑問として残っているのだが…。
    my room, Washington D.C., Sep 5, 28:08

    Saturday, September 5, 2009

    Fully charged

    一週間前に妻を待ちながらblogを書いていた空港で、妻の出発を見送り、一週間前と同じレストランでインターネットをしながら、少しずつ、現実世界へのリハビリテーションを始めています。

    日本がすごいことになっている最中に悠長なことで大変恐縮ではございますが、この一週間、ほとんどネットに繋がることもなく、Wyomingの大自然の中、妻と二人、幸せな時間を過ごしてきました。休みの前半に訪れたYelowstone国立公園はもちろん素晴らしかったのですが、Yellowstoneに比べれば知名度の落ちるGrand Teton国立公園も、美しいTeton連峰のふもとに広がる静かで落ち着いた公園で、本当に素敵なところでした。

    これまで、妻の猛プッシュにも拘わらず、「山」というものにはまったく興味を示してこなかった僕ですが、Grand Tetonのあまりの美しさに、にわか山好きになってしまいそうな勢いです。まぁ、実際、山に登るかどうかは、日本に帰ってからゆっくり考えるとして…(笑)

    ともあれ、この一週間で、十二分に充電完了。留学の残り一年は、自分にとって「勝負」と思って、走りぬけようと思います。
    Jackson Hole Airport, Sep 5, 8:44 MST